第9話 今度はみんなで一緒に・・・(3)

早速その週の木曜日の放課後、生徒会の顔合わせがあった、

会長は同学年だが前年度の副会長から続投の槇原 拓(まきはら たく)

あと、同じく前年度からの続投で会計をしていた、五十鈴 舞(いすず まい)さん

が会計続投になり、後は俺たちを足して6人が生徒会メンバーとなる。


槇原会長は結構イケメンな感じでおそらく勉強もできて

リア充な雰囲気ある人だった、あと五十鈴さんは可愛いと言うより、

知的美人という雰囲気の人で、大人しい梓川や喧しい三木谷とは

違うタイプの女の子だ、


「成り行きは聞いているよ、災難だったな、でも家は

そんなに盛んに生徒会活動するような学校ではないから、

まあ、大体過去の活動例に従っていればいいさ」

と生徒会長の槇原先輩が説明する。

さすが、進学校その辺は生徒会活動より勉学優先な所か、


「日々の細かい作業については、五十鈴さんも居るし、

まあ、気楽に行こう」

と会長から説明される。


「じゃあ、一様自己紹介から始めようか、と行っても

4人は同じクラスだから互いの紹介は不要だろう、

俺と五十鈴君に説明すれば良いよ、」


最初に自分からと会長が説明してきた、

「名前は槇原 拓、まあ一様、前期も副会長だったんで、

それなりにアドバイスは出来ると思う、

あと趣味はバイクでツーリングだ大体週末は

時間が有れば峠を流している、よろしく、」


えっ!以外だ殆どバイクとか関心無い生徒が多いのに

会長がツーリング趣味を持っているのは、

「ちなみに知ってるぞ、春日君がHonda 400Xで

相沢君がHonda レブル250に乗っているのは」


「えっ、そうなんですか、何で」と相沢

俺も疑問だ、

「別に生徒会で把握して、チェックをしている訳では無いよ、

たまたま見かけて、いつか声を掛けられれば、と思っていただけさ」

なるほど、別にバイクで不良認定された訳では無いんだ、


紹介を聞いていた梓川が

「でも、すごい偶然ですね、生徒会男子全員がバイク持ってるなんて」


「ほんと、何か運命感じるわ、」

と三木谷も追従して感想を言う、さらに

「まさか、実は五十鈴さんも女子ライダーとか?」


「わ、私は別にバイクとかは乗らないよ、たまに会長の後ろに載せてもらう位で・・・」

と三木谷のツッコミにあわてて答える五十鈴さん、でもその後シマッタという感じ

で口を押える。


「ふうぅ~ん、でも会長の後ろには乗っちゃうんだ・・・」

でた三木谷の悪い癖が、


「誤解しないでくれ、別に俺と五十鈴さんは特別な関係じゃないよ、

俺がツーリングは楽しいよと日頃から話していて、一度、誘ってから

ツーリング以外も買い物とか付き合うようになっただけさ」

と会長、


「そうなんですよ、別に私と会長は友達と言うだけで、特別な

関係では・・・」と五十鈴さんもチョットがっかりした様子で

加える。


なにかニヤニヤしながら三木谷が

「まあ、詳しい話は、後で女子同士で詰めるとして、

切っ掛けは誰かさんみたい。」と梓川を見る。


「ミキミキ!誰かさんて、私も一度食事しただけだよ!」

と梓川も反論する。


「と、取り合えず私も続投なので宜しくお願いします」

と五十鈴さんも挨拶する、


お互いの紹介も済んで、相沢が会話の中で

「で、会長ってバイクは何に乗ってるんですか?」

「同学年だから敬語は不要だよ、で、俺のバイクか

俺のはロートルバイクだから、大した事無いよ!」

「で車種は、」


「知ってるかな、YamahaのRZ350・・・」

と会長。



相沢が急に真面目な顔になって

「会長、ガチですね・・・、あのポケットロケット・・・」


「確かに、ガチかもしれないね、」

会長もそう答える。


たしかにRZ350とは、相沢ほどバイク詳しい訳ではないが、

ガチなのは解る。


「でどうですか、RZ350は」

と相沢、

「調子が良ければ、気持ちいいよ、」

と会長、


三木谷が

「二人で語ってないで、何で会長のバイクがガチなの?」


相沢が

「ふふっ、女には解らない世界が有るのさ、」


「それ、女性蔑視、理由位は教えろ!」

三木谷の返しに梓川も首を縦に振る。


「よし春日、答えてやれ!」

なぜ俺にふる、相沢・・・、まあ良いか、梓川も知りたそうだし、


「会長のバイクは2ストのロードバイクなんだよ、」

とまず回答。

「2スト?」と三木谷


「そう、普通、今は新車で販売されているバイクのエンジンは

基本4ストロークタイプのエンジンなんだけど、

昔は2ストロークタイプのエンジンのバイクが有って、

今でも中古は有るけど」


「その2ストーロークのエンジンてっ何が違うの?」


「細かい話は難しいから省略するけど、4ストロークは低回転数でも安定しているけど、

2ストロークは一般的には低回転数だと不安定というか余り力が出ない、普通に乗るには

問題無いけど、」


「回転数?」


「エンジンが大体1分間に何回周るかの事な」


「それ位解るよ、うちの車にもメーター付いてるもん」


「でその不安定なエンジンを何故使うの?」


「でも2ストのエンジンは有る高い回転数まで回すと、4ストーロークより

パワーが出るんだ、しかも軽く作れる、だからエンジンを高回転まで回すと

同排気量4ストロークエンジンより早く走れる、ただ、どうしても

早く走るには癖が出るし、排気ガスも多く出るし、燃費も悪いし、

音もうるさい、だから新車では販売されなくなったんだ」


「なんか解ったような、解らない様な・・・」


「まあ、乗り方に癖が有って、早く走るにはコツがいるって事で良いよ、

それで、出た当時、会長のバイクはナナハンキラーと呼ばれていた、

4ストロークやつで、ほぼ倍のエンジンの大きさのエンジンを積んだ

バイクを抜けると言う事でさ」


「あっ、だから会長のバイクって走る時、甲高い音が出るんだ」

とこちらは五十鈴さん、


「でも会長のバイクって、なんか変わった匂いがするんだよね、嫌いじゃないけど」

とつづけて五十鈴さん、さすが会長とニ尻(ニケツ)しているだけは有る

(2ストーク用オイルは甘いような匂いがする物も有ります)


「それ、多分オイルの焼ける匂いだ、2ストロークは構造上オイル燃えるから、」


「説明ご苦労、春日君、」

えばるな、相沢、


「つまり会長のバイクはマニアックな奴なんだね」

と三木谷、


「マニアックはやだなぁ~」

と会長、


とこんな感じで、雑談を交えながら、生徒会活動の挨拶と説明が進んだ、


その後、土曜の朝、キャンプに向かう前の相沢と軽くツーリングするので

会長を誘ったら、了解を得られたので一緒することになった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る