第4話


※ ※ ※



「紫ぃー、この服どうかな?」


「いいんじゃない・・・」



あれからたまに会ってはこうしてショッピングなんかに付き合わされている。


「この服!紫に絶対似合うよ!」


「嫌よ!私はもうそんなに若くないんだし・・・それに・・・」


桃のお陰で変身無しで人前に出られるようにはなってきた。だけど大嫌いな顔だけは長い髪と大きな帽子で隠さないと、とても無理であった。


「まだ二十歳でしょ?じゃあさっさと目当ての物買って帰ろっか!」


桃はいつも明るく笑顔いっぱいで、何処へ行っても皆の人気者だ。巷では美少女女子高生ヒーローとして有名らしい。


「あの・・・もしかしてキメハダピンクさんですか?」


「うん、そうだよ」


「キャー!やっぱり!!一緒に写真撮って貰ってもいいですか!?」


「勿論!」


いつもこうして黄色い声を聞いてどんどん人が集まってくるが、桃は嫌な顔一つせず全ての人と向き合う。


桃は良い子だ。

だけど、それが無性に怖くなる・・・


彼奴らを片っ端から消してしまえば――



『見つけた。こんな所に居たんだね、紫』



「紫!!ごめんね紫!外苦手なのに沢山待たせたりして・・・どうしたの!?気分悪い!?」


あぁ、分かってるよ。

君がそんな事を望む筈がない事なんて。


「ううん、なんでもない。桃、もし嫌な事や辛い事があったら必ず私に言ってね」


「うん!紫、ありがとう!!」


この笑顔が守りたい。

私の願いはそれだけなのに・・・



『君に吉報だよハダアレイニー、あと少しで君のレインドロップが溜まる。良かったな、これで晴れて君の願いが叶うわけだ。

だけど君にはもう時間が無いのだろう?

残念だ。

まぁ、の1人でも倒せれば、話は変わってくる訳だが――』

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