第56話 鬼難易度過ぎるでしょ!
ガトーショコラの作り方。
材料
直径15cm丸型(底取)1台分
ミルクチョコレート 150g
無塩バター 100g
純ココア 大さじ2
薄力粉 30g
砂糖 70g
塩 少々
卵 3個
粉砂糖
①卵を卵黄、卵白に分ける。チョコレートを細かく刻む。
②薄力粉と純ココアを合わせて振るう。
③細かく刻んだチョコレートをボウルに入れて湯煎にかけて溶かし、バターを加えて混ぜて溶かす。
④別のボウルに卵黄と砂糖を入れてハンドミキサーで2分程度白っぽくなるまで混ぜる。
⑤溶かしたチョコレートを少しずつ加えながら混ぜ、薄力粉、純ココアを再び振るいながら加えて混ぜる(チョコレート生地)。
⑥別のボウルに卵白、塩を入れてピンとツノが立つまで混ぜてメレンゲを作り、チョコレート生地のボウルに1/3量ずつ加えてその都度切るように混ぜる。
⑦クッキングシートを敷いた型に生地を流し入れて170℃のオーブンで30〜35分焼いて、粗熱をとる。冷やして、お好みで粉砂糖をふって完成。
※クック○ッドのコピペです。
卵を卵黄と卵白を分けるなんて普段しないから、卵を割ってから殻を使って上手く分ける陽太の手付きをまじまじ見ていた。夕夏はチョコレートを切ったり、薄力粉とココアを混ぜたりと簡単な作業を行い、陽太がミキサーを使って卵黄とメレンゲを作っていく。材料が整ったらメレンゲに加えていって、型に流しオーブンで焼いていく。
ここまでの作業で夕夏はほとんどアシストしかしていない。これでヴァレンタインチョコと言えるのだろうか?
買ってから1度も使った事のないオーブンを使って、生地を焼いていく。30分経つと焼けたいい匂いが部屋を包む。焼き上がってオーブンレンジを開けると、焦げ茶色の綺麗なガトーショコラが完成した。切り分けて粉砂糖をかければ100点満点だ!テーブルに並べて陽太と一緒に実食する。
「うん!上手くできましたね。自分でやるのは初めてだったんですけど、成功して良かったです!」
仕上がりにご満悦の陽太。確かに美味しいし見た目の完璧だ。これをヴァレンタインに『彼女』が作ってくれたら、男冥利に尽きるだろう。『私』は作れないがなっ!
「結婚したら、陽太くんがお料理した方がいいのかな~」
自分の料理下手を嘆きながらガトーショコラを口に入れる夕夏。陽太は何気ない夕夏の言葉に顔が緩んでしまった。『結婚』という将来の話ができるだなんて、なんて幸せなんだ。
「ふふふ。なら俺、将来は定時で帰れる超ホワイト企業か残業なしの公務員を目指しますよ」
「『主夫』って手もあるよ!」
陽太はガトーショコラから視線を上げる。頬杖をした夕夏が微笑んだ。
「私が陽太くんを養ってあげる…」
にっこりとした夕夏の笑顔にときめく陽太。これ以上『惚れ』させないでほしい。歯止めが効かなくなる。
「なんですか、それ。逆プロポーズみたい…」
「あっはは!いつも陽太くんには度肝を抜かれてるから!仕返しだよ」
「じゃあ、今からお母さんに花嫁修行でもしてもらいましょうかね」
「『花婿修行』じゃない?」
「パワーワードですね、それ」
夕夏はふわふわした笑顔を向ける。陽太も嬉しくて笑顔を返した。
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