料理も家事も完璧だよ!この子!
第3話 俺が貰ってあげましょうか?
ウィンナーが焼ける音で目を覚ますなんて、なんて幸せなんだろう。香ばしい匂いと菜箸を回す音で夕夏はゆっくり体を起こし、匂いに釣られて部屋を出る。
「おっはよ~!陽太くん」
「おはようございます。夕夏さん」
朝からイケメンの微笑みを見れて眼福である。テーブルについて陽太が準備してくれた朝食を一緒に食べた。
ウィンナーにスクランブルエッグ、夕夏好みに焼いた食パンにバターが溶けている。自分一人だけの時は、朝は牛乳と食パンだけだったのに…。
陽太は料理の手際がよく、ネットで調べて色々な料理を作ってくれた。家事スキルも完璧なので、すっかり甘えてしまっている。
「陽太くんが来てから食事が豊かだよ~!ありがとうね」
「いえ、居候ですからこれくらいは。料理は元々お婆ちゃんから教わってたし、『あの人』は生活力ないですから」
彼は夕夏の甥っ子だ。クズ姉が再婚するので、置いていった陽太を叔母である彼女が引き取った。すでに同棲してから1ヶ月が経っている。
「私は料理下手だからね~!女子力皆無だし、一生独身かもね」
「なら、俺が貰ってあげましょうか?夕夏さん」
「あっはは!面白いこというね!それと、私の事は『叔母さん』でいいよ」
「でも、昔『叔母さん』って言ったら怒ったじゃないですか」
「え、そーだっけ?」
「夕夏さんがまだ実家にいた頃に…」
「ああ~、だってまだ私学生だったし!『叔母さん』はちょっとね…」
「じゃあ、昔と同じで『ゆーちゃん』って呼んでもいいですか?」
「それはやめて!恥ずかしいっ…」
歯を見せて笑う陽太。暮らし始めた時は表情が乏しかったが、今はよく笑ってくれる。
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