自分だけの空間
世界は
校舎の中に入っても、彩りは消えたまま。
その
「
義洋は、楚愛のその様子を疑問に思ったらしく、
「どうしたの? なんか暗いね」
と言った。昨日、楚愛に、水の球体を
どちらでも、どうでもいい。楚愛は
「覚えてないの? 昨日」
「え、昨日? 楚愛ちゃんと……」
ムカムカが止まらない。ボコボコと音をたてて
「もういい」
楚愛は、
そのまま、外へ出た。一直線に。
外に出た楚愛は、
両手を広げ、球体をだす。そして、さらに両手を広げて、球体を大きくした。バランスボールほどの大きさになると、楚愛はそれに
あっというまに、学校の
楚愛は、ほっとした。ここには誰もいない。自分だけの空間だ。何の息苦しさもない。そこに、水のドームを作り、楚愛は
空に手をのばす。空から降る雨たちは、球体へと変わっていった。
そのころ、教室では、担任の
先生は、楚愛がいないことを
「あれ、
「それが……朝はいたんですけど、さっき出ていったきり帰ってきません」
義洋が言った。
「……なにか、トラブルでも?」
「よくわかんないですけど、……
「私も探してみるわ」
義洋と先生は、楚愛を探すため、教室をあとにした。
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