32話 謙太⑬
「で、いよいよ1か月後僕はリベンジに向かったんだ!前回と同じ店、そして同じお姉さんを指名したよ。……こっちは1か月丹念に開発してきたという心の余裕もあった。……そしてそれがすぐにお姉さんにも伝わったんだろうね。『何?自分で開発してきたの?超淫乱じゃん、ボク?』って耳元で囁かれてね……それで一気にスイッチが入ったんだ」
付いていけない……と思っていた謙太の話だったが、風俗での具体的な描写をされると一気に興奮してきた。
「僕の様子を見てお姉さんもプレイを変えたんだ。前回の時はひたすら優しくっていう感じだったんだけど、今回は徹底的に意地悪に焦らされたんだ。……開発してきたアナルには全然触ってもらえずに、ひたすら耳元でエッチな言葉を囁かれながら乳首を責められたんだ。それまで自分の乳首があんなに感じるとは知らなかったよ。……あとで聞いた話だとアナルと乳首ってのは神経が繋がっていて、快感をお互いに増幅し合う機能があるんだって」
「……ほう、中々興味深い話でんな」
相槌を打った長田の鼻息も荒くなっていた。
「……で、延々乳首を責められてる内に我慢出来なくなって『……入れて』っておねだりしちゃったんだよね。そしたらお姉さんも意地悪に『……ん?何?聞こえないんだけど』って言うんだよね。……僕はもう完全に乙女になっていたね!で、散々焦らされた挙句入れられたんだけど、それだけでもう一気に頭は真っ白になった。……でもお姉さんは一気に動かしたりしないで、最初はずっと入れたまんまにしてたんだ。アナルを慣らすにはそういう方法が良いらしいんだけど、そのもどかしさがまた僕を高ぶらせた。……もういよいよになってお姉さんがスティックを動かした瞬間に僕は思いっきり声を出しちゃった。その瞬間に射精しちゃった!と思ったんだけど、実際には射精していなかった……これがドライだ!って確信したよ」
いつの間にか皆が唾を飲み込み、謙太の話の続きを待っていた。
「……その時にスティックが前立腺をジャストで捉えていたんだ。前立腺っていうのはアナルから入って5センチくらいの少しお腹側にある器官なんだけど、男性にしか存在せず存在意義もよく分かっていないんだ。女性で言うGスポットの名残なんじゃないかとも言われている。……僕はこの説を強く支持するよ。男の性の中には女の性が潜んでいる。この時の体験を思い出すと僕は毎回そう思うね。……で、ドライってのは快感の自体も射精とは比べ物にならないくらい大きいんだけど、射精みたいに賢者タイムがないんだ。つまり何回でもイケちゃうってことだね。……それからお姉さんに何回もイカされて、僕は本当にもう記憶が曖昧になるくらいの快感を味わったんだ」
「夢見心地のままプレイを終えて朦朧とした意識の中で終了の時間が来たんだけど、お姉さんが『大丈夫?キモチ良かったね?』って言って抱きしめてくれたんだ。その時本当に世界の色が変わって見えるくらい幸せを感じて、僕は泣いてしまったよ……」
謙太は恥ずかしそうに少し笑った。
幸せな話をしているのだから、同意して祝福してやればいいのかもしれないが、語っている内容が内容だけにどう相槌を打てばいいのか分からなかった。
「でね……それで思い出したのは、高校生の頃に僕のことを好きだって言ってくれた後輩の女の子とエッチした時のことなんだ。僕は彼女のことが特別好きでもなかったんだけど、彼女に押し切られるような形でエッチをした。……で、終わってから彼女が泣いてたから『どうしたの?』って聞いたら、実は処女だったって言うんだよ。『でも、先輩と一つになれたから嬉しいんです』って言っててさ。……多分ちゃんと付き合う関係になれないことは、僕も彼女も分かっていたと思う。だから、その悲しさの涙を誤魔化すための強がりだとずっと思ってた。……でも自分が初めてドライオーガズムを……女の子の快感を味わって、彼女の涙は言葉通りのものだったんだろうな、って思ったんだよね。男の身体の中に女は眠っている、これは間違いないよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます