第3話 心の中へ

第三話『光の護人』

過去へ跳び、若き頃の村長、その仲間たちのいる時代へと着いたアルド達。

過去から未来へ侵攻を始める悪意の源を断つべく、戦いの舞台へと向かおうとするが……


○セレナ海岸・過去

第二話終了直後から開始。

自由行動。メディーナ、ギレウス、ヴィクトらの前にあるアイコンをタップするまで。元の時代に戻るには球体をタップする。

球体をタップ。

球体「元の時代に戻る?」

 戻ろう、を選択。

球体「わかったわ。それー!」

 まだ戻らない、を選択。

球体「うん。準備が出来たら、行きましょう!」

メディーナ、ギレウス、ヴィクトらの前にあるアイコンをタップ。

イベントを開始。


ギレウス「さて。さっさと行きたいところだが、準備しないとな」

ヴィクト「そうだな。急いては事を仕損じると言うからな。ユニガンに戻ろう」

アルド「ユニガン?」

ギレウス「ああ。アシュティアっつー姉ちゃんがいてな。そいつのところに行く」

アルド「はぁ?」

ギレウス「どうした?」

アルド「い、い、いや。アシュティアって……まさかな」

 行動開始。ユニガンへ。


○王都ユニガン・街

  城へは入れない。城下にある民家の一つにアイコン。


○同・民家・内

  アシュティアが何やら見慣れない機械を弄っている。

  中に入ってくる一同。

ギレウス「おぉー、やってるねぇ」

アシュティア「あらギレウス。沖に出てきた建造物、あれってアンタの仕業?」

ギレウス「人聞きの悪いこと言うなよ。つか、わかってるだろ?」

アシュティア「まぁね。ところで--」

  アルド、驚く。

アルド「アシュティア姉ちゃん……!?」

アシュティア「いかにも私がアシュティアだけど。あんた誰?」

ギレウス「アルド、このネーチャンのこと知ってるのか?」

アルド「え? あ、ああ。まぁ、噂くらい?」

アシュティア「ふぅん。そっちはどういうことか、私を知ってるわけだ。アンタ達、名前は?」

アルド「お、俺はアルド。妹のフィーネに仲間のサイラス、エイミ、リィカとヘレナだ」

アシュティア「なかなか粒ぞろいね。あ、カエルはノーセンキューで」

サイラス「ガーーーーン! でゴザル--ッ!」

  愕然とするサイラス。

フィーネ「お兄ちゃん、もしかして……」

アルド「この後、時間を超えて俺たちの時代に来るのか? 俺達が小さい頃、村に住み始めたんだよな、確か」

フィーネ「うん。お姉ちゃんは若作りしてるって言ってたから外見はあまり気にならなかったけど……」

アルド「よくよく考えてみたら、無理があるよな」

アシュティア「どうかした?」

アルド「いや、何でもない(これ以上考えないほうがいいかも知れない)」

アシュティア「それで、アンタ達はどうしてギレウス達と一緒にいるの?」

ギレウス「集落の自警団だってよ。様子がおかしいってんで、見に来たら鉢合わせてな。かなりの腕だから、次の戦いに同行してもらうつもりだ」

アシュティア「目的は?」

アルド「目的って……そりゃ、あんなもの放置しておけないだろ」

アシュティア「それだけ?」

  驚くアルド。まるで見透かされているような口調のアシュティアにこれ以上隠し事はできないと悟る。

アルド「ギレウス、ヴィクト、メディーナさん。外に出てくれないか?」

ギレウス「なんだよ。内緒話か?」

アシュティア「私は構わないわよ。三人とも、しばらく外出てて」

ギレウス「えー」

メディーナ「いいじゃないの。秘密のお話みたいだし。ほら」

  メディーナに引きずられて行くギレウス、ヴィクト。

アシュティア「さて。いいわよ。未来からのお客様」

アルド「ばれてる……」

アシュティア「バレバレに決まってるでしょ。アルドとフィーネ以外、全員別々の時間軸から来たでしょ? 見た感じサイラスが過去でアルドとフィーネが今から数十年後の未来、残りが更に数百年後の未来かしら?」

アルド「全部あってる……」

アシュティア「私も放浪の身だからね。この時代ではギレウスの協力をしているわ」

アルド「協力?」

アシュティア「メディーナのことよ。彼女の力の源をどうにかしたくてね」

エイミ「どういうことですか?」

アシュティア「彼女の力は自らの寿命を膨大な力に変換する異能。真霊力と呼ばれるものなの。力によっては時間を操ることもできるって話だけど」

アルド「時間を操る……もし出来たら、すごいな」

アシュティア「代償は自らの寿命。そんな事を要求する力は本来、有り得ないのよ。必ず因果関係があると踏んだ私はついにそれを、つい今しがた見つけることに成功したの」

サイラス「それは、一体全体どのような?」

アシュティア「心よ」

アルド「心?」

アシュティア「正確には、心を象っている自我。そこに渦巻いている負の感情にあるのよ。感情は全てに作用する意思の力よ。道を切り開く前向きなものや停滞や倦怠をもたらす後ろ向きなもの。どちらに傾きすぎても世界は良くない方向に向かっていく。メディーナの場合、負のイメージに偏り過ぎてしまったために寿命が僅かしか残っていないのよ」

アルド「寿命がわずかしかないって、どういうことだよ?」

アシュティア「生きたとしても、1年あるか無いか……」

フィーネ「そんな!」

リィカ「ナントカナラナイノデショウカ?」

アシュティア「そこでアンタ達の出番よ」

アルド「俺達の?」

アシュティア「というより、アンタ達しかもういないのよ。ギレウスとヴィクト、ほかの連中でもダメだったし」

エイミ「何をすればいいの?」

アシュティア「フィーネ、アンタの力を借りるわ」

フィーネ「私の?」

アシュティア「イメージなんだけど、メディーナと力の質が似ているアンタなら出来るかもしれない。あの子の心の中に入ることが」

サイラス「心の中に、でゴザルか?」

アシュティア「心の中に入って、力の流れを安定させるのよ。今のあの子は、気づかない間に力を垂れ流している状態にあるの。流れを安定させて、正常な流れに戻してあげないと何もしないうちに死んでしまう。一番は何もせず平和に暮らしてもらうところなんだけど、言っても聞かないし」

アルド「心の中、か。皆はどうする?」

エイミ「乗りかかった船よ。やりましょう」

サイラス「某も同じでゴザル。ここで見捨ててはサムライの名折れ」

リィカ「ヒトノココロ……ヒジョウニキョウミガアリマス」

ヘレナ「そうね。未だ誰も成し得ない心のメカニズムの解明。一足先に果たさせてもらおうかしら」

アルド「と、いうわけだ。フィーネはどうする?」

フィーネ「決まってるよ。やろう!」

アシュティア「よく言ったわ! よし、準備が出来たら言って」

 行動開始。


○同・外

  ギレウス、ヴィクト、メディーナがいる。

ギレウス「ん? 話は終わったのか?」

ヴィクト「アシュティアの話は長いからな。本題からすぐに脱線しちまう」

メディーナ「大丈夫? 眠くなってない?」


○同・民家・内

  アシュティアのアイコンをタップ。

  アシュティアの前に集まる一同。

アシュティア「準備できた?」

アルド選択「いつでもいける!」or「もう少し待ってくれ」

 もう少し待ってくれを選択。

アシュティア「ならちゃっちゃと準備してきなさい」

 いつでもいける!を選択。

 暗転。


  入ってくるギレウス、ヴィクト、メディーナ。

アシュティア「さて。じゃあ、宿屋で休みましょうか」

ギレウス「なんだ、もう休むのか?」

アシュティア「明日の朝一に決戦よ。早めに休んで、英気を養いなさいな」


 暗転。

○ユニガン・宿屋・二階

 夜になり、ベッドで休んでいるギレウス、ヴィクト、メディーナ。

 の、前に立っているアルド達。フィーネの体がぼんやりと光っていく。

フィーネ「メディーナさんの中に吸い込まれていくイメージ……」

 暗転。

アシュティアの声「いい? まずは想像するの。瞼の裏に見えるメディーナの姿を目指して、自分の意思を走らせて」

 暗転解ける。

フィーネ「見えた!」

 発光。立ったまま目を閉じて動かないアルド達。

ギレウス「うーん……」

 ギレウスが寝返りをうつ。


○心象世界

 荘厳な雰囲気に包まれた冷たい世界。

 ぼんやりと光る石床と、無数の墓石が並んだ寂しい場所。

アルド「ここは……」

サイラス「墓石しかないでござる」

エイミ「ここが、メディーナの世界なの?」

 球体が顕れる。

球体「そうみたいね」

アルド「あ、球体! 今までどこにいたんだ?」

球体「ちょっとね。アシュティアの前に現れるわけにはいかなくて。アルドくん、ここから先は少し危険よ。私はここにいるから、何かあったら戻ってくるのよ。回復くらいなら出来るから」

アルド「あ、ああ……」

 行動開始。敵とエンカウントするようになる。全滅の場合、球体の前からやり直し。3フロアほど進む。


○同・最奥

 分厚い扉が聳えている。

 アルドが触れようとすると、扉に青い火が灯る。

扉の声「これより先、原初の間なり。神住まう聖域、立ち入ることなかれ」

アルド「原初の間?」

扉の声「かの者の源。契約者の願いが、力となる場所」

エイミ「悪いけど、通らせてもらうわよ」

扉の声「愚かなり。覚悟なき者、道理なき者よ。これより先を潜り、無限の後悔と苦痛を味わうがよい」

  音もなく扉が開く。先へ進むアルド達。


○扉の向こう

  青黒い、死にも似た静寂の支配する狭い世界。

  真上に、下半身のない巨人が浮いている。

巨人「よくぞ来た。新たなる贄よ」

アルド「贄だって!?」

巨人「宿主が契約を終えそうなのでな。源に勘づいた者が来る頃だと思っていた」

エイミ「まさか、アンタ……アンタがメディーナの寿命を!?」

巨人「我は強き霊力に惹かれ、心を行き来する者。ラルヴァ」

フィーネ「ラルヴァ……」

巨人「契約者は頑なに仲間達の侵入を拒んでいたが、どうやらキサマらは別のようだ。人ならざるモノもいるようだが、まぁいい。その肉体、魂を喰らい尽くしてやろうぞ」

声「やってみやがれ!」

  扉が吹き飛び、ラルヴァに命中する。

  ずかずかと入ってくるギレウス。

ギレウス「よぉ」

ラルヴァ「な、貴様……!」

アルド「じいちゃ……ギレウス!」

ギレウス「アルドか。なんでここにいるんだか知らんが、それは俺も同じか」

ラルヴァ「ハハハハハハ! これはいいぞ! 想い人の魂を喰らえる日が来ようとはな!」

エイミ「(想い人? まさか、メディーナはギレウスのことを……)」

ギレウス「なんとなくわかるぜ。お前だな? メディーナの力を使わせてる奴は」

ラルヴァ「その通りだ。本人は気づいていないがな。何故ならば、そういう契約だからだ。寿命を引換にし、仲間を護る力を願った彼女自身のな!」

ギレウス「馬鹿だぜ」

ラルヴァ「ああ。滑稽だな。まったく、面白い話だ! 人の心を貪る我の存在に気づかず、死んでいくのだからな」

ギレウス「本当、バカだよな。わからないと思ってたのか」

アルド「ギレウス?」

ギレウス「あいつさ、力を使うたびに苦しそうな顔をするんだ。誰かが助かるたびに、身を切られたように痛そうな顔をして。俺は、そいつをどうにかしてやりたかった」

ラルヴァ「できるさ。お前の魂を、我に食らわせろ」

ギレウス「でな、そう思ってもこの扉だけは開けられなかったんだ」

エイミ「そうだったのね」

ギレウス「お前らのおかげだ。扉が僅かに開いていたから、無理矢理こじ開けられた」

サイラス「無理矢理というレベルではないと思うでゴザルが……」

ギレウス「というわけだ。そこのデカイの。初対面で悪いが、ここで消えてもらう」

ラルヴァ「愚かな! 契約を破ろうというのか!?」

ギレウス「さっさと来いバカ」

ラルヴァ「膨大な力をもつ我を無視し、愚弄する愚かの極地。無学にして傲慢極まる態度! とくと後悔させてくれる!」

  心象の巨人ラルヴァと戦闘。敗北の場合、球体の前からやり直しorクロノス石でコンティニュー。


 勝利。

ラルヴァ「馬鹿な……何故……」

 ラルヴァが消え、世界が光を取り戻していく。

ギレウス「よし。これでいいはずだ」

アルド「ギレウスはわかっていたのか? ここのことを」

ギレウス「まぁ、な。寿命を削り続けてまで戦ってもらおうなんて、俺は思ってないが、言ったところで聞いちゃくれないからなぁ。せめて、寿命を削らないように力を使えるように出来ないかって思ってた」

エイミ「(やっとわかった。ギレウスさんの強さの秘密が。それは、メディーナに力を使わせまいとする一心によるものだったのね)」

ギレウス「あの巨人を倒したことで、少しは何とかできるといいんだが……な」

  球体が現れる。

球体「大丈夫よ」

  光に包まれていく世界。

球体「あなたがここに来てくれたから、私は……」


○ユニガン・外

  朝。宿屋から出てくるギレウス。後から来るメディーナ。

ギレウス「おお、起きたのか」

メディーナ「うん」

ギレウス「準備は出来たか?」

メディーナ「うん。私、久しぶりに夢を見たの」

ギレウス「夢?」

メディーナ「どうしようもなくなった時に、手を差し伸べられたの。すごく暖かくて、どこかで感じたことのあるものだった」

ギレウス「いい夢だったか?」

メディーナ「うん。すごくいい夢だった。おかげで良く眠れたもの」

ギレウス「そいつは何より。そういや、俺も変な夢見てよ。なんだか知らねぇ巨人と喧嘩するっつーもんだった。ま、最後は俺が勝ったけどよ」

メディーナ「いい夢だったの?」

ギレウス「いや、あれは悪夢だったかもな。でも不思議と良く眠れたんだよな。そうだ。大きな喧嘩をする前は早めに寝るか。勝利する夢を見れば縁起が良くなるかもしれねぇ」

メディーナ「何よそれ。夢でも戦うのはさすがにイヤよ」

ギレウス「それもそうか!」

  笑い合う二人。

  を、遠くから見ているアルド達。

アルド「よし。セレナ海岸へ向かおう!」

  クエスト終了。

  ユニガン・過去から行動開始。


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