第2話
追手から逃げるべく、3段飛びで空へと飛び立つ。
いち、にの、さん で、どこまでも拡がる大空へ。
これだけ広い世界へ逃げ込めば、追手などもう目ではない。
最早眼中にない。視界にあるのは大きな大きな空の世界と小さな小さな地上の世界である。
どこまでも飛んで行く。どこまでも飛んで行きたいから。
何度も空を飛ぶ。
川が見える。
ビルが見える。
時折雨が降る。
暫くすると雨が止む。
景色は次から次へと変化する。
これまで幾度となく行ってきた空の旅。
毎回同じ景色を見るとは限らない。
しかし最後に見る物だけは同じだ。
この旅の終着地はいつも同じ。
「・・・・やっぱり夢か。」
布団の上である。
夢の世界を旅した後は、地面の上を歩き会社へ向かうのだ。
毎日同じ路線の電車に乗って、
毎日同じ会社に行って、
毎日同じ自宅に帰って、
毎日同じ布団の上で、
新たな空の旅へ出かける。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます