第3話


誰かが言った。


「冬が嫌いだ。とても寒くて嫌な気持ちになる」


その言葉に別の誰かがこう返した。


「いや、暑い夏の方が嫌だ。冬はむしろ好きだ」


また別の誰かは


「自分も雪が見られるから冬が好きだ。寒いと鍋が美味しいじゃないか」


と言った。

更に


「そうだ。鍋を食べたり、暖房を使ったりすれば暖かくなるじゃないか」

「雪って何だかウキウキした気分になるよね。夏には絶対雪が降らないからこうはいかないよ」

「雪合戦やかまくら造りをするのも良い。寒くても色々楽しめる」

「クリスマスや正月とかイベントも沢山あって良いよね」

「何より夏みたいにジメジメしていないし虫がウジャウジャ出てこないから快適」


皆一様に冬が好きだと言った。

その後も次々と冬を好む声が上がっていった。




別の日、別の場所で誰かが言った。


「冬が嫌いだ。とても寒くて嫌な気持ちになる」


その言葉に別の誰かがこう返した。


「同じく寒いのは大嫌いだ。暑い夏の方がまだマシだ」


また別の誰かは


「自分も雪が降る冬は嫌いだ。夏に海に入りたい。」


と言った。

更に


「暖房を沢山使って光熱費がかかってしまうから困る。暑いのはまだ何とかなる」

「雪かきが面倒だよね。梅雨で沢山雨降った所で何かする必要無いし」

「海やプールに行ったり、花火を見に行ったりするのも良い」

「花火良いよね。冬は寒くて外へ出る気にならないよ」

「何より冬みたいに乾燥していないしウイルスがだいぶマシになるから助かる」


皆一様に冬が嫌いだと言った。

その後も次々と冬を嫌う声が上がっていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る