百十六話 一方地上では3

「おい、それどこに落ちてたんだ!」



「......ここから......南西二キロ......

ぐらい行ったとこに......落ちてた。」



「この他には何か落ちてなかったのか?」



「......これだけ。でも......見つけた

辺り......何かに襲われた跡みたいなの

あった。」



「そうか。やっぱタチアナ、この

幹部とさっきまで戦ってたんだな。」




「......? どういうこと?」



「辺りを見渡して見るのだよ。

ここも、ひどく荒らされている。

それに、この散乱している

黒い物質はおそらく、俺たちを

襲ったあの幹部の成れの果て

なのだよ。この島でこれほどの

戦いができるやつなど、

俺の妹以外にいないのだよ。」



「じゃあ......この辺りにタチアナ

......いるかも......!」



「ここから手分けして、

もう少し範囲を広げて捜索して

みるのだよ。」



「おう!」



「......了解......」



三人は僅かな希望を胸に、散っていった。













時は少し戻って上の大陸



【魔王室】



「マオウサマー。」



「なんだ?」



「サッキ、キカイジュウカラツウシン

アッタ。」



「ほう、申してみよ。」



「ヤラレタッテ。」



「......誰に。」



「ワカンナイ。ケド、ソイツマダ

チカクニイルラシイカラ、

オラッチノ、ホカノペット

ソノシマニオクッテイイ?

アイツラナラ、オレノシマカラ

イチニチモ、カカラナイデ、ツクト

オモウヨ。」




「よかろう。だが、それだけでは

心許ない。そのペットに幹部を一人

同行させよ。」



「カンブ? 」



「今その島に最も近いやつでよい。」



「ウーン、ソレナラ──」

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