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面白ければ何だっていい。
浜屋の情報によるとそいつはこの道をよく通学路として使うらしいということで、俺たち四人は近くのコンビニの前で待ち伏せしていた。
「あいつっぽいね」
浜屋が教えてくれた奴は確かに清楚っぽいイケメンだった。あいつならモテそうだ。
「よし、行くぞ」
俺たちは立ち上がるとゆっくりターゲットの前歩いていく。
「よお」
「は?」
声をかけた奴は俺たちの顔を見た瞬間何が何だかわからない顔をしている。
「周りは誰もいない」
林が周りを見渡し教えてる。
「よし」
俺の合図で林と浜屋が奴の左右に散って羽交い絞めにする。
「おい、何だよ」
「お前、俺の女を取っただろ?」
「は? 何のことだよ」
「クラスメイトの小宮愛だよ」
奴の背後から土井が前蹴りをする。
「イテ! 何すんだよ!」
奴が吠える。だが、こっちは四人、向こうは一人でしかも羽交い絞めになっている。負け犬の遠吠えとはこういうことだ。
そして持っていたタバコを奴の手の甲に押し付ける。奴の叫び声が木霊する。笑いが止まらない。
続けて、奴の腹にボディブローを何発か入れる。身体がクの字に曲がる。
「こ、小宮さんとはクラスメイトで学級委員だから話しただけだ。それ以上は、、」
さっきの威勢はどこかいったのか、声も切れ切れに肩で息をしながら声を絞り出していく。
「知らねえよ!」
俺は右わき腹、顔面と数発続けざまに殴った。拳に人の殴った肉と骨の感触が伝わってくる。さらに、膝蹴りを腹に一発食らわすと奴は羽交い絞めにされている二人に引き上げられないと立っていらないほどにヨロヨロになっていた。
「ちょっと、疲れた。土井チェンジ」
俺は背後に周り、土井の暴行を観ていた。彼は遠慮なく奴を痛みつける。彼の攻撃は俺のよりも容赦なく、見る見るうちに奴の顔は腫れて口から地面に小さく吐血した。
そもそも、小宮という女子生徒は街で会ってナンパしてヒョイヒョイと付いてきた尻軽女で、その日、少しファーストフード店で話たりゲームセンターで遊んだだけだった。ちょっと可愛かったが、特に魅力的に思うことなければ、次も遊びたいと思うこともなかった。
で、偶然別の日に彼女が他の男と歩くのを見て、そいつがちょっとイケメンでちょっといけ好かないと思いこうなっているだけだ。
要は暇つぶしだ。
奴の意識がなくなったぽいところで殴るのを止めてその場に投げ捨てる。
「よし、二度と近寄るなよな」
そう吐き捨てるが、奴から反応はなかった。完全に意識がない様だ。胸は上下に動いていたから息はしている。死んでなければそれでいい。
「朝から災難だよな」
浜屋がそう同情しながらニタニタと笑う。
「これからどうする?」
「俺は学校」
そう言ったのは林。
「おい、優等生かよ」
俺らのグループ中で一応皆勤賞で高校学校へ通うのは彼だけだった。
「仕方ないだろ。彼女がいるんだから」
彼が皆勤賞なのは学校に付き合っている大好きな彼女がいるだけそれだけだ。
「お前は? どうする浜屋」
「俺は勿論何もないよ」
「土屋は?」
「俺も今日は学校に行く気ない」
俺と土井は一応高校へ通っているが気分で行ったり行かなかったりしている。浜屋はそもそも中卒のフリーターだ。
「よし、じゃあ三人で行くか」
「行くって?」
「どうせ、ゲーセンだろ?」
「他にどこ行くんだよ」
こんな会話、こんな日々を高校に入ってからはずっと続けていた。それが俺たちの全てだと思っていた。それで満足だった。
失神している地べたに寝そべっている奴の腹に一発思い切り蹴り飛ばして、血で汚れた手をズボンのポケットに突っ込んでその場を離れた。
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