第3話 「秋は巡り、花はまた咲く」

 ユニガンに何度か復興の手伝いや依頼などで立ち寄る過程で、アルドにも顔馴染みと呼べる関係の人たちが出来た。

 酒場のマスターもその一人だ。街で困っている人の情報や、近場で起こった事件の情報を流してくれる事がある。酒を飲める旅の仲間が酒の肴に旅の出来事を語って、アルドが知らぬ間に酒場で噂になっていたりする。

 アルドが宿でこれからの予定を仲間と相談していたら、酒場のマスターから『困っているから助けてほしい』と言伝が届いた。

 大勢で押しかけては店に迷惑がかかると考え、アルドは一人で酒場まで来ていた。

そして、カウンター席で酒瓶を片手に、わんわんと泣きわめく優男に絡まれている。

「うう……テッフル。ぼくかぁ、ぼくかぁ……」

「……」

 男は酒臭くて、呼吸するだけで自分の方が酔ってしまいそうになる。

 アルドが抗議と助けを求めて、マスターの方に視線を向ける。しかし、たまった食器を片づけるマスターは首を横に振った。けれど、申し訳なさそうに説明を始めた。

「そいつはオクテー。街で花屋をやってる。いつもは気が弱くて奥手な男なんだが、最近は昼間っから飲んでて、そんな感じだ。相手してたら仕事がたまっちまうよ」

 助ける気はないマスターの様子に、アルドは諦めのため息を吐いた。せめて、事情は知りたいとさらに問いかける。

「……どうしてそんな事になったんだ?」

「好きな相手が街を出て、魔獣の被害が少ない所に引っ越すんだとよ」

「なら、街を出る前に会った方がいいと思うけど」

「それがな、相手が良家のお嬢様なんだよ。対してオクテーはしがない花屋。迷惑かけまいと、今までも軽く会話する程度だったんだと。釣り合わないからって、最初から諦めてたはずなのに。そうして、くだまいてんだよ」

 アルドは自分に縋り付いて眠りかけているオクテーを見た。先程酔った勢いで口にしていた「テッフル」というのが相手の名前なのだろう。

その様子を傍目に見ながら、アルドは自分の考えを口にする。

「う~ん。それでも、想いを伝えられる時に伝えた方がいいと思うけどな」

「その通りだとも!!」

 大声と共に店の扉が開け放たれる。そこに居たのは、あの幸運男アルレッキーノだった。店中の視線を集める中、アルレッキーノは臆する事なく、芝居のように大声で喋りながらアルドたちに近付いてくる。

「恐れることなかれ、恋に奥手な旅人よ。当たって砕けるガラスのハートもまた、恋の醍醐味。さあ、結ばれぬ運命だとしても運命の姫に手を伸ばすのだ!」

 そういってアルドに手を差し出すアルレッキーノ。いつにも増して調子づく様子に、アルドは呆然とする。

酔っ払いの相手に疲れていたアルドは隣で眠りかけるオクテーを指差す。

「それはオレじゃなくて、この人のことなんだよ」

「なんと! まったく紛らわしい」

「間違えたのはそっちだろう……」

「では、さっそく砕けに行くとしよう憐れな恋のチャレンジャーよ!」

 アルレッキーノはオクテーの肩を強く握って、眠気を覚まさせようとゆする。

 急な振動に、オクテーは呂律が定まらない口を開いた。

「へ? だ、だれ?」

「僕は幸運に愛された男、そして今は、君に恋の終わりを告げるラッパ吹きさ」

「お、終わり? ……うう。い、いやだ。テッフル、待ってくれ。僕は、僕は!」

 ぼんやりする意識のまま、オクテーは一杯冷水を飲み干す。そして、まだ確かな感じではないままに、アルレッキーノを押しのけてフラフラとした足取りで店を出て行った。

「おおうわぁ!?」

 突き飛ばされたアルレッキーノが情けなく床に転がる。転んだ拍子にテーブルにぶつかりビンが落下してくるも、運よくそれが彼の顔の横に直立した。

突然の出来事にどよめく酒場。マスターが申し訳なさそうにアルドに頭を下げた。

「なあ、あんたら。すまんが、ちょっと様子を見てきてくれねえか。あいつは良いヤツなんだ。出来れば、幸せになってほしいんだよ」

 マスターの頼みを、アルドはなんの躊躇もなく快く引き受けた。

「いいぜ。流石にあの状態じゃ心配だからな。煽ったのはアルレッキーノなんだし、それでいいな?」

 アルドはまだ床に転がっているアルレッキーノを上から覗く。怪我がなさそうなのを軽くあらため、彼に手を差し出す。

「お、おお。もちろん、いいとも。恋の行方は見届けなければ。傷付くだろう、そのお嬢さんを僕の手で癒してあげなければいけないしね。さあ、いこう、我が騎士よ」

 そう言って、アルレッキーノはアルドの手を借りて立ち上がる。アルレッキーノが服のほこりを叩き落とす間、アルドは倒れた椅子を元に戻した。

直し終わったアルドが二手に別れようと言う前に、アルレッキーノはアルドを待たず一人で酒場をあとにしていた。

その場にいないアルレッキーノに向かって、届いていないとわかっていながらアルドは思わず言葉を漏らす。

「まだ終わったって、決まった訳じゃないぞ」

 二人を追手酒場を出ようとしたアルドの背に、マスターが声をかけた。

 アルドは立ち止まり、振り返った。

「そうだ、兄ちゃん。オクテーはよく噴水前で見かけたよ!」

 お礼を残し、アルドは噴水広場を目指す。

王都ユニガンの噴水前広場。魔獣による襲撃の痕も残る噴水は、人々にとって心の拠り所の一つでもあった。噴水を覗きこむオクテーは、水面に映った嫌になるぐらい顔色の悪い自分の顔を見つめていた。

自分の顔とは思えない顔が不安で一杯いっぱいな表情に変わる。

「ど、どうしよう……。勢いできちゃったけど、テッフルとはなんの約束もしてないし。でも、彼女の家にまで行ったら迷惑……」

 さっきからずっと、オクテーは堂々巡りの考えで頭が混乱しつづけていた。

これからなにをすればいいのか、なにが出来るのか。

まとまらない頭に、遠くから聞きなれない声が届く。最初は無視していたオクテーだが、それがいつまでも続き、段々と近づいているのに気付いて、そちらを見る。

見ると、くせっ毛頭の剣士が自分の方に向かってきていた。

「おーい!」

「き、きみは確か、あの変な人の知り合い……?」

「間違ってないけど、ちょっと複雑だな。まあ、いいか。オレはアルド、実はマスターにあんたの様子を見てくるように頼まれてさ。ほら、ずっと落ち込んでたからマスターも心配してたんだよ」

「そうだったんだね」

 アルドがオクテーと話していると、アルレッキーノが遅れてやって来た。そんな彼にアルドは苦言を呈する。

「アルレッキーノ、どこ行ってたんだよ」

「野暮用さ。キミ、儚い恋に思い悩むのは、人生において特に心が締め付けられるものさ。まあ、世の女性に愛を届ける僕には無縁だがね」

 オクテーが初めてのアルレッキーノの調子に困惑して、目線でアルドに助け舟を求めた。

 しかし、アルドもそれに肩を竦めて返すぐらいしか出来ない。代わりに、ちょっとだけ言葉を補足した。

「コイツの言う通り、悩み続けるよりも、誰かに話した方が気持ちに整理がつくかもしれないぞ?」

「……そうですね。本当に、ツライ想いです。聞いてもらえますか?」

オクテーは気持ちや考えに整理をつけるように、ぽつぽつと話し出した。


「テッフル、僕が恋をした女性です。彼女は良家のお嬢様で、知り合えたのも本当に奇跡のような偶然だったんです。

僕は花が好きで、花屋をやっています。普段は屋台を出して道行く人に花を売っているんですが、たまに貴族のパーティ用に花を届けたりしていました。

彼女とは、そこで出会ったんです。……一目惚れでした。豪奢な世界は遠い物だと思っていた自分に、彼女は声をかけてくれて、花を褒めてくれたんです。

それからも何度か話す内に、彼女の方から花の育て方について教えてほしいと言われました。僕は舞い上がって、二人きりで会える口実にしようと思って、秘密の場所で会うようにしてたんです」


 オクテーが愛おしそうに、記憶を懐かしむように噴水を眺める。その様子に察しがつかないほど、アルドは鈍感ではなかった。

「ここなのか?」

「はい。……ホントに浅ましくて、卑しい。僕の花を綺麗だと言ってくれた彼女の純粋さに遠く及ばない。そもそも、身分も違うし、こんな僕は彼女にはふさわしくなかったんです」

「そんなに自分を悪く言うもんじゃない。それに、彼女の方がどう思ってるかだってわからないだろ?」

 アルドは落ち込んでいるせいか自虐的になっているオクテーを落ち着かせようとするが、彼はアルドの声に聞く耳を持っていない。

オクテーは既に心が沈んで諦めて、自分を言い聞かせようとしていた。

「いえ、もういいんです。実は引っ越すことを知った時に、餞別のアキナキの花を彼女の家に届けたんです」

「アキナキは恋しい相手に別れを告げる時に渡す花として有名だね。許されない恋をした男女が、花に秘めていた想いを乗せた伝承が有名でね」

 意外な知識をひけらかすアルレッキーノに、思わずオクテーも関心する。

「詳しいですね、その通りです。……勇気がなくて、言葉では言えませんでした。ホント、情けない」

「そんなこと……」

 どんどんと落ち込んでいくオクテーに、遂にアルドはかける言葉が見つからなかった。

 しかし、アルレッキーノだけは何も変わらず、オクテーの身分違いの恋と後ろ昏い気持ちを認めていた。

「恋をすれば、誰しも醜く卑しくなるもさ。恋い焦がれるほど、相手を欲するのだからね。……しかし、奇妙な偶然だ。アキナキの裏の伝承とそっくりだ」

 落ち込んでいたオクテーが、大好きな花に関する話に興味を示した。アルレッキーノの言葉に不思議そうに首を傾げる。

「裏……? そんなの、知りません……」

「悲恋は前半、後半の裏はその後の話、再会の話さ」

 アルレッキーノは頼まれもしていないのに、揚々とアキナキの裏物語を語り始めていた。


「続きを語ろう。

アキナキを送られた女性は熱心にそれを育て続けた。なぜなら、アキナキの花こそが、二人の再会を懸けた運命の作戦だったのさ。

花屋のキミも知っての通り、アキナキの雌性は秋になると涙のような蕾をつける。そして雄性のアキナキの香りが風に流され、雌性のアキナキはそれを感じ取って蕾が開き、花が咲く。

この性質を利用して、男は女性を探し出して見事に再会を果たすのさ」


「そ、そんな話があったなんて……」

「よく知ってたな、アルレッキーノ」

 聴衆二人が感嘆の声を漏らすのを聞いて、アルレッキーノは満足そうにニヤリとドヤ顔を浮かべた。

「世の恋話は僕のバイブルだからね。この裏は聞いて分かる通り、現実と運命に抗う恋人たちの強かな物語さ。自分たちの力でなんとかしてやるという伝承がこの物語の本質さ。裏が伝わっていないのは、悲恋とした方が物語として受けがいいからなのさ」

「随分、世知辛い理由なんだな」

「大衆の求める物語とは、そういうものさ」

 アルレッキーノはオクテーを一瞥した。アルドもつられて、彼の方を伺った。

話が終わった後から、彼は何かをずっと考えている。アキナキの物語に思う所があったようだ。

アルドは心の中で、アルレッキーノに任せた方がいい気がしてきていた。

 酒場に居た時みたいな余裕のなさは消え、オクテーは落ち着きを取り戻している。そんな彼の様子を察したアルレッキーノは、オクテーにまっすぐ言葉を紡いだ。

「……しかし、憐れな花屋のキミ。キミは夢見ていたんじゃないかい? 伝承ほどに強かで博識でなくとも、ロマンと運命に祝福された恋を夢見た。だから、花に別れの悲しさを込めても、まだ恋い焦がれ、アキナキの花にキミを連想した彼女の方から秘密の場所に来るんじゃないかと思った。だから、ここに来た」

「僕は……」

 アルレッキーノの指摘に、オクテーは言葉を返すことが出来なかった。

 本当はどうなのか。自分はどう思っていたのか。オクテーには整理の出来ない気持ちを、一つずつ確かめていくことしか出来ない。

「彼女と同じ時間、同じ場所に居られるだけで最初は良かった。けれど、いつしかその先を夢見て、今もここに来たのは、言うようにテッフルを待っているからで……」

そこまで言って、オクテーは言葉を詰まらせた。彼の続きの言葉を、アルドたちはじっくりと待つ。これ以上は何も言えないと、理解していたから。

すると、噴水近くで話す三人に壮年の執事が近付いてきた。

「……失礼ですが、オクテーさんでしょうか?」

「ぼ、僕がオクテーですが」

「やはり、そうでしたか。オクテーさんは必ずここにいらっしゃるとお聞きした通りでした。私はテッフルお嬢様の使いの者です。お嬢様から、お手紙をお預かりしてきました。お受け取り下さい」

「テッフルから!?」

 執事から手紙を受け取ったオクテーは一心不乱にそれを読み始めた。執事は声を出さずに、アルドとアルレッキーノに一礼だけして去っていった。

本当に、それを渡すことだけが目的だったのだろう。

「…………そんな」

 手紙を読み終えたオクテーは項垂れていた。

 その様子に不安な気配を感じたアルドは、心配して彼に声をかけた。

「何が書かれてたんだ?」

「テッフルはもう行ってしまった。ここには僕との別れを悲しむ言葉と、アキナキの花の押し花。……。これは、オスのアキナキだ」

「それって確か、アルレッキーノが言ってた裏の。て、ことは……」

「彼女の方が、恋に興味があったのかもしれないね」

「……はは、ぼくも知らなかったのに。ぼくの方が教えられたよ、きっと他にも、もっとそういうことがあるんだろうね」

 オクテーはアルドたちの方に憑き物の落ちた良い顔を向け、決意を言い放つ。

「二人とも、ぼく、テッフルを追いかけるよ」

「追いかけるって、場所はわかってるのか?」

「ううん。けど、手紙に書いてたんだ。僕が最後に送ったアキナキの花を、庭を埋め尽くすぐらい育てますって。だから、さっきの裏の伝承のように、ぼくもアキナキで彼女と再会してみせる。彼女が信じて託してくれた方法で、彼女に自分の想いを伝えるよ」

「そうか。難しそうだけど、頑張れよ」

「……ふふふ。僕の慧眼はまさに千里眼のようだ。運命に挑むキミよ、幸運の伝道者からの餞別だ。受け取りたまえ」

 アルレッキーノはポケットから何かを取り出し、オクテーに手渡した。

角度的にアルドにはそれが何か、はっきりと見えなかった。

「えっと、これは。……ネックレス?」

「僕の愛しい人からの贈り物で、それを付けてから僕は幸運に恵まれているのさ。だから、きっと、キミにも僕のような幸運が微笑むだろう」

「それって!? ちょっと待て、アルレッキーノ。それは――」

「ありがとう! 僕、必ずテッフルに再会して想いを伝えるよ。断られたっていい。彼女に僕の想いを知ってほしい、僕の花と共に!」

 アルレッキーノからネックレスを受け取ったオクテーが意気揚々と走り出した。

それを見送る二人の表情は、対照的だった。

「ハハハ、もう効果が出たかな? 彼の恋路に幸多からんことを、だ」

「なんてことだ……。まさか、こんなことになるなんて。今すぐ、彼からアレを取り戻さないと!」

 急いでオクテーの後を追おうとするアルドをアルレッキーノが静止する。

「待て待て。何を言ってるんだい、我が騎士? せっかくプレゼントしたのに」

「それがまずいんだよ。アレは――」

 アルドの脳裏にウルーヨの顔と約束が蘇る。

自分が言ってしまってもいいものなのだろうか。しかし、呪具が他人の手に渡ってしまった以上、悠長なことは言っていられない。

「あのネックレスがどうかしたかい?」

「……もう、言うしかないよな。アルレッキーノ。実は、ウルーヨが用意したプレゼントは全部、お前を呪った呪具なんだ」

 アルドは真剣な言葉で真実と危険性を伝えたつもりだったが、当のアルレッキーノはきょとんとした顔で首を傾げた。

 やはり、にわかには信じられないか。さらに説明をしようとしたアルドは、彼の口から発せられた言葉に予想を大きく裏切られた。

「そんなことか。知ってるよ」

「お前の幸運はあの呪具の効果で……え?」

「もう、知ってるとも。そもそも、ウルーヨが呪具作りの一族出身で、あれに呪いが掛けられているのも、僕の幸運が呪いの反作用であることも知っていた」

「え!?」

「僕はてっきり、キミがアキナキの話が嘘だということに気付いたのかと思ったのだが。いやぁ、嘘も方便というが、とっさの思い付きにしては悪くない物語だった。我が騎士もそうは思わないか?」

「ちょ、ちょっと待ってくれ! お前、ウルーヨの正体も知ってたし、呪具のことも知ってたのか!? オクテーに知っててプレゼントしたのか?」

「ああ、呪いのことを気にしていたのか。あれは僕に向けて掛けられた呪いだから、彼に効果はないさ。というか、最初から言っているじゃないか。僕は幸運の天使に微笑まれている(・・・・・・・・・・・・・)って」

「幸運の天使って、ウルーヨのことか。なあ、知っててなんで、ウルーヨを追いかけるんだ? お前、軽くとは言え呪われたんだぞ。しかも、幸運だからって危険な真似して、もしものことになったらどうするんだ」

「我が騎士、なぜ彼女を一途に追いかけるのかなど、簡単な答えさ。――呪われたとか気にならないくらい、彼女が好きでたまらないのさ!」

 そう言い切ってしまうアルレッキーノに、アルドは素直にスゴイなと感じた。

「そうか。いや、うん、そうか」

「ああ、そうそう。キミ、僕が呪いのことや彼女の出自について知ってることは黙っててくれよ。彼女が隠していることを暴くなどしたくは無いし、彼女からのプレゼントが無くなるのも嫌だからね」

「あ、ああ。なあ、なんでそんなに詳しいんだ? お前、何者なんだ」

「おや、言ってなかったかな? 僕は各地の恋物語を収集して、それを文献に残すことを生業にしている。まあ、つまりは物語の伝道者、旅の作家さ。呪いについても、伝承や物語の知識で気付いたのさ」

 その時、バザール方面から帰ってくる主婦の一団が通りがかった。それに気付いたアルレッキーノは急に焦り出す。

「おっと、そろそろウルーヨの店が開く時間だ! 急いで向かわなければ、大切な会話時間が減る。失礼するよ、我が騎士!」

 その場を走り去っていく幸運男の背を見送りながら、アルドは今の素直な気持ちを呟いた。


「なんか、スゴイ奴だな。アルレッキーノって」

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