第13話 元FPSプロ。驚かれる。
夕方近くに町に着いた。
そして、そのまま直で冒険者ギルドに向かった。
受付嬢に頼んでギルマスに通達してもらい、俺は執務室に通された。
「カミサワさん、どうでした?ビッグレッドボアは?相当苦労したような格好をされていますが?笑」
俺は違和感を覚えた。なんかこいつ、笑ってね?
「まぁまぁ苦労はしましたが……。一応討伐出来ましたよ。」
「そうですか。それは良かった。ではビッグレッドボア、出して貰えます?」
「いいですけどちょっと大きくて…、広い場所に移動してもらえるますか?」
「ん?そんなに数が多いのですか??それは朗報だ。」
「いえ、1匹ですが……。」
「いやいや、たかが3メートル程の魔物だろう?1匹ならここでいいじゃないです?」
3メートル?なんか話食い違ってんな。
俺が討伐したのは10メートル、いや、それ以上のサイズだ。
変異個体なのか?まぁ気にする事はない。
俺はギルマスに連れられ解体所に向かった。
「ここに出してください。」
「分かりました。」
ズドン!
アイテムボックスからビッグレッドボアを取り出した。
「うぉおおお!?」
何やら声をあげているギルマスの方を見てみた。
俺が銃を撃った時くらい驚いている。
何故だろう。Bランクくらいの魔物だと、たまには入ってくると思うのだがな。変異個体だからか?
「どうしたんです?ビッグレッドボアですよね?前まで入って来てたんじゃないんですか?」
「何を言ってるんですか!これはビッグレッドボアなのではないですよ!マウンテンレッドボアです!こいつはAランクの魔物ですよ!討伐するためにはAランク数人は必要な魔物です!何よりHPが多すぎて、Aランクパーティーでも半日ほど時間がかかる魔物ですよ!カミサワさんに先程見せていただいたジュウとやらでも簡単には倒せないはず。どうやって倒したのですか?」
「麻痺させて毒を食らわしてやっただけです。1発目で銃弾が通らないことがわかったのでプランを変えました。」
我ながら少し盛った。本当はレベルが上がり麻痺と毒が手に入らなかったらやばかった。
「確かに…。よくよく考えてみれば、麻痺させ動けなくすれば簡単に倒せますね…。今までなぜこの方法が取られて来なかったのかが不思議です。」
「それは置いておいて、これはクエスト達成になるんですかね…?」
最悪報酬貰えないんじゃ…?
「何言ってるんですか!報酬はビッグレッドボアの20倍、100金貨、白金貨ですよ!こちらは買い取らせていただいても?」
まじかよ!この豚に助けられた。一気に貯金が溜まった。
「いいですよ。ではこいつは置いて行きます。報酬はどこで貰えます?」
「私の方で報告書を書くので、受付に出して貰えると支給されます。」
紙を書いてもらい出しに報酬を貰い、宿舎であるサナさんの屋敷に向かった。
「お疲れ様です。フローラさんの護衛のカミサワです。」
「身分で証明できるものはあるでしょうか?」
「これで。」
俺はギルドカードを提示した。
「これはこれは、カミサワ様で間違いないです。どうぞお入りください。」
「ありがとうございます。頑張ってください。」
俺は帰ったことを報告するためにフローラさんとサナさんの所へ向かった。
「おかえりなさいカミサワさn」
「どこに行っていたのですか!?お怪我はされていませんか!?」
俺を見るや否やフローラさんが飛びついて来た。
「大丈夫ですよ。心配してくださってたんですね。ありがとうございます。」
「遅くなるなら言っておいてください!心配しましたよ!」
「フローラさんったらずっと心配していらしたのよ。途中泣きそうになったり…、ウッ!」
「そっ、それ以上は辞めてっ!」
こんなやり取りを見ていると、次第に俺は笑っていた。
「何笑っているのですか!」
「いや、2人のやり取りが面白くて、疲れが吹き飛びましたよ。」
「もう!次からはちゃんと要件を私に話してから行ってくださいね!カミサワさんに万が一なにかあったら私…。」
「わ、分かりましたから!以後気を付けますから!」
彼女を心配させないようにしなければ。そう俺は心に誓った。
「君がカミサワ君かね。」
「あっ、はい。そうです。もしやサナさんのお父上ですか?」
「ごもっとも、その通りだ。」
「初めまして、フローラさんの護衛のカミサワです。少しの間ですがよろしくお願いします。」
「うむ。ちと君に重要な話があるのだが…。カミサワ君以外は席を外して貰えるかな?」
俺は個室に通された。
そこで話された内容は、今後この国を左右するとても重要なことだった。
元FPSプロゲーマー。現在は別の世界で無双してます。 ハヤしらいす @hayakoto
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