第9話元FPSプロ。隣町に行く。

今日から俺の仕事が始まる。護衛だ。対象は婚約者でもあるフローラさんだ。クラフトさんに黙ってて貰ってるため、本人は知らない。朝起きてフローラさんに今日の予定を聞くと、隣町まで行くらしい。友達のサナさんに会いに行くそうだ。1週間滞在するらしい。そのサナさんとやらも、もちろん貴族令嬢で位は伯爵らしい。すげぇな。

俺は地図で移動経路を確認した。距離にしてだいたい7~10キロってところだ。馬車なら3~4時間ってとこだろ。魔物はレベルが低く、比較的安全だと言う。執事さん、なんかフラグっぽくて怖いんだよね、そういうこと言わんといて貰える?

「それではよろしくお願い致しますね。カミサワ様。」

「こ、こちらこそ、安全に送り届けマスカラ。」

やべ。緊張して声がおかしくなった。フローラさんは気にしてないようだし、まぁいいか。

俺は昨日のうちに念の為、拳銃を増やしておいた。弾も×50作っておいた。二丁拳銃で護衛するつもりだ。今できる最高装備だ。

「それでは出発しますね?お願いします。」

御者に出発の合図を出し、出発した。

道中ほとんど何もなく、サナさんの町、「カーラン」に到着した。

ダンクルトほどでは無いが、整備が行き届いており、綺麗な街並みだ。馬車はそのまま領主邸に向かった。

「フローラさん!お久しぶり!楽しみにしてたのよ!」

「こちらこそ!お久しぶりね、サナさん!」

久々に会うらしい二人はやけにテンションが高い。まぁ久々だしね。

「そこの方は……?」

「あ、ああ。俺はカミサワと言います。フローラさんの護衛です。一応Bランクの冒険者です。」

「え、Bランク?高ランクじゃないですか!お会いできて光栄だわ!」

「一応登録したのは昨日なんですけどね。」

「えぇ!?どうしてそんな……?」

俺は今まであったことと、Bランクになった経緯を簡単にサナさんに話した。

やっぱ俺って規格外らしい。

「カミサワさん、私と婚約してくださる?」

ん?今なんて?

「す、すいません。もう一度言って貰えます?」

「も、もう!恥ずかしいんですからね!私と婚約して欲しいのです。」

うん、そう聞こえたけどあってたのね。なんなの?この世界は強い人がモテんの?まぁそうか、ルックスよりも稼げる人じゃないと生きていけないのか。

「ダメ!カミサワさんは私の…。」

「私の…何?」

「あ、あうぅぅぅぅぅ///」

お?可愛い。いつもはお淑やかなのにこんなに変わるのか。からかって見るのもいいかもな。

「で、カミサワさん?返事は?」

「申し訳ないですが、お断りさせていただきます。」

「まぁだいたい想像はつきますから…、ダメ元で頼んだのですが…。分かりました。」

だいたい想像つくってなに?俺はその時、サナさんに耳打ちされた。

「フローラさんをよろしくお願いしますね。大切な私の友人なので。」

まじか、この人にはお見通しらしい。

「分かりました。」

俺はフローラさんを命をかけて守って行くことを心に誓った。

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