第10話元FPSプロ。また人を助ける。

フローラさんをサナさんに頼んで、俺はこの町の冒険者ギルドに向かった。ダンクルトほどでは無いが、カーランも結構大きな町なので、ギルドもそこそこ大きいらしい。(そもそも平均的な街の大きさ知らないんだけどね。)

ちなみに、お金について調べたんだけど、この世界の通貨は次のようになるらしい。

銅貨=100円

銀貨=1000円

金貨=10000円

白金貨=1000000円

で、俺の所持金は現在100000円ってところだ。まぁちょっときついよねって感じ。てことで俺は、冒険者ギルドの依頼を受けて少し金貯めようかなって感じだ。

カーランの冒険者ギルドに入るとダンクルトほどでは無いが、そこそこの数の冒険者がいた。

案の定ヒョロい俺はまた絡まれた。

だが、Bランクのギルドカードを見せると、恐怖のあまりその場から逃げ出した。

Bランクってやっぱすげぇなって感じた。

俺はそのままカウンターに行くと、それを見ていた受付嬢に連れられて執務室に行った。

「すまないね、ここのギルドマスターのニゲスだ。君はBランクの冒険者らしいね。是非ともお願いしたいクエストがあるんだが…。」

なんとも家の出の良さそうな中年のおじさん、って感じのギルマスだ。

「まぁ、報酬と依頼の内容になりますが…。」

「内容はこんな感じだ。」

俺は1枚の紙を見せてもらった。

依頼はBランクの魔物、ビッグレッドボアの討伐。報酬は1匹につき金貨5枚だそうだ。

結構いい内容だと思ったんだが、話によると数が少ないらしい。見つけるのも一苦労だそうだ。

しかし、俺は金が欲しいので受けることにした。

生息地は町の南側の森の中らしい、出現する魔物は普通らしく、Eランクあれば生き残れる位だそうだ。

だが、森の奥の方はレベルが高く、Cランクでもちょっときついらしい。

なのでCランクの冒険者は受けたくないし、Bランク冒険者も面倒なので受けたくないので、今まで残ってしまったらしい。

俺は地図を貰って、出発した。

食料はフローラさんの護衛のため貰っていたので、すぐに向かった。

町から森までは1キロくらいですぐについた。

森の入口から中に入ると、若い2人の冒険者パーティーが猿の魔物に手こずっていた。

「くそ!こいつはえぇ!当たんねぇ!」

「私の魔法も当たらないし…。もうMPが尽きそう。」

やけにきつそうだな。手助けしてやろうかな?

「おい!手助けが必要か!?」

「手出すな!これは俺らの獲物だ!」

「いいのか?そっちの女の子はきつそうだぞ?」

そう言うと、男の子は少し考えるとすぐに頼んできた。

「すまない!お願いする!」

俺はアイテムボックスから拳銃を取り出し、猿目掛けて1発撃った。

猿はまあまあ消耗していたらしく、あっさり倒れた。

「すまん、さっきは、助かった。」

こういう時はタメの方がいいよな。

「気にしないでくれ、たまたま通りかかっただけだ。猿の魔物はお前らにやるよ。」

「まじか!?サンキュー!ありがてぇ。」

「俺は急いでるから、それじゃあな。」

別れを告げて、俺は森の奥へと向かった。


---------

Anotherサイド


「あの人強かったなぁ。」

「そうね、私たちじゃあの魔物逃がしてたわ。最悪、私たちは負けてたかもしれないわね。」

「俺もあんくらい強くなれるかなぁ。」

俺たちを助けてくれたあの人。

めっちゃ強かった。多少ダメージを与えていたとはいえ、一発で仕留めていた。

あの魔物はDランクに分類される、スピーディーモンキーだ。

Eランクの俺らではランク的にも勝てなかった。

それを一発。やはりすごい。

「大丈夫、ランスは強くなれるわ!」

「おう!俺は強くなるぜ!サリー。見てろよ!すぐに追いついて見せる!」

俺は心にそう誓った。


---------

カミサワサイド


若い冒険者と別れ1時間がたった。

時間はだいたい正午くらい。にしてもこの森、結構蒸し暑い。

熱帯林のような暑さだ。気温は30~35℃くらいに感じる。

水を大量に買っておいて正解だった。

現在は森の奥の方に差し掛かってる。

早くビッグレッドボアを見つけて帰りたいんだけどなぁ。フローラさんの護衛もあるしさ。

早く金を稼いで帰らないと……。

そう思っていると、俺の前に見たことあるやつが現れた。

ガルゥ!

おっ?黒くはないけどブラックサンダーウルフに似てんな。

そういや忘れてたけど卵もあるんだったなぁ、帰ったら確かめて見るか。

いやいや、そんなことを考えてる場合じゃねぇ!

俺はアイテムボックスから拳銃を取り出し、2発すぐさま撃った。

焦ったのもあって一発は狼の横を掠めたが、もう1発はしっかり胴体を貫いていた。

ギャゥゥ!

弱っていた。トドメを刺そうとしたその時。

ドシーン!

っと、後ろで凄まじい轟音がなった。何かが木にぶつかったようだ。

「あれか!ビッグレッドボアは!?」

周りの木が倒され、遠近法でこちらからはそんなに大きく見えないな。

「ん?下にいるのはさっき俺が倒した…。んぇぇええええ!?」

先程俺が倒した猿の魔物がプチッと蟻のように踏み潰されていた。

そして俺は目を疑った。

やばいな、あれ。見つけずらいんじゃないの?猿の魔物と比較するとめっちゃでかいんだけど。

そこには体長10メートルをゆうに超える巨体を持った、赤いイノシシがこちらを見つめていた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る