第5話元FPSプロ。色々話が進む。

料理はとても美味しかった。全て一流シェフが作ったような、素晴らしい料理ばかりだったからだ。それにしても何度も言うけど、この人が公爵なんだよな。結構ノリ軽いんだよな。

「いやぁ、美味しいね、カミサワさん!」

あんたはいつも同じようなもの食ってんだろ。めっちゃ羨ましい。

「俺も毎日こんな飯が食いたい…。」

あっ、口に出てしまった。

「カミサワさん、いつまでも家にいてもいいんですよ?あっ!そうだ!カミサワさん、家の娘と結婚すれば家にずっと居れるじゃないですか!私は天才ですか?」

「は!?い、いやいや、それはダメでしょ、貴族って貴族と結婚するんじゃないの?しかも公爵家なら尚更でしょ!しかも俺も責任重大で無理ですよ!プレッシャーに押しつぶされて死にますよ!てか、あなたがいいと言っても娘さんがいいと言わなければダメでしょ!?」

この人まじで何言ってんだよ、なんで俺が、貴族の娘さんと結婚する話になってんだよ、やだよ?絶対にね、勝手に話進めないでくれない?

「なぁ?ミランダ?娘をカミサワさんと結婚さてもいいと思う?私はいいと思うんだけど、だってブラックサンダーウルフを1人で討伐する実力あるしね。」

「あなた?まずは私をカミサワさんに紹介するとこからじゃないの?カミサワさん、紹介が遅れてすいません。クラフト=ダンクルトの妻、ミランダ=ダンクルトと申します。自己紹介が遅れて申し訳ございませんね。あと、旦那を救ってくれてありがとうございます。」

おぉ、礼儀正しい!クラフトさんと違って貴族らしいね。普通こんな感じだよね。クラフトさんがおかしいだけかな。

「私はいいと思いますよ?カミサワさん、とてもお強いらしいじゃないですか、娘も安心して任せられそうですね。」

「だよね?Aランクの魔物を1発で仕留める実力あるからね、将来有望だね!」

てかなんか夫婦間で勝手に話進んでね?おーい。さっきの俺の話聞いてた?

俺はめんどくさいの無理でーす!

「すいません。俺はやっぱり無理ですよ、貴族の娘さんなんて。」

「と、言うことでカミサワさん、娘をよろしくお願いしますね?」

「いや、今俺無理って言いましたよね?そもそも、俺が強いんじゃなくて武器が強いだけですから。そもそも平民と貴族は結婚無理じゃないんですか?さっきも言ったけど。」

「あー、それに関しては心配しないで下さい。この国では第1子、まぁ跡継ぎですね。貴族と結婚する義務があるのは1人だけです。それ以外は、他の貴族に嫁ぐのもよし、平民になって平民として暮らしてもよし、と結構自由なんですよね。Bランク以上の高ランクの冒険者にも結構貴族の子息がいたりしますよ?それとも家の娘では物足りないと?それは聞き捨てならないですね。」

「いや、そんなこと言ってませんから!俺にはプレッシャーがかかりすぎて無理だって言ってるだけです!しかも娘さんと面識もないですし……。」

「そうだった、娘を紹介してなかったですね。フローラ、私の命を救って下さったカミサワさんだ、挨拶しなさい。」

「フローラ=ダンクルトと申します。カミサワ様、自己紹介が遅れて申し訳ございません。父の命を救って下さり、ありがとうございます。」

とても丁寧に挨拶してもらった。ミランダさんといい、めっちゃ貴族ぽい。のにクラフトさんは……、いや、言わないでおこう。

「フローラ、一応言っておくけど君の結婚相手だから。」

「違うでしょ!結婚相手に「「なるかもしれない」」でしょ!?」

「お?なるかもしれないってことは、ならないって否定しないんだねぇ?それでフローラ、カミサワさんをどう思う?」

「私はまだ初対面なので……、でもお父様とお母様が決めてくれた相手なら結婚して構いません。」

うわぁ、いい子だ。これ絶対いい子だ。

「と、言うことで、娘もいいと言ってるし、どうだい?カミサワさん、娘を貰ってくれるかな?」

あー、完全に流れ持ってかれたなこれ、フローラさんもいい人だし、何しろめっちゃ俺の好みだし。断るのは…、良くないな。欲に忠実に従おう。

「はぁ。分かりました。有難くその話、受けさせて頂きます。しかし、フローラさんもミランダさんも、私の戦闘を見ていませんよね?娘と結婚する訳だし、一応見ておいた方がいいのではないですか?」

「そうですね、一応見せて頂けますか?」

「では適当に的を用意して貰えますか?」

「的……ですか?」

「はい、俺の扱う武器は『銃』と言って、簡単に言うと…、そうですね、鉄の塊を高速で発射して敵に倒すんですよね。」

「ジュウ?聞いたことがないですね?あなた、聞いたことある?」

「私も初耳だ、助けてもらったが武器については聞いてなかった、凄まじい爆発音のようなものがしたのが印象的だったな。では的を庭に用意してくれ。」

クラフトさんの指示で的が用意された。

全員で庭に移動して俺の銃を見ることになった。

距離にして20メートルくらいか、まぁ余裕だな。

「それでは行きますね。」

パァーンと、凄まじい音と共に銃弾が放たれた、そして約20メートル先にあるまとの中心を見事射抜いていた。そして奥の木を貫通していた。

「皆さん、どうですか?」

後ろを見た時、全員あんぐりと口を開けて驚いていた。


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