第3話 元FPSプロ。町に来る。
その後、俺はクラフトさんとカラスコさんと共に、町に向かった。予想では1日って言ってたけど、半日で着いた。その途中に、昨日倒した黒い狼、ブラックサンダーウルフ(なんかお菓子の名前みたい)って魔物の卵を拾った。カラスコさん曰く魔物はランク分けされており、ブラックサンダーウルフは、上位のAランクに分類されてるらしい。なのでカラスコさんは、「危ないから廃棄する」って言ってたけど、俺は猟犬っぽいのが欲しいこともあり、どうしてもと言って譲って貰った。正直「なんで哺乳類が卵から産まれんだよ!」って、思ったけどここ異世界だからって理由で勝手に納得した。
「ここが我々の町、ダンクルトです。ここまで護衛して頂き、ありがとうございました。これから私の屋敷に行くのでついてきて下さい。報酬をお渡ししたいので。あと1泊していってください。」
「いや、そんなの悪いですよ。報酬でその辺の宿に泊まるので、気にされなくて大丈夫ですよ。」
「いや、そう言わずに。あなたは私の命の恩人です。そして護衛のカラスコの。そんな方にお礼もせずに、報酬のみを渡して終わり、なんてこと私には出来ません。」
「ではお言葉に甘えさせてもらいます。」
「では私についてきてください。案内します。」
俺はクラフトさんとカラスコさんについて行った。にしても、さっき屋敷とか言って無かったか?しかも町に入る時、なんか並んでる列の横をする〜って通って行ったし。まぁ気にしなくてもいいか!
「カミサワさん、ここが私の屋敷になります。どうぞ。」
「あっ、ありがt…。えぇぇぇぇえええ!」
「ど、どうしました!?何か変なところでもありましたか?」
「い、いや。クラフトさん、まさかとは思いますが……。」
「カミサワ殿、言ってなかったか?クラフト様、クラフト=ダンクルト様はこの町の領主兼公爵様だぞ。」
「俺、聞いてないです。」
てか、公爵って国王の次に偉い位の人だよね?
「言ってなかったっけ?あっ、ごめんね!」
ごめんね!っじゃねぇよ!領主なら言ってくれや!なんで言わなかったの!俺、不敬罪になるかもしれないじゃん!
「カミサワさんは、私とはタメ口でいいですよ?」
「良くないよ!あっ、ですよ!俺不敬罪になるかもしれないじゃないですか!」
「あー、それは私が言わない限り、罪には問われないので安心してください。」
「分かりました。いや、分かったよ。ならタメ口でよろしくね。」
「おぉ!私に久しぶりに友達が出来ました!カラスコ!私はやりました!」
「あぁ…、良かったですね…。」
あー、カラスコさんも苦労してんだな。お疲れ様でーす。
「ゴホン!それでは気を取り直して、カミサワさん、ようこそ我が家へ〜!」
この人こんなキャラだっけ?こんな感じの緩いキャラだっけ?もっとしっかりした人だと思ってた。
「「「おかえりなさいませ、クラフト様!!!」」」
うぉおおおお!これこれ。この感じ、領主と言ったらこれだよねこれ!テンション上がるわ!
「クラフト様、そちらのお方は……?」
「あー、紹介するよ〜。カミサワさんだ!」
「えぇ!それだけ!?」
あ、やってしまった。護衛の騎士らしき人がやばい目してるよ。
「貴様!クラフト様に何たる無礼!」
「いいのいいの〜。私の客人兼友人だから。」
「申し訳ございません!ご友人とは知らずに……。」
「気にしないで下さい。俺も悪かったです。クラフトさんに紹介されたはされたもののタメ口で話してしまったので…。」
「はいはーい。そんなことは置いといて、ルーカス。カミサワさんを部屋に案内してくれる?」
いや、そんなことって、あんたがちゃんと最初から説明してれば良かったはなしなんだがな。
「はい。了解しました。ではカミカワ殿、こちらへ。」
俺はルーカスさんに、部屋に案内してもらった。やはり公爵だけあって広いなぁこの屋敷。お?ルーカスさんが止まったな。ここが俺の部屋か。
「こちらです。どうぞおくつろぎ下さい。」
「え?ここですか?部屋間違ってないですか?ここクラフトさんの寝室では……?」
「いえ、ここはただの客室です。ご友人と言うことで、普通の部屋よりも少し広くなってはいますが。」
なんだろう。俺は、前世でもこんな豪華な部屋に泊まったことは無い。例えるなら、ホテルのスイートルームだ。1泊10万円位する部屋みたいだ。テンション上がってきた!公爵家は伊達じゃないな。すげぇよ、まじで。
「では、私は夕食の時間になりましたらお呼び致します。それまでおくつろぎ下さい。」
俺、こっち(異世界)来てよかったかもぉ!
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