TYT-056 カワハギ兎
【管理番号】
TYT-056
【妖異通称】
カワハギ兎
【危険レベル:丙級】
遭遇した場合は対象に気付かれないよう最大限の注意を払いつつ退避してください。物品や事象の場合、直ちにその場から離れます。非常に危険な対象です。もし貴方の存在が相手に認識された場合、生命に関わる危機的状況に陥っていると考えるべきです。
【対応状況】
無力化済み。
【外観】
遭遇時、気づかれる前に突進を仕掛ける不破寺局員。
【関連事件】
令和年から四年にかけて帝都内で発生した複数の猟奇殺人事件に関与していることが判明しています。 令和二年の■■大学自殺サークル事件で8名犠牲者を出したことを皮切りとして、現在までに■■名の殺人を犯していることが確認されています。またこの犠牲者数については、今後の調査の進展によりさらに増加していくものとみられています。
【広域情報】
帝都以外での犯行は現在のところ確認されていません。
【詳細】
TYT-056は当初、兎の着ぐるみを来た猟奇殺人者と考えられていました。これが妖異であることが判明したのは令和二年九月に発生した■■■■遊園地事件において、TYT-056の犯行の様子が監視カメラに残されていたことと、警察が到着するまで生存していた犠牲者がひとりいたためです。※2時間後に病院で息を引き取っています。
[機密制限:丁級]
以下は、現場にて生存者を保護した警察官へのインタビューです。
インタビュー対象:■■■ ■■(帝都警視庁所属)
インタビューア:TN80K-Hachi
[インタビューログ]
《記録開始》
Hachi:それでは■■さん(※生存者)はどのようなことを■■■様におっしゃったのでしょうか。
■■■:他に残された被害者と同様に、とても……その……[間]……酷い状態だったので、声も小さく途切れ途切れであまり聞き取ることができませんでした。
Hachi:聞き取れた部分だけで結構ですよ。
■■■:はい。はっきりと聞き取れたのは「兎が」……その……「俺の娘を喰った」……と。[動揺し始める]
Hachi:■■さん? 大丈夫ですか?
■■■:お、俺の腕を……あ、ああ、あんな状態だったのに俺の腕をしっかり掴んで、俺に必死で訴えていたんです。ほ、ほとんど聞き取れませんでしたが、い、いい言いたいことは十分過ぎるくらいわかりました。[過呼吸]
Hachi:休憩にしましょう。
《記録終了》
[機密制限終了]
監視カメラに残されていた犯行映像には、TYT-056が5名の犠牲者を殺害した後に[検閲]する様子が残されています。その中でTYT-056によって捕食されたのは2名であったことから、殺害した者を全て食べるわけではないことが確認されています。他の事件においても、現場が同じような状態となっていたことから、これがTYT-056の犯行パターンであると判断されています。
TYT-056は犠牲者に対する残忍な行動から「カワハギ兎」と呼ばれています。TYT-056が静止状態にある場合、その外見は「兎の着ぐるみ」のように見えますが、殺人や捕食中の行動を見ると着ぐるみではありえない俊敏な動きを確認することができます。さらにTYT-056は鋭い爪を持っており、監視カメラの映像では瞬時に5名の殺害を完了していました。
【対応詳細】
帝国妖異対策局は、令和四年に■■区■■■ビルの屋上にてTYT-056を発見。対象の動きが素早く逃走される危険性があり、TYT-056が犠牲者に対して自らを「無害な着ぐるみ兎」と認識歪曲する能力を持っている可能性があることから、TYT-056に気付かれる前に不破寺局員がこれを無力化しました。
【懸賞金】
懸賞金は掛けられていません。
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