TYT-050 羅紗
【管理番号】
TYT-050
【妖異通称】
羅紗
【対応状況】
撃退済み
【危険等級:乙級】
対象の存在を認知した時点で貴方は補足されています。対象に害意があった場合、貴方が助かる見込みはまずありません。知性を有する妖異であれば交渉の余地はあるかもしれません。
※可能であれば死亡するまでの間にメモ等で情報を残すようにお願い致します。あなたの貢献は必ず後の人々の役に立つはずです。
【映像情報】
https://kakuyomu.jp/users/teikokuyouitaisakukyoku/news/16818023213125696592
【詳細】
羅紗は、かつて生きていた人間の悲哀と後悔の感情が凝結して生まれたと伝えられています。
本妖異は、透明でほのかに青白い光を放つ霧のような体を持ちます。
その形は常に変化しており、見る者の心理状態によって、形が異なって見えると言われています。羅紗は、人間の心に直接話しかけることができます。
その声は、心に深く刻まれた後悔や悲しみを呼び覚ますとされています。
また、羅紗の周囲では時間がゆっくり流れ、夜が異常に長く感じられます。
これまでの記録から、強い光や陽気な笑い声に弱いと言われており、これらによってその存在が薄れて、一時的にこの世から姿を消すことが確認されています。
行動:
本妖異は、悲しみや後悔に苛まれる人々の周囲に現れると言われています。特に、失恋や親しい人の死を悼む人々に寄り添うとされています。
羅紗はその存在を直接的に示すことは少なく、その気配やささやき声のみで人々の心に影響を及ぼします。夜通し人々の夢に現れ、悲しみや後悔の感情を増幅させることもあると噂されています。
目撃談:
羅紗の存在は、多くの文化や地域において異なる形で語られていますが、共通しているのは人の悲しみの感情を呼び起こす存在感と、心に残るその声です。
目撃者の中には、羅紗の存在によって心の痛みが癒されたと語る者もいますが、その一方で深い悲しみに引きずり込まれたという人々も少なくありません。
遭遇時の対処:
本妖異に遭遇した場合、心を落ち着けて明るい思考を保つことが重要です。過去の後悔や悲しみに囚われず、現在と未来に目を向けることが、羅紗の影響から逃れる鍵だとされています。
報告書1
遭遇者の記録
遭遇者: 三島 裕也
遭遇場所: 旧市街地の廃墟となった洋館
私は、友人たちとの賭けで廃墟となった洋館に足を踏み入れ、そこで一夜を過ごすこととなりました。
夜が深まるにつれ、周囲は静寂に包まれ、月の光さえない暗闇が私を包み込んでいきました。
日付が変わる頃、突然に私の背後から聞こえてきました。優しく、しかし悲しげな女性の声。声は私の名を呼び、失われた過去を思い出させるよう促しました。
そのとき恐怖を感じると同時に、非常に強い好奇心に駆られ、私は声がする方へと歩みを進めました。
そこには、青白く光る霧のような存在。見た目はネットで噂されている羅紗そのもの姿でした。その存在は私の心に直接語りかけてきて、私の過去の失恋の記憶を呼び起こしました。
私は過去の後悔に囚われそうになりましたが、ネットで見た羅紗と出会ったときの対応を思い出しました。失恋後に出会った今の彼氏との楽しい日々を心に浮かべ、心が明るくなるよう保ちました。
さらに強い光が羅紗を遠ざけるという記述を思い出し、懐中電灯を取り出してその光を羅紗に向けました。羅紗の姿は徐々に薄れ、やがて消えていきました。
私は急いでその場を離れ、外の明るい街灯の下へと走りました。心の中には未だに羅紗の声が残っていましたが、その声は次第に遠のいていきました。
【対応】
帝国妖異対策局によって撃退済み
【懸賞金】
現在、懸賞金は懸けられていません。
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