TYT-033 シュレディンガーの棺桶

【管理番号】

 TYT-033


【妖異通称】

 シュレディンガーの棺桶


【危険等級:乙級】

 遭遇した場合は対象に気付かれないよう最大限の注意を払いつつ退避してください。物品や事象の場合、直ちにその場から離れます。 非常に危険な対象です。もし貴方の存在が相手に認識された場合、生命に関わる危機的状況に陥っていると考えるべきです。


【対応状況】

 捜索中。目撃した場合は帝国妖異対策局までご連絡ください。


【映像情報】

 目撃者によって撮影されたTYT-033の写真が保管されています。写真からは、黒く錆びついた金属製の棺桶のように見えます。


【確認地域】

 後述の事件と類似の事件が未遂を含めて■■件報告されていますが、それぞれ異なる地域で発生しています。全国の墓地に出現する可能性があります。


【関連事件】

≪■■墓地 青酸ガス殺人事件≫

 令和3年3月 ■■墓地にて墓参りに来ていた■■氏が青酸ガスによって殺害された事件。同行していた家族の証言によると、 墓地内の芝生に不自然におかれていた棺桶(TYT-033と考えられます)に近づいた同氏が突然足をもつれさせ、開いていた蓋の隙間から中へ転倒。その後、蓋が勝手に閉じてしまったため、同行者全員で蓋を開こうとしましたが微動だにさせることが出来ませんでした。蓋は閉じてから10分後に再び開きましたが、そのときは既に■■氏は死亡していました。


【詳細】

 本妖異に遭遇した目撃者証言(※複数の類似事件の目撃者を含む)から、以下の共通した特徴が挙げられています。


1.錆や苔で古びた鉄(もしくは他の金属)製の棺桶。


2.遭遇時には蓋が(丁度、大人一人が入ることができる程度に)開いているようです。


3.棺桶の目撃者(複数いる場合はうち一人)はまるで引っ張られているかのように棺桶に近づこうとします。その際、その人間を棺桶から無理やり引き離すことは可能ですが、その場に滞在し続けるとまたその場にいる誰かが棺桶に近づこうとしてしまうようです。生還者の証言によると、なんとなく棺桶に呼ばれているような、引き寄せられているような感じを覚えたということでした。


4.棺桶に近づいた人間は中を覗き込もうとする等の行為によって、そのまま中へ転倒してしまいます。


5.中に落ち込むと同時に急速に蓋が閉じます。動力源は不明。その後、何をしても蓋を開くことはできません。


6.蓋が閉じてから10分後に再び蓋が開きます。その数秒後に棺桶自体が消失します。


7.その後には、意識を失った生存者若しくは遺体が残されます。生死を分ける条件については分かっていません。


【対応】

 帝国妖異対策局では現在もTYT-033を鋭意捜索中です。もしTYT-033を目撃した場合は、棺桶に近寄らずにただちにその場から離れて、最寄りの警察または帝国妖異対策局へご通報ください。


【懸賞金】

 懸賞金はかけられていません。

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