TYT-032 高慢なゴブレット

【管理番号】

 TYT-032


【妖異通称】

 高慢なゴブレット


【危険等級:丙級】

 遭遇した場合は直ちに退避行動を取ります。物品や事象の場合、近づくことも避けるべきです。 警戒すべき対象です。なるべく早い段階でその場から退避する行動を取るべきです。


【対応状況】

 聖倉院に収容中


【映像情報】

 聖倉院収容時に撮影されたTYT-032の映像が保管されています。

https://kakuyomu.jp/users/teikokuyouitaisakukyoku/news/16818093073276417247


【関連事件】

≪■■■国大使毒殺未遂事件≫

 ■■■■国政府主催の晩餐会で、TYT-032でワインを飲んでいた■■■国大使の容態が急変し直ちに付近の病院へ緊急搬送されました。TYT-032に残存していたワインから中毒症状を引き起こす成分が含まれていたことが確認されています。その後、本事件は大きな外交問題に発展し、■■■■国と帝国の間に一時的な緊張状態が発生しました。後に原因が妖異によるものであることが判明したことにより、事態は収拾されています。


【確認地域】

 [非公開]


【詳細】

 TYT-032は16世紀に欧州にて作られた側面に女性の顔が施された金属製のゴブレットです。霊能力を有する者の中には、このゴブレットが言葉を話していると証言する者もいるようですが、騒音計による音量測定では、今のところ音が検知されたことはありません。


 このゴブレットに飲み物を入れるとその成分に変化が生じます。当初、科学捜査研究所にて実験が行われていましたが、如何なる条件においてどのような変化が生じるか、その規則性を掴むことはできませんでした。


 たまたま実験に立ち会っていた警察庁妖異特捜部のスタッフが、このゴブレットが絶叫しながら周囲を罵倒し続けていると証言したことから、TYT-032の調査は土御門研究所に引き渡されることとなりました。


 調査の結果、TYT-032には16世紀中頃のガリア地方に存在していた■■■公国で生成されたことが判明しました。調査に加わった霊能者が対話を試みていますが、これまでのところすべて失敗しています。


 霊能者によると、こちらからの言葉に対してTYT-032が反応することはほとんどなく、それを無視して一方的にゴブレットが話し続けているとのことです。


 試みにゴブレットにワインを投入し、■■■公国やゴブレットについて存分に誉めそやした後にこれを実験協力者に試飲させたところ、投入前のワインよりも甘味が増していることが判明しました。また同じ条件下で若い女性の実験協力者(世間一般的に美人と見られている)が試飲した場合、渋みやエグ味が増すことが確認されています。同じ条件下で若い男性の実験協力者(世間一般的にイケメンと見られている)が試飲した場合には、甘味が激増することが確認されています。


補遺1:

 ■■■■国は第一次世界大戦後に作られた新国家であり、その成立過程において周辺諸国を大きな動乱に巻き込み、その結果として■■■公国は崩壊しています。


補遺2:

 ワイン以外の飲み物を注いだ場合、あまり成分の変化は見られないようです。


【対応】

 現在は聖倉院に保管されています。


【懸賞金】

 懸賞金はかけられていません。


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