TYT-021 無名都市
【管理番号】
TYT-021
【妖異通称】
無名都市
【危険等級:丙級】
遭遇した場合は直ちに退避行動を取ります。物品や事象の場合、近づくことも避けるべきです。 危険な対象です。なるべく早い段階でその場から退避する行動を取るべきです。
【対応状況】
調査中
【映像情報】
青森県の猿ヶ森砂丘で無名都市が目撃されたポイントの撮影映像が保管されています。
【確認地域】
イラク・クウェート地域において本件と類似の事象が確認されています。
【関連事件】
同地域には無名都市が関連すると思われる行方不明事件が複数発生しています。
【詳細】
無名都市は青森県猿ヶ森砂丘に発生する蜃気楼に似た現象です。同区域は帝国自衛隊が管理する訓練地域でもあることから、通常一般人が立ち入ることはできません。現象が発生するタイミングについての規則性はまだ見つかっていませんが、夕刻の黄昏時から完全に日が落ちるまでの間に発生することが多いようです。
目撃者へのインタビューにおいて「靄の向こうに廃墟らしき建造物群の影が見えた」という複数の証言が記録されています。目撃者のうち無名都市に入ろうとした者のほとんどが「いくら近づこうとしても全く距離を詰めることができなかった」と証言しています。
その際、すべての目撃者が無名都市に近づくことに熱中するあまり、周囲の安全性についての配慮が欠如していたことが判明しました。当該地域では毎年行方不明者が一定数発生することから、現象の中に認識災害が含まれている可能性についても検討されています。
無名都市へ入り、かつ生還したと証言している■■ ■■■氏(陸曹長)については、現在も調査が続けられています。
[[機密制限:乙級]]
補遺1:
■■ ■■■氏によると、無名都市の内部には住人や生物の存在は確認できなかったと証言しています。また都市の建造物は押し並べて天井が低く、そのうちの多くは腰を低くかがめるか這って進むしかできなかったようでした。同氏が比較的保存状態のよかった建物内を調査していたところ(体感で数分程度)、急激に夕闇が迫ると共に地下深い場所から地鳴りのような音が聞こえてきたため、急ぎ建物を出てそのまま無名都市から離れたということでした。
補遺2:
令和■■年■月■■日に発掘されたイラクの■■■遺跡において日本人の所有物と思われる物品が複数発見されました。そのうち一つは一般的な革製財布であり、その中に保管されていた身分証明書から、財布の所有者は無名都市の発生ポイントにおいて行方不明になった■■■ ■■氏のものであることが確認されています。
補遺3:
令和■■年■月■■日 本現象が機密性の高い訓練地域で発生していることから、調査のための部隊の派遣が検討されています。また作戦にあたっては帝国妖異対策局に協力の要請が出されています。
[[制限終了]]
【対応】
現時点では無名都市そのものを撮影した映像はなく、目撃による情報しか得られていません。全ての目撃者へのインタビューから得られた情報が、ほぼ矛盾なく共通した無名都市の特徴を示していること、および同地域における行方不明事件の異常に高い発生率から、帝国妖異対策局では本現象を無名都市と命名し、その危険性について公開することといたしました。
【懸賞金】
有用な情報(現象の撮影等)については謝礼金が出る場合があります。現在、同地域への無許可の立ち入りは禁止されているため、必ず帝国自衛隊に事前に許可を取得する必要があります。
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