TYT-015 ナコト写本

【管理番号】

 TYT-015


【妖異通称】

 ナコト写本


【危険等級:乙級】

 遭遇した場合は対象に気付かれないよう最大限の注意を払いつつ退避してください。物品や事象の場合、直ちにその場から離れます。 オブジェクト自体には異常性はないと考えられていますが、様々な団体・組織が常に狙っていることから、対象に関わるのは非常に危険です。


【対応状況】

 万一対象を発見したとしても、決して手に取ることなくその場から離れ、速やかに帝国妖異対策局までご連絡ください。


【映像情報】

 ナコト写本を撮影したとされる写真記録が保管されています。


【確認地域】

 現在、欧州・米国の主要図書館に計5冊の不完全版が保管されています。


【関連事件】

 [非公開]


【詳細】

 ナコト写本は人類史以前の歴史や知識が記述されているとされる奇書です。現存する写本は全て英語版となっており、完全版の存在については噂の中で語られているだけで、それを見たものは誰もいません。


 完全版・不完全版問わず、学者やコレクター、オカルティストたちは常に写本を入手するためにあらゆる手を尽くしています。その中には要妖異監視対象団体として指定されているような組織・団体もあることから、興味本位で写本に近づこうとするのは避けた方が良いでしょう。要妖異監視対象団体が 引き起こしている殺人事件の中には、この写本が関連したと思われるものが少なくありません。


[[機密制限:乙級]]

 ナコト写本には、人類より以前から信仰されていた古き神々、例えばヒキガエルの姿をしたツゥトゥグア神、凍てつく荒野に廃墟として埋もれた都市カダス、その他、当時の科学や魔術に関する知識や哲学について記されているものと思われます。


 元々のナコト書は巻物であり、人類が誕生するより以前の種族によって記されたものであると伝えられており、研究者やオカルティストの間では、氷河期以前の北極の民ロマール人がナコト書を研究し、やがてハイパーボリアに持ち込まれてその土地の言語に翻訳されたものと考えられています。またヴァ―アミ族やゾブナの研究者たちが翻訳版に彼ら独自の解釈による追記が行われたとも信じられています。


 最初にこの写本をギリシャ語に翻訳したのは、歴史の暗部を記した書物の中では度々登場する秘密主義のカルト集団「ナコトの同志」であるとされています。

※歴史学上、現存する同名の要妖異監視団体とはまったく別の組織であると考えられています。


 15世紀に現在の英語版がギリシャ語版を元にして翻訳されました。現時点では、原本のナコト書およびハイパーボリア草稿、ギリシャ語草稿については、既に失われてしまっていると考えられていますが、オカルティストたちの間では、それらがイースの大いなる種族の図書館都市プナコトゥスに保存されていると信じられているようです。


 一般情報には公開されていませんが、これまで複数のアノーマラスな組織・団体、人々の手を渡り歩いている可能性が高いことから、写本にはそれを閲覧(内容だけではなく外観も含め)することによって何らかのミーム効果が発生する確度が非常に高いと考えられています。

[[制限終了]]


【対応】

 現在、帝国妖異対策局ではTYT-015を捜索中です。


【懸賞金】

 有効な目撃情報に対しては金一封が帝国妖異対策局から支給されます。 ※金一封といってもAmanzoプライム一か月分程度です。そこから発生しかねない危険を考える限り、そもそも目撃すること自体避けるべきである点に注意してください。

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