第2話 大武術大会 1日目

ナグシャム(翌朝)

アルド

「うぅーーーん、よく寝た。


そろそろ集合の時間だけどまだ来てないのかな。」

ナユタ

「お待たせしました。アルドさん。」

アルド

「いや、そこまでまってないよ・・・って!!


ど、どうしたんだ!!その隈!!」

ナユタ

「どうもしていませんよ!!いつもどおりです!!」

アルド

「いやいやいや、どうみても違うって!!


どうしたんだ?昨日は眠れなかったのか?」

ナユタ

「そうですね・・・確かに少し寝付けなかったりもしました・・・

だけど今日の戦いには支障はございません!!!


今までで一番気持ちが昂っているんです!!

どんな相手が来ても負けませんよ!!」

アルド

「ほ、本当に大丈夫か・・・?」

ナユタ

「そんなことよりほらっ!!開会式が始まりますよ!!

急ぎましょう!!」

アルド

「お、おい!ちょっと落ち着けって!!」

移動

ナグシャム 武道会会場(猫レース会場前)

観客 

「がやがやがやがや・・・・」

(司会者の後ろが爆発する)

司会者

「さぁーーーーーー!!

今年もやってまいりました!!


大陸中の腕自慢が集まる・・・!!!

(武道家たちが映し出される)

血沸き肉躍る武術の祭典・・・!!!

(別の武道家たちが映し出される)

第81回!!ガルレア大陸大武術大会っ!!!!

開会式をっ!!!始めさせていただきます!!!!」

観客 

「わぁぁぁーーーーーーーーーーーー!!!!」

アルド

「す、すごい盛り上がりだ・・・・!!」

ナユタ

「ええ、そうでしょう。

大陸中から人が集まりますからね。

(画面スクロール)

(たくさんの人たち、商人、リンリー、ホオズキ、アザミ、オトハ、フードをかぶったゲンシン様等、東方キャラも背景に映す。)

武術大会参加者だけでなく、それを観戦する人たち、観戦者に対して物を売る商人、その商人から物を買うために来る人達・・・。


人が人を呼び、今ではナグシャムを代表するお祭りごとのひとつですからね。」

アルド

「確かに武道に関係なさそうな人たちもたくさん来ているな。

(アルド、周囲をきょろきょろする)

(な、なんだか見たことある顔ぶれもたくさんいるような気がする)」

司会者

「今年の大武術大会の参加者は歴代最多の顔ぶれ・・・!!!


総勢130組もの猛者たちが最強を決めるために戦います!!!


それでは!!まずは開会のあいさつ!!

われらがナグシャムの皇帝、ガーネリ様です!!」

(後ろからガーネリが出てくる)

ガーネリ

「みなさま。ごきげんよう。


今年も、とても多くのものが我がナグシャムに来てくださり、まことに嬉しく思います。


今年も、各々全力で悔いのないようにたたかってください。」

観客 

「わあぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!」

(ガーネリが後ろに下がる)

司会者

「ガーネリ様!!ありがとうございました!!


それでは次に!!

今大会のルールを説明させていただきます!!!


今回の大会は歴代最多の130組の武術家達の中で最も強いものを3日間かけて選びます!!


まずは1日目!!


参加者130組の中から本戦出場者8組を選出いたします!!


その舞台となるのは・・・クンロン山脈!!!


参加者たちには、クンロン山脈に我々が放った魔物たちを倒していただきます!!


魔物は合計8匹・・・!!


そしてその魔物のつけている首飾り、それをナグシャムに持って帰ってきた組が本戦に出場することになります!!」

アルド

「最初から試合をするっていうわけじゃないんだな。」

ナユタ

「えぇ。この人数ですからね。

毎年、こういった予選で選別を行い、勝ち残った強い組だけがナグシャムで戦えるんです。」

アルド

「なるほどな。

だけどせっかくここまで来たのに出番もなく終わってしまうのは少しかわいそうだな・・・」

ナユタ

「そうですね・・・

ただ、大陸中の人たちが集まる催事ですからね。

    

本当に盛り上がる試合をしないとナグシャムという国そのものの評価にも影響するんです。」

アルド

「このお祭りが国の評価にも影響するのか・・・!!」

ナユタ

「えぇ。だからこそガーネリ様もご出席なさいますし、マオマオのお父さんも・・・・」

アルド

「・・・?どうしたんだ、ナユタ?」

ナユタ

「・・・い、いえ!なんでもございません!

さぁ!予選が始まりますよ!!

急ぎましょう!!」

アルド

「あ、あぁ・・・」


(場面転換 クンロン山脈入ってすぐの場所)


司会者

「大会参加者の皆様!!

いよいよ予選開始のお時間が近づいてまいりました!!


準備はよろしいでしょうか!!!」

参加者

「おぉぉぉーーーーーーーーー!!!!」

司会者:それでは改めてルールを説明させていただきます!!

(クンロン山脈をスクロールで映す)

今年の予選大会の舞台はクンロン山脈!!

この山には我々が鍛えた8匹の首飾りをつけた魔物が潜んでいます。


今から一斉にスタートし、その首飾りを持ち帰ってきた組が、明日以降の本戦に出場することになります。」

ナユタ

「さぁ!!もうすぐ始まりますよ!!アルドさん!!

準備は大丈夫ですか!?」

アルド

「・・・・・・。

すごい気合の入り方だな・・・」

ナユタ

「当たり前です!!

今日は絶対に勝ちましょう!!」

アルド

(本当に大丈夫か・・・?

空回りしなければいいけど・・・)

司会者

「さぁ、それでは皆様位置についてください!!」

(参加者が身構える)

司会者

「それでは、第81回ガルレア大陸大武道大会予選・・・・


開始ですっ!!!!!!!!」

参加者

「うおぉぉぉーーーーーーーーー!!!!」

(参加者が一斉に走り出す)

ナユタ

「うぉぉぉーーーー!!」

(クンロン山脈にてキャラクターを操作する、一時的にマップジャンプ禁止)

(クンロン山脈中腹)

ナユタ

「いました!!

おそらくあれが説明にあった魔物です!!」

魔物 

「ぐるるるるぅぅぅ・・・・・・」

参加者

「な、なんて強さだ・・・・

あれだけいた選手たちが・・・」

アルド

「まさか・・・

この倒れている人たちはすべてあの魔物がやったのか・・・


ナユタ!!ここは慎重に・・・」

ナユタ

「行きましょうアルドさん!!!

ほかの人たちが倒してしまう前に僕たちで倒すんです!!!」

(ナユタ走り出す)

アルド

「お、おい!!ちょっと落ち着けって!!」

ナユタ

「たあぁぁぁーーーーーーーーー!!!」

(バキィッ、という音とともにナユタが飛ばされる)

ナユタ

「ぐぁっ!!!」

アルド

「くっ・・・落ち着けナユタ!!

やみくもに戦って勝てる相手じゃない!!!」

ナユタ

「ま・・・まだまだっ・・・・!!!」

魔物 

「ぎゃおぉぉぉぉぉぉ!!!!」

アルド

「ナユタ!!ここは引くんだ!!」

ナユタ

「いやです!!!

ここで引いたら・・・マオマオがっ!!!」

アルド

「マオマオが・・・?

いや、そんな場合じゃない!!

    

ナユタ!!戻れ!!!」

魔物 

「ぐおぉぉぉーーーー!!」

(魔物が腕を振り上げる)

ナユタ

「くっ・・・」

アルド

「っ!!

間に合わないっ!!!」

ガギンッ!!!

魔物 

「ぐ、ぐおぉぉ・・・・・」

(魔物の攻撃がはじかれる)

アルド

「あ、あれは・・・」

(シグレが魔物からナユタを救っている)

(以下、シグレ、アカネ加入時、非加入時でセリフ変化)

【シグレ、アカネ加入時】

シグレ

「危ないところだったな!!!青年!!!」

アルド

「シ、シグレか!!!」

シグレ

「この声は・・・アルド!!

そうか!おぬしも大会に参加していたのか!!


そうなるとこの青年はアルドの相棒であったか!!」

アルド

「あぁ・・・助かったよ・・・

だけどまだ・・・・!!」

魔物 

「ぐるるるるぅぅぅ・・・・!!!」

シグレ

「問題ない!!アカネ!!!」

アカネ

「はあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

(アカネが魔物を切り倒す)

魔物 

「ぐぉぉぉぉ・・・・・・」

アカネ

「シグレ殿!!自分、やりました!!」

シグレ

「おぅ!!!よくやったぞ!!アカネ!!」

ナユタ

「す、すごい・・・」

アルド

「あぁ・・・。

それにしても助かったよ二人とも・・・」

シグレ

「なぁに、別に助けたわけではない!!

目の前に獲物がいたから切り捨てたまでよ!!」

アルド

「だとしても危ないところを助けられたんだ。

ありがとう。」

シグレ

「はっはっは!!構わん構わん!!

むしろ礼ならアカネに言ってやってくれ!」

アルド

「あぁ。アカネもありがとな!!」

アカネ

「いえ!!自分は目の前の敵を切り倒すことしかできぬ女ゆえ・・・

そこの男性がいることすら気づいておりませんでした!!!」

アルド

「そ、そうか・・・」

シグレ

「アルドたちも早くしないと魔物が狩りつくされてしまうぞ。

なにせ今年は特に強者ぞろいだからな。」

アルド

「あぁ。気を付けるよ。」

(シグレうなずく)

シグレ

「それでは俺たちは先に山を下りさせてもらう!!

本戦で戦うのを楽しみにしているぞ!!」

(シグレ、アカネが去っていく)

【シグレ・アカネ非加入時】

シグレ

「危ないところだったな!!!青年!!!」

アルド

「な、あんたは・・・?」

シグレ

「おぬしはこの青年の相棒か!!

大事ないようでで何よりだ!!」

アルド

「あぁ・・・助かったよ・・・

だけどまだ・・・・!!」

魔物 

「ぐるるるるぅぅぅ・・・・!!!」

シグレ

「問題ない!!アカネ!!!」

アカネ

「はあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

(アカネが魔物を切り倒す)

魔物 

「ぐぉぉぉぉ・・・・・・」

アカネ

「シグレ殿!!自分、やりました!!」

シグレ

「おぅ!!!よくやったぞ!!アカネ!!」

ナユタ

「す、すごい・・・」

アルド

「あぁ・・・。

それにしても助かったよ二人とも・・・」

シグレ

「なぁに、別に助けたわけではない!!

目の前に獲物がいたから切り捨てたまでよ!!」

アルド

「だとしても危ないところを助けられたんだ。

ありがとう。」

シグレ

「はっはっは!!構わん構わん!!

むしろ礼ならアカネに言ってやってくれ!」

アルド

「あぁ。あんたもありがとな!!」

アカネ

「いえ!!自分は目の前の敵を切り倒すことしかできぬ女ゆえ・・・

そこの男性がいることすら気づいておりませんでした!!!」

アルド

「そ、そうか・・・」

シグレ

「おぬしたちも早くしないと魔物が狩りつくされてしまうぞ。

なにせ今年は特に強者ぞろいだからな。」

アルド

「あぁ。気を付けるよ。」

(シグレうなずく)

シグレ

「それでは俺たちは先に山を下りさせてもらう!!

本戦で戦うのを楽しみにしているぞ!!」

(シグレ、アカネが去っていく)


アルド

「ふぅ・・・助かったな。

けがはないか?ナユタ。」


ナユタ

「・・・えぇ。大丈夫です。」

アルド

「それにしても・・・どうしたんだ?

マオマオがどうとか言ってたけど・・・」

ナユタ

「・・・・・。」

アルド

「今日も朝からなんだか様子が変だったし・・・

・・・もしかして昨日の夜に何かあったのか?」

ナユタ

「そうですね・・・

アルドさんには話しておきましょう・・・。


実は昨夜、マオマオトとお父さんが話しているところを見てしまいまして・・・」

アルド

「・・・どんなことを話していたんだ?」

ナユタ

「マオマオの結婚相手についてです。

今回の大会で優勝したものに嫁がせようとお父さんは考えているみたいなんです。」

アルド

「そんな・・・!!」

ナユタ

「だから、今年の武道大会は絶対に勝たないといけないんです。

それなのに私は・・・

    

アルドさんの注意も無視して、危険を犯し・・・・

先ほどの方の助けがなければ戦えなくなっていたかもしれません。


修行をして、強くなった気になって・・・本当の自分は・・・何も変わらず・・・・焦って・・・取り乱して・・・

    

本当に・・・情けない・・・」

アルド

「・・・・・・・。

ナユタは・・・


今も・・・マオマオが好きなんだろ?」

ナユタ

「・・・え?」

アルド

「俺には、ナユタがマオマオをどれくらい想っているのかなんて分からない。


そういう相手がいるわけじゃないし、あまり偉そうに言える立場でもない。


だけど、ナユタはどんなことがあってもマオマオを諦められない人だって知っているよ。」

ナユタ

「・・・・・・・」

アルド

「彼女のお父さんが怖くても、諦めないで・・・

魔物が怖くても、くじけないで・・・


今も、負けられない重圧が怖いだけだよ。

きっとナユタの心は決まってるんだ。」

ナユタ

「アルドさん・・・」

アルド

「さ!魔物を探そう!!

予選はまだ終わっていないだろ?」

ナユタ

「はい・・・!

行きましょう・・・!!」

(アルドが画面外に走る、アルドが画面からいなくなってからナユタをズーム)

ナユタ

「本当に・・・あなたに相談してよかった・・・」

(ナユタも走り出す)


(場面が切り替わる、クンロン山脈山頂)

アルド

「いた!首輪をつけた魔物だ!!」

魔物 

「ぐぉぉぉぉーーーーーー!!!」

(魔物がモブ武道家に襲い掛かる)

武道家A

「く、くそぅ!!こんなに強いなんて聞いてねぇよ!!!」

武道家B

「勝てるわけねぇ!!さっさと逃げようぜ!!」

(モブ武道家が逃げ出す)

アルド

「かなり凶悪そうな魔物だけど・・・

ナユタ!!行けるか!?」

ナユタ

「・・・えぇ!!やりましょう!!アルドさん!!」

(魔物の前まで行って二人が武器を構える)

(魔物との戦闘)

(戦闘勝利後、場面切り替わり)

アルド

「く、なんて堅い魔物なんだ!!」

ナユタ

「(・・・このままじゃジリ貧だ!!

どうすれば!?)


・・・アルドさん!!

作戦があります!!


僕がこの魔物をひきつけます!!

僕に気を取られているうちに、後ろから渾身の力で魔物に切りかかってください!!!」

アルド

「な・・・!!

無茶するな!!ナユタ!!」

ナユタ

「無茶をしないといけないんです!!

お父さんに認めていただくためにも、マオマオの為にも・・・

そして・・・


(僕を信じてくれたアルドさんの為にも・・・!!!)


アルドさん!!お願いします!!」

(ナユタが魔物をひきつける)

アルド

「ナユタ!!くっ!!!」

ナユタ

「はぁぁぁぁ!!!」

(ナユタが魔物に切りかかる)

魔物 

「ぎゃっ!!

ぐるるるるぅぅ・・・・!!!」

(ナユタが距離を取り、魔物がナユタを追いかける)

ナユタ

「よし!!アルドさん!!」

アルド

「あぁ!!わかってる!!」

魔物 

「っ!!」

(魔物が後ろを振り返り、吠える)

アルド

「くっ!!気づかれた!!!」

ナユタ

「まだです!!まだ・・・諦めない!!!」

(ナユタが魔物に切りかかる)

魔物 

「ぎゃっ!!」

(魔物がナユタの方を向き、吠えた後に襲い掛かる)

アルド

「ナユタ!!!」

(ナユタ吹き飛ばされる)

ナユタ

「僕は・・・大丈夫です・・・!!!

アルドさん!!!!」

アルド

「あぁ!!これで・・・・!!

終わりだ!!!!」

(アルドが魔物を切る(竜神斬のモーション))

魔物 

「ぎゃおぉぉぉ・・・・・」

(魔物が倒れる)

アルド

「はぁ、はぁ・・・

ナユタ!!大丈夫か!!」

ナユタ

「えぇ・・・私は大丈夫です・・・。

ありがとうございます・・・アルドさん・・・」

アルド

「礼を言うほどのことじゃないって!!

ナユタのほうが頑張ってたじゃないか!!」

ナユタ

「いえ、今は・・・お礼を言わせてほしいんです。

本当に・・・・」

アルド

「?」

ナユタ

(本当に・・・ありがとうございます・・・)

ナユタ

「さぁ!!首飾りを会場にもっていきましょう!!」

アルド

「あぁ!!行こう!!」

(ナグシャムの開会式の会場)

司会者

「さぁーーー!!続々と予選通過者が集まってきています!!

次が最後の予選通過者となりますが、果たしてこの激戦を制したのは誰なのかーーーーー!!」

武術長

「ふむ・・・・皆、とてもよい面構えだ。

さすが、今年の武道大会は選手層が厚いな。」

マオマオ

「・・・・・・。」

武術長

「ふん・・・

そんな顔をするな。嫌なのは今だけだ。

新しい生活にはいずれ慣れる。


お前には、我が流派、そして武術会をよりよくしていくためにも強い男と一緒になってもらわなくてはいかんのだ。」

マオマオ

「・・・・・・。


(ナユタ・・・・私・・・)」

司会者

「おぉーーーーーっと!!

最後の予選通過者がやってきました!!!」

武術長

「ふむ・・・最後の通過者は・・・


な!?あれは・・・・」

マオマオ

「??」

アルド

「よし!!俺たちで8組目だ!!

やったぞナユタ!!」

ナユタ

「はぁ・・・はぁ・・・

や、やりましたね!!アルドさん!!」

司会者

「おぉーーっと!!

これは今大会最大の番狂わせか!!


数多の猛者を退けて、最後に会場に戻ってきたのは、今大会初登場!!ナユタ選手、アルド選手だーーー!!


これは大波乱です!!

今大会はいったいどうなっていくのか!!??

全く先が読めません!!!!」

マオマオ

「ナ、ナユタ!!

そんな・・・嘘・・・・!!!」

武術長

「まさか・・・あの小僧が・・・!!??」

司会者

「さぁ!!!これで合計8組の本戦出場者が出そろいました!!


この8組が、明日、明後日に本会場にて行われる本戦で戦っていただききます!!」

ナユタ

(とうとう・・・ここまでこれた)

(マオマオ・・・僕は・・・必ず・・・)

司会者

「今年は、特に実力者たちが集まっております!!

果たして優勝するのはどの組なのか!?


それでは、本戦出場者達をご紹介させていただきます!!


まず、予選第一通過!!優勝候補筆頭です!!

普賢一刀流より、シグレ・アカネ選手です!!」

シグレ

「はっはっは!!!

まったく!!今年も強者ぞろいよなぁ!!

俺の武士としての血が騒ぎよるわ!!」

アカネ

「えぇ!!自分もすごく昂っています!!

このまま切り倒してしまいましょう!!」

(アカネが刀を構える)

シグレ

「あぁ!!だがその刀は明日までしまっておけ!!

戦う相手は明日以降のこの闘技場の上に立つ者だけだからな!!」

(アカネが驚き顔でショックを受ける⇒うなだれる)

アカネ

「えぇ!!せっかく昂っていたのですが・・・」

司会者

「シグレ選手・アカネ選手!!気合十分です!!

明日の試合が楽しみですね!!


次は、3年連続出場のリチャード・マスク選手だーー!!

今年はペアとしてゴブリン・マスク選手も一緒です!!」

(リチャードとゴブリンの格好をしたペア)

(リチャードが吠える)

リチャード

「ぐぉぉぉーーー!!」

ゴブリン

「ゴブゴブゴブ!!優勝はいただきだと言っているでゴブ!!」

司会者

「ありがとうございます!!

毎年、本戦出場のリチャード・マスク選手!!

今年はどこまで行けるのか!!


次は、・・・」

(会場盛り上がっているなかで、場面転換)

武術長

「まさか、あの若造が本当に本戦まで残ってくるとはな・・・」

マオマオ

「ナユタ・・・」

武術長

「ふん・・・

だが、お前の結婚相手は昨日言ったとおりだ。

あの若造が優勝できるとは思えんがな。


せいぜい期待しすぎて、負けた時に落胆しないようにしろ。

私は、明日の準備があるので先に行く。

お前もあとで来い。」

(武術長が去っていく)

マオマオ

「・・・ナユタ。

本当にあなたは、昔からそうなんだから。


無茶だとわかっていても、他の人のためにどこまでも・・・」

(回想 ナユタの部屋)

マオマオ

ちょっと!!

なんでまた一人で薬の材料を取りに行こうとするの!!


魔物に出会ったらすぐに腰を抜かしちゃうのに・・・

あなたがもしも帰ってこれなかったら・・・」

ナユタ

「ごめん、マオマオ・・・

だけど、この薬が完成すればたくさんの人が助かるんだ!!」

マオマオ

「はぁ・・・。まったくあなたは・・・。


いいわ。またついてってあげる。」

ナユタ

「マオマオ・・・。

ごめん。いつもありがとう。」

マオマオ

「いいわよ別に・・・


ほら、さっさと行くわよ。

準備しなさい。」

ナユタ

「ちょ、ちょっと待ってよ!!」

(回想終了)

マオマオ

「本当はすごく怖がりなのに・・・

自分のことなんか後回しで・・・

今度は私なんかの為にこんなところまで・・・


ほんとに仕方のない人なんだから・・・」

司会者

「さぁ!

いよいよ最後の組の紹介です!!


こちらは今大会初参加!!アルド選手・ナユタ選手だーー!!


アルド選手はなんと西方のガルレア大陸からやってきた旅の剣士です!!

その剣の強さは世界を知るからこそなのか!!


そしてもう一人、こちらも異例の経歴です!!ナユタ選手!!

普段は街の頼れる薬屋でありながら、武術でも名声を手にしようというのか!」

アルド

「す、すごい解説だな・・・

さすがに恥ずかしいぞ・・・」

ナユタ

「毎年聞いているので慣れているつもりだったのですが・・・

自分が言われる立場になると全然違いますね・・・」

ナユタ

(だけど、ここまでこれた・・・)

(マオマオ・・・僕はやるよ!!)

司会者

「さぁ!!以上、8組で明日からの本戦を戦っていただきます!!!


そして、本戦出場者8組が決定したところで今大会の景品を紹介いたします!!

今大会の景品も超豪華なものを用意させていただきました!!


それが・・・こちらです!!


金剛石の剣です!!

その大きさ!!その価値!!まさに国宝級!!

ガーネリ様から今大会のためにと賜りました!!」

アルド

金剛石・・・?って、あれはダイヤモンドじゃないか!!

あんな大きい装飾のついたものなんて見たことないぞ・・・」

ナユタ

「えぇ・・・僕も初めて見ました・・・

毎年この大会で優勝者に送られるものはどれも、すごい価値のものなんです。

売り払えば一生遊んで暮らせるような・・・


そういう実績があるからここまで景品を伏せていても、問題なく人が集まるんですよ。」

アルド

「なるほどな・・・

国の威信をかけた大会っていうのも大げさでも何でもないってことか・・・」

ナユタ

「そういうことです。

    

あっ!!司会のかたの話も終わったみたいですね!!」

司会者

「それでは!!

以上をもちまして、大会初日、予選の部を終了いたします!!


皆さん!!今日は明日に備えてゆっくりお休みください!!」

(参加者がはけていく)

アルド

「さて、俺たちも明日に備えて休もうか。

昨日は眠れてないんだろ?」

ナユタ

「そうですね。

僕も、今日は早めに休ませていただきます。


明日も頑張りましょう。」

アルド

「あぁ!!明日もよろしくな!!」

(アルドも去っていく)

ナユタ

「さて、僕もそろそろ宿に戻ろうかな・・・」

マオマオ

「ナ、ナユタ!!」

ナユタ

「!!

マオマオ!!??

    

こんなところで僕に話しかけて・・・大丈夫なのかい!?」

マオマオ

「そんなことどうだっていいのよ!!

それよりナユタ・・・」

ナユタ

「うん・・・なんとか本戦まで残れたよ。


・・・見てて、マオマオ。

きっと僕がマオマオを迎えに行くからね。」

マオマオ

「ナユタ・・・。

もしかしてあなた・・・」

ナユタ

「うん。知ってるよ。

まぁ、知ったのはたまたまなんだけどね・・・。」

マオマオ

「・・・・・。


けど・・・あなたが危ない目にあってまでこんなところに来ることないじゃない!!


大けがするかもしれないのに・・・

憶病なあなたがどうしてこんな・・・」

ナユタ

「・・・・・・・・。

心配してくれてありがとう。


だけど・・・もう、怖がらないって決めたんだ。

強い敵にも・・・君のお父さんにも・・・


それに・・・・

君と別れるかもしれないことのほうが怖いしね。」

マオマオ

「ナユタ・・・。


本当に・・・強くなったんだね・・・」

ナユタ

「うん・・・。

本当に、強くしてもらえたんだ。


アルドさんや君に、

・・・そして君のお父さんにもね。」

マオマオ

「私のお父さんにも・・・?


それって、どういう・・・」

武術長

「マオマオ!!

明日の準備があるのだぞ!!

どこに行っている!!」

ナユタ

「!!

それじゃ、また明日!!


明日も見ててね!!

絶対に勝つから!!」

マオマオ

「う、うん。」

(ナユタが走って去っていく)

マオマオ

(今のはどういう意味だったんだろう・・・)

武術長

「こんなところにいたのか!!

さっさと手伝いにこい!!」

マオマオ

「う、うん!!わかった!!

(マオマオが後ろを向く)

ナユタ・・・

頑張って・・・」

(マオマオが走り出す)

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