激闘!!ガルレア大陸大武術大会!!

@k-naka_anothereden553

第1話 あの子の隣に立ちたくて

あらすじ

紅葉街道にて、修行中の青年に出会うアルド、あまりの鬼気迫る様子が気になって声をかけてみるとなんだか事情があるようで・・・


青年 

「えいっ!!やあっ!!」

アルド

「ん?なんだろう?修行・・・しているのか?すごい鬼気迫る感じだな・・・」

青年 

「せいっ!!とりゃぁっ!!・・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・・」

アルド

「お、おいおい・・・ちょっとやりすぎなんじゃないか!?大丈夫か!?」

青年 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・な、なんですか・・・修行の邪魔ですよ・・・」

アルド

「いやいや、流石にやりすぎだって・・・どうしたんだ?」

青年 

「ほっといてください・・・武道大会まで時間がないんです・・・」

アルド

「武道大会?」

青年 

「まさか・・・知らないんですか・・・はぁ、はぁ・・・ふぅ・・・」

アルド

「お、おい、無理にしゃべらなくても・・・」

青年 「いえ・・・今落ち着きました・・・ふぅ・・・武道大会を知らないということは、あなたはナグシャムの人じゃないんですか?・・・ふぅ・・・」

アルド

「あ、ああ。俺はアルド。旅人だよ。」

青年 

「本当ですか・・・では、このあたりの魔物たちとも戦えるくらいに強かったりしますか?・・・ふぅ・・・」

アルド

「まぁ、これでも故郷では自警団だったし、それなりには戦えるけど・・・」

青年 

「なるほど・・・。すいません、初対面の方にこんなことをお願いするのは

気が引けるのですが・・・」

アルド

「ん?」

青年 

「僕を・・・ナグシャムまで連れて行ってくれませんか?・・・」

(青年が倒れる)

アルド

「ちょっ!!おい!大丈夫か!!!」

Quest Accepted

場面転換 ナグシャムの入り口

アルド

「はぁ、はぁ、ほら、ナグシャムについたぞ。」

青年 

「あ、ありがとうございます。」

アルド

「それで、なんであんなに無茶をしていたんだ?武道大会があるとか言ってたけど・・・」

青年 

「そうですね、どこから話せばいいか・・・


まず、自己紹介からですね。僕は普段はナグシャムで薬屋をやっているナユタというものです。」

アルド

「薬屋?薬屋がなんであんな修行をしていたんだ?」

ナユタ

「それは・・・少し長くなるのですが・・・


僕には武道家の一族の恋人がおりまして、名をマオマオといいます。


昨年、私は彼女からずっと反対されていた彼女のご両親への挨拶に行ったんです。」

アルド

「ふぅん・・・けど、なんでそれで修行をすることになるんだ?」

ナユタ

「それがですね・・・結果として、僕は彼女のご両親から絶対に交際を認めないと一蹴されてしまったんです・・・」

アルド

「えぇ、いったいなんでそんな・・・」

ナユタ

「僕のような、なよなよした人間に大事な娘を任せることなんてできない!!と言われてしまいました・・・」

アルド

「そうだったのか・・・

    

それで修行を?」

ナユタ

「もちろん、それもあります・・・


ただ、お父さんの言うことも間違いではないんです。


実際に僕は、そのお父さんに一喝されただけで腰を抜かしてしまいましたから・・・」

アルド

「・・・・・・・」

ナユタ

「これが初めてというわけではないんです。

僕は昔から本当に憶病で・・・


薬の材料を取るために山に行く際も必ず彼女についてきてもらわないと

満足に取りに行くこともできません。


そんな僕は、彼女のお父さんから見たらなよなよした人間に

見えてしまうのも当然だと思います。


・・・・・・・

ただ・・・それでも・・・


初対面の方にこんなことをお願いするのは気が引けるのですが・・・


お願いします!!どうか僕に修行を・・・

そして武術大会に一緒に出場してくださいませんか!?」

アルド

「どうして武術大会に?」

ナユタ

「実はその武術大会の運営者が彼女のお父さんなんです。

そのお父さんの前で僕が強くなったところを見せられれば・・・」

アルド

「お父さんに認めてもらえるってことだな?」

ナユタ

「はい。その通りです。


お願いします!!僕は彼女を・・・絶対にあきらめたくないんです!!」

アルド

「・・・・・・。


わかったよ。そういうことなら手伝わせてくれ。」

ナユタ

「ほ、ほんとうですか!?」

アルド

「ただ、その武術大会ってどんな大会なんだ?

それに修行って言っても教えられるかはわからないぞ?」

ナユタ

「そうですね・・・

これはナグシャムで毎年行われる大会なんです。


二人一組で戦い、もっとも強い組がガーネリ様より褒美を賜れるんですよ。」

アルド

「ガーネリから!?

本当に大きい大会なんだな・・・」

ナユタ

「はい・・・なので、勝つのは難しいのですが、それだけに勝てればお父さんも認めてくれるのではないかと思うんです。」

アルド

「なるほどな・・・

だけど二人一組なら一緒に組む相手はいなかったのか?」

ナユタ

「はい・・・

さすがに私の薬屋の仲間を誘うわけにもいかず・・・」

アルド

「そ、そうか・・・」

ナユタ

「お願いします!!

私も大会で勝てるくらい強くなりたいんです!!」

(アルドが腕組をする)

アルド

「(力になってあげたいけど、修行をつけるって言ってもなにを

すればいいんだろうか・・・)


そういえば、お父さんの一喝で腰を抜かしてしまったんだよな?」

ナユタ

「えぇ・・・お恥ずかしい限りですけどね・・・」

アルド

「それなら、まずは怖いものにも恐れないように心を鍛えてみるのはどうかな?」

ナユタ

「心を?」

アルド

「あぁ。戦っているときに大切なこととしてどんな敵にも立ち向かう気持ちの強さって大事だと思うんだ。

それを鍛えればお父さんを怖がることもなくなるんじゃないかな?」

ナユタ

「なるほど・・・

わかりました!ぜひお願いします!!」

アルド

「あぁ、それじゃあ荒れ寺に行こう!!」


荒れ寺

ナユタ

「こ、これはなかなか・・・」

アルド

「そうだろ?俺の仲間もこの雰囲気はすごく怖がってたんだよ。

だけどこういう場所で修行すれば、ちょっとしたことでも動じなくなるんじゃないかな?」

ナユタ

「え、えぇ・・・そんな気はしますけど・・・しますけどこれは・・・」

アルド

「?

どうした?」

ナユタ

「い、いえ・・・なんでもないんです。


(怖さの種類が違う気がする・・・)


(い、いや、お願いしたのは私なんだ!こ、ここはアルドさんを

信じて・・・)」

(ゆっくり魔物が近づいてくる)

アルド

「あ!おい、後ろ!!」

ナユタ

「後ろ?」

(魔物と目が合う。)

ナユタ

「ひゃ、ひゃぁーーーーーーーー!!!!」

アルド

「お、おい!!大丈夫か!!」

ナユタ

「こ、こここ腰が・・・・」

アルド

「くっ!いったん下がっていてくれ!!」

(魔物との戦闘)

アルド

「ふぅ・・・何とかなったな。


大丈夫か?怪我はないか?」

ナユタ

「え、えぇ・・・なんとか・・・


それにしてもアルドさんは本当に強いんですね。」

アルド

「まぁ、あれくらいの魔物は旅をしてるとよく戦うしな。」

ナユタ

「そうですか・・・それに比べて私は本当に何もできませんでした・・・

(ナユタが後ろを向く)

もしかしたら、お父さんの考えの方が正しかったのかもしれません。

私はちょっとした魔物に出会っただけで動けなくなってしまいました。


そんな私がどうして彼女と肩を並べられるというんでしょうか・・・」

アルド

「・・・・・・


そんなに心配することはないんじゃないかな」

ナユタ

「え?」

アルド

「今こうしてここにいるのが理由だよ。


彼女のために倒れるまで修行したり、戦うのが怖くてもそれを克服するために頑張っている。


確かに今は魔物が怖いかもしれないし、戦えないかもしれない、それでも彼女を守るために本気で頑張ろうとしているんだ。


きっと彼女が本当に危ないときに一番に駆け付けられるのは、そういう彼女のために頑張る気持ちがある人なんじゃないかなと思うよ。」

ナユタ

「アルドさん・・・


ありがとうございます。

もう少し、頑張ってみようと思います。」

アルド

「よし!!じゃあ今度は別の魔物と戦ってみようか!」

ナユタ

「はい!!お願いします!」


移動(荒れ寺)

(離れたところに魔物、アルドとナユタがそれを見ている)

アルド

「よし、じゃあ今度はあの魔物と戦ってみよう!!」

ナユタ

「は、はい!!頑張ります!!」

アルド

「本当に危なくなったら助けに入るから、がんばってくれ!!」

ナユタ

「は、はい!!頑張ります!!」

アルド

「(・・・本当に大丈夫かな?)」

ナユタ

「よ、よし・・・やるぞ・・・・」

(ナユタが魔物に近づく)

魔物 

「ぎゃおぉーーーーーー!!!」

ナユタ

「ひぃっ!!!


(だ、だめだ・・・やっぱり私には・・・)


(いや・・・)


(回想)

アルド

「今こうしてここにいるのが証拠だよ。


彼女のために倒れるまで修行して、怖くてもそれを克服するために頑張っている。


確かに今は魔物が怖いかもしれないし、戦えないかもしれない、それでも彼女を守るために本気で頑張ろうとしているんだ。


きっと彼女が本当に危ないときに一番に駆け付けられるのは、そういう彼女のために頑張る気持ちがある人なんじゃないかなと思うよ。」

(回想 終わり)

ナユタ

「(そうだ・・・アルドさんはこんな私を信じてくれたんだ・・・)


(私だって・・・!!!)


やぁーーーーー!!!」

(剣で切りかかる)

魔物 

「ぎゃっ!」


アルド

「や、やった!!」


魔物 

「ぐるるるる・・・・」


アルド

「!

まだだ、また襲ってくるぞ!!」


ナユタ

「くっ!!」

(魔物の攻撃を防ぐ)

アルド

「おおっ!!」

魔物 

「ぐるっ!?」

ナユタ

「せいやーーーー!!!」

(魔物に切りかかる)

魔物 

「ぐ、ぐおぉぉぉーーーー・・・・」

(魔物が倒れる)

ナユタ

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・」

(アルドが駆け寄る)

アルド

「やったな!!

一人でも魔物を倒せたじゃないか!!」

ナユタ

「ほ、本当に僕だけの力で・・・


ずっと・・・無理なんじゃないかと思ってたんです。

どんなに修行をしても魔物も、お父さんも怖いままで・・・」

アルド

「だけど、今、こうして魔物に立ち向かえただろ。

今までの修行も無駄じゃなかったんだ。」

ナユタ

「はい・・・・!!アルドさん・・・・。

本当にありがとうございます!!!」

アルド

「ははは、礼をするのはまだ早いよ。


さぁ!!修行の続きをしよう。」

ナユタ

「アルドさん・・・


はい!よろしくお願いします!!」

アルド

「あぁ!!大会まで一緒に頑張ろう!!」

(修行パート)場面切り替わり

クンロン山脈で素振りをしている青年

場面切り替わり

イナナリ高原で魔物と戦う青年

場面切り替わり

紅葉街道で走り込みをする青年

(この場面はセリフなしで修行をダイジェストで流すようにしてほしいです)

修行終了 ナグシャムにて

アルド

「いよいよ明日だな・・・」

ナユタ

「はい・・・。

アルドさん、ここまで私に付き合ってくれて本当にありがとうございます。」

アルド

「あぁ・・・明日は頑張ろうな。」

ナユタ

「はい!!明日は頑張りましょう!!!」

アルド

「ははっ。あんまり気負いすぎて眠れないようになるなよな!!」

ナユタ

「はははっ!!気を付けますよ。

さぁ、明日に備えて今日は早めに休みましょう。」

アルド

「あぁ。それじゃ、また明日な。」

ナユタ

「えぇ。また明日。」

アルドとナユタがわかれる

ナユタの家(夜)

(ナユタがベットで横になっている)

ナユタ

「あ、アルドさんの言うとおりになってしまった・・・


明日は大切な大会なんだ・・・少しでも体を休めないと・・・


・・・・・・・・・・・・。


駄目だっ!!!全然寝れない!!!

(ナユタが起き上がる)

・・・少し外を歩いてこよう。」

ナグシャム(外)

ナユタ

「ふぅ・・・少し落ち着いてきたかな・・・


それにしても、こんな僕でも本当に武術大会で勝てるのかな・・・


アルドさんは自信を持ってもいいって言ってくれているけどやっぱり不安だ・・・

(ナユタが頭を振る)

いや。アルドさんはこんな自分に最後まで付き合ってくれているんだ!!

今更不安になってどうするんだ!!


明日は今までやってきたことをやればいいんだ・・・。

きっとやれるはずだ。」

(物陰から声が聞こえる)

???

「お父さん!!いったいどういうこと!!!」

ナユタ

「!?

い、今の声は!?」

???

「今言ったとおりだ・・・。

お前は我が流派の正統後継者として明日の大会で優勝したものと結婚するのだ。」

???

「いやよ!!それは武術長のお父さんの都合でしょ!!

なんでわたしがそんな・・・」

ナユタ

「(やっぱりマオマオだ!!

それに話をしているのは・・・マオマオのお父さんだ!!)」

マオマオ

「そもそも私が結婚したい人は・・・」

武術長

「結婚したい人・・・まさかあの薬屋の男のことか?」

マオマオ

「・・・っつ!!そうよ!!わたしは・・・」

武術長

「・・・喝っ!!!」

マオマオ

「うっ・・・」

武術長

「以前も言ったはずだ!!!

お前にはあんな軟弱な男はふさわしくない!!


お前の為にも、我が流派の為にも明日の大会で優勝したものと結婚させると決めたのだ!!」

マオマオ

「そんな・・・ことって・・・」

武術長

「この間も、結婚したくないだのと家を出た娘がいたが・・・ただでさえ、武術会の中でも後継が問題になっているのだ!!

武術会組合長としてあんな男は絶対に認めん!!!


我が流派から結婚を打診すれば断るものはまずいないだろう。

お前を守れもしない男より、お前を守れる強い男と結ばれることこそがお前の幸せなのだ。」

マオマオ

「・・・・・」

武術長

「話は終わりだ。

明日の仕事のために私は寝る。

お前もさっさと寝ろ。」

(武術長が去る)

マオマオ

「お父さん・・・私は・・・」


ナユタ

「・・・・・・・・・」

(ナユタが無言でうなづき走り出す)


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