第1章『亡国の女騎士』登場人物紹介

【ロベルティ王国】

ナターシャ・ランドレス

本作の主人公。ロベルティ王国の近衛兵長。ドミニクとシャノンの娘であり、クライヴの姉。王国滅亡時点で22歳。身長は165cm、体重は50㎏。スリーサイズは86/61/87。黒い瞳に、腰まで届く長い黒髪をうなじ辺りで一本にまとめている麗人。戦場では漆黒の鎧をその身に纏い、漆黒の剣を振るう。使用する紋章は空魔紋。趣味は日の当たる静かな場所で眠ること。休日には剣を磨いたり、屋敷の庭で眠っていることが多い。味方には優しく、敵には苛烈な性格。演説では声、動き、口調といったもので人を惹きつけ、カルメロから演説の上手さを褒められるほど。非常に部下想い。剣術は母シャノンから習った。

戦いぶりから周辺諸国から『漆黒の戦姫』と呼ばれており、文字通り一騎で千の兵に当たる強者。数時間にわたり離宮に籠もり抵抗していたが、カルメロの命令により武器を捨て、ヴォードクラヌ王国に投降した。投降後はホルヘの配下となり、ロベルティ王国軍の残党平定を成し遂げた。これにより、反乱平定の功をホルヘから称賛され、主に軍政において頼りにされるように。平定には力を用いず、話し合いで解決する考えで動いていた。アマリアの兄にあたるジェフリーが苦手である半面、ジェフリーの父親にあたるセルジュを心の底から尊敬している。かつて非番の日などは、マリアナの遊び相手を任されることがしばしばあった。クライヴとクレアと共に民の生きる営みを見て反乱を起こすことについて悩んでいた。ホルヘから南の3国との交渉を任せられた際には、期限付きの停戦の案を持ち掛け、平和的に解決することに成功。ホルヘ率いるシムナリア丘陵地帯への援軍の副将に任命された。ホルヘに奇襲策を進言し、結果的に了承された。帝国軍を見かけるなり、すぐに味方を来た道へと引き返させ、総大将でありながら自ら殿を務めた。殿をする中で、ヴィクター配下の猛者たちを瞬く間に討ち取り、騎乗の上手さを馬に乗り慣れた帝国兵からも感嘆されていた。他にも、振り向きざまに放つ弓の技量は人間離れしていた。ヴィクターと互角の戦いを演じるも、途中で戦場を離脱。その際、紋章の力で空間を切り裂き、後を追って来られないようにした。マリアナからは王国再興において第一の功とされたが、役職に就くことを頑なに拒否し、近衛兵長の身分に留まっている。会議でも皆とは別の視点から方策を論じた。帝国軍が王都テルクスを包囲し始めた時、打って出てポールを討ち取り、帝国軍8千を撃退してみせた。女王の代理として帝都フランユレールへ赴くことを名乗り出た。


カルメロ・ロベルティ

ナターシャの想い人であり、ロベルティ王国の王子。パヴェルとイレーネの息子であり、マリアナの父でもある。ヴォードクラヌ王国へ降伏後、地下牢に押し込まれた後で父パヴェル、母イレーネと共に王都テルクスの中心部にて斬首された。享年27。身長は180cm、体重は71㎏。短く切った紫色の髪と赤色の瞳を持つ青年。趣味は剣術の稽古。休日には剣を振り、精神を統一するために瞑想をしたりしている。兄貴肌で面倒見がいい性格のため、家臣や民衆からも慕われている。直属の近衛隊を持ち、隊長はナターシャである。

数時間にわたり離宮に籠もり抵抗していたが、ナターシャやクライヴに命じて、武器を捨てさせ投降した。ナターシャが非番の日などは、マリアナの遊び相手を任せることもあった。


クライヴ・ランドレス

他人に優しいしっかり者なナターシャの弟。セシリアの婚約者。王国滅亡時点で20歳。身長は165cm、体重は60㎏。短く切った黒髪に角のようなくせっ毛がいくつかある好青年であり、その笑顔にときめく女性は数知れず。使用する紋章は氷魔紋。趣味は読書であり、休日には一日中部屋に籠もって読書をするほどな本の虫。誰にでも優しい性格で、困っている人を放ってはおけない性格。ホルヘからの屈辱的な言葉に憤りを覚えていたが、ナターシャからは感情を抑えるように諭されるなど、顔に出やすい性分である。アマリアの兄にあたるジェフリーが苦手。クレアと共にドミニクから槍術を学んでいた。父ドミニクを射殺したユリアをよく思っておらず、露骨な敵意を示しているが、ユリア本人から事情を聞き、複雑な気持ちを抱いた。

部隊を指揮することに優れ、指揮を執る時には一時的に優しさを捨てることも。ただ、指揮を執り終えると罪悪感で押しつぶされそうになる。数時間にわたり離宮に籠もり抵抗していたが、カルメロの命令により武器を捨て、ヴォードクラヌ王国に投降した。投降後、ホルヘの配下となった。港町に向かう途中でクレアと共に襲いかかって来たアマリアと戦うも、敗北。シムナリア丘陵地帯からの撤退の際はアマリア隊に続いて撤退し、沢での伏兵の計略を立てた。ヴィクターに敗れたセシリアを間一髪のところで救出したが、セシリアを救出するまでに体のあちこちに傷を負った。王国再興後は外交関係の職務を担当。帝国軍相手に打って出ようとするナターシャに最後まで反対したため、西門へ残された。会議の場では外交を担う立場から意見を述べる。帝国へ従属したい旨を伝えるべく、自ら交渉役として帝国軍の陣営へ。交渉の場ではヴィクターからの気迫にも負けることなく、堂々とした態度で交渉に臨んだ。また、気配だけで陣幕の裏に兵士たちが隠れていることを見抜いた。ヴィクターの陣幕の外でミハイルと談笑した際、帝国人への認識を改める必要があると考えた。王城に戻ってからは、従属願いが受理されるまでは警戒を解くべきではないとマリアナに進言。セシリアセレクトでダフリーク温泉へ向かい、共に湯に浸かりながら色々なことを話した。セシリアが同じ湯に入ろうとした時には驚き慌てていた。帝都フランユレールへはナターシャではなく、死んでもいいような人物を代わりに送るつもりだった。


マリアナ・ロベルティ

賢く思慮深い幼き女王。幼くしてロベルティ王国の女王となった。カルメロの娘。王国滅亡時点で8歳。身長は128cm、体重は26㎏。スリーサイズは57/47/58。父親譲りの紫色の髪と赤色の瞳を持っており、紫色の髪はおさげにしている。使用する紋章は雷魔紋。趣味は散歩。休日には王宮内を歩き回ったり、時には王宮を脱走して王都を散策したりしている。賢く思慮深い性格であり、顔つきや立ち居振る舞いからは8歳などとは思えない気品を感じさせる。父カルメロに仕えていたナターシャと会って話をする機会が多く、ナターシャが非番の日などは遊び相手をしてもらっていた。

王宮に敵が攻め入った時、パヴェルやイレーネと共に玉座の間にいたが、王城が陥落する寸前にセルジュたちと共に脱出。東の港町に潜伏していた。ナターシャから反乱計画を告げられ、驚きはしたが協力する旨を示した。ナターシャが王城を奪取した後に王城へと招かれ、正式にロベルティ王国の女王となった。帝国との和平についての会議では、ナターシャの従属こそが国の存続に最適であるとして支持した。クライヴからの進言を受け、まだ帝国への警戒を解いてはならないとセルジュに命じた。帝都フランユレールへ自分の代わりにナターシャが行こうとするのを引き留めようとしていた。


パヴェル・ロベルティ

事なかれ主義のロベルティ王国の国王。ヴォードクラヌ王国へ降伏後、地下牢に押し込まれた後で妻イレーネ、嫡男カルメロと共に王都テルクスの中心部にて斬首された。享年52。身長は156cm、体重は64㎏。紫色の髪を肩にかかるほどの長さに伸ばしており、体型は小太りである。趣味は日当たりの良い部屋で眠ることであり、休日はひたすらに何もせず、日当たりの良い部屋で眠っている。まったりとしている性格であり、基本的に事なかれ主義。

イレーネ共々、王宮内に侵入したヴォードクラヌ王国軍の捕虜となった。捕虜となる直前、マリアナだけでも王宮の地下から逃がすよう、セルジュに命じた。自身は一国の王が民や兵を置いて逃げるわけにはいかないと逃げることを拒否した。


イレーネ・ロベルティ

マイペースなロベルティ王国の王妃。ヴォードクラヌ王国へ降伏後、地下牢に押し込まれた後で夫パヴェル、息子カルメロと共に王都テルクスの中心部にて斬首された。享年48。身長は160cm、体重は46㎏。スリーサイズは83/59/85。淡いピンク色の髪をした美女であり、容姿から母性がにじみ出ている。趣味は夫パヴェルの観察。休みの日にはパヴェルのことをひたすらに見守り続けている。マイペースな性格で、基本的にまったりしている。夫であるパヴェル共々、王宮内に侵入したヴォードクラヌ王国軍の捕虜となった。


モレーノ・カスタルド

礼儀正しいランドレス家の忠臣。息子にはダレン、養女にはクレアがいる。王国滅亡時点で36歳。身長は174cm、体重は67㎏。銀髪に無精ひげを生やし、片目の視力を失っている。趣味は山登りであり、休日には王都テルクス南にある山に登っている。扱う武器は長剣。礼儀正しい性格であり、主君にはトコトンまで忠義を尽くす男。クライヴに王都テルクス南にある山のことを教えた張本人。主君であるドミニクを死なせ、自分たちがのうのうと生き残ったことを悔やんでいる。

キバリス渓谷の戦い以来、ダレンと共に行方知れずとなっていたが、生き残った兵たちをまとめて商隊を襲ったりしていた。ナターシャと合流の後は、ナターシャの隊に加わる。その際、ナターシャから騎兵部隊の指揮を任された。帝国軍との戦いでは、沢の右側に潜み、弓隊の指揮を執った。時間稼ぎを行なうべく、帝国兵の馬を狙わせた。王都テルクスに入る際には、ナターシャに策を献じたりもした。ナターシャが帝国軍に突撃しようとしている際にはうずうずしていた。ポールが討たれて逃げ始めた帝国軍を追撃せず、城内へ引き上げることを主張するなど戦場になれている面が目立つ。


クレア・カスタルド

大人びた性格をしたナターシャの家臣。モレーノの養子であり、義弟にはダレンがいる。王国滅亡時点で20歳。身長は155cm、体重は43㎏。スリーサイズは76/57/77。茶色の長髪をポニーテールにしてまとめており、瞳の色は緑色をしている。趣味はボードゲームであり、休日にはランドレス家に使える執事やメイドたちと一緒にボードゲームに興じている。扱う武器は槍。自立心が強く、大人びた性格。ナターシャへ絶対の信頼を寄せている。アマリアの兄にあたるジェフリーが苦手。ナターシャとは対照的に朝に強い。ナターシャは貴族令嬢としては見習ってはいけないが、一介の武人として見習うべきところが多く尊敬するに値すると感じている。クライヴと共にドミニクから槍術を習った。ドミニクを射殺したユリアをよく思っておらず、露骨な敵意を示している。

ナターシャから頼まれ、ナターシャの母であるシャノンの釈放を求めたが、失敗。軍では主に必要物資の運搬や管理を行なっている。港町に向かう途中でクライヴと共に襲いかかって来たアマリアと戦うも、敗北。モレーノとダレンの2人と再会した時には、嬉しさのあまり涙を流していた。シムナリア丘陵地帯からの撤退の際は、ナターシャに代わって撤退の指揮を執った。ナターシャが殿を務めることに反対したが、任せざるを得なかった。帝国軍が王都テルクスを包囲し始めた時、ナターシャから兵たちを西門へ集めるように指示されたり、ナターシャとポールが一騎打ちをしている間の指揮を任されるなど、ナターシャからも何かと頼りにされる。ポールが討たれて逃げ始めた帝国軍を追撃することをアマリアと共に主張。ナターシャの帝都フランユレール行きではアマリアと共に同行することとなった。


ダレン・カスタルド

騎士とは思えない喋りかたをするランドレス家の家臣。父はモレーノ、義姉にはクレアがいる。王国滅亡時点で16歳。身長は168㎝、体重は62㎏。短く切りそろえた銀髪がさわやかな印象を与える。趣味は父モレーノと同じく山登りであり、休日にはモレーノと共に王都テルクス南にある山に登っている。基本的に争いを好まないが、売られたケンカは買う性分。主君であるドミニクを死なせ、自分たちがのうのうと生き残ったことを悔やんでいる。

キバリス渓谷の戦い以来、モレーノと共に行方知れずとなっていたが、生き残った兵たちをまとめて商隊を襲ったりしていた。ナターシャと合流の後は、ナターシャの隊に加入する。その際には、ナターシャからは主に物見役を任された。帝国軍との戦いでは、沢の左側に潜み、弓隊の指揮を執った。ナターシャが帝国軍に突撃する時にクライヴとは異なり、渋るような様子を見せなかった。


シャノン・ランドレス

ナターシャの剣術の師匠であり、ナターシャとクライヴの母。王国滅亡時点で40歳。身長は168cm、体重は52㎏。スリーサイズは87/62/89。ナターシャと同じく腰元にまで届く長い黒髪と長い手足の持ち主で、口元にホクロがある。趣味は剣の素振りと体力をつけるためのランニングであり、休日に限らず毎日行なっている。

王妃イレーネの側近として王宮に仕えていたこともあり、王族3名の処刑に猛反発し、ホルヘの腹心を斬り殺してしまう。それにより、王宮の一室に押し込められることとなった。


ドミニク・ランドレス

武人肌なロベルティ王国将軍。シャノンの夫であり、ナターシャとクライヴの父。キバリス渓谷の戦いにて戦死。享年44。身長は176㎝、体重は68㎏。セルジュ、トラヴィスと共に『ロベルティ王国の三傑』と謳われる。敵の伏兵に遭い、弓矢で真眉間を射られ、死亡。


トラヴィス・ハワード

冷静沈着な軍のまとめ役。ロベルティ王国の南方守備軍を束ねる将軍。セシリアの父であり、ローランの兄。ドミニクの唯一無二の親友でもある。王国滅亡時点で39歳。身長は182cm、体重は73㎏。緑色の髪をオールバックにしており、無精ひげがトレードマークの大男。使用する紋章は風魔紋。趣味は配下の兵士たちに稽古をつけることであり、休日も配下の兵士たちの稽古に付き合っている。冷静沈着で、他人を思いやれる心の持ち主。大斧の使い手として敵から恐れられ、味方の部下たちのためなら王族相手でも譲らない部下想いな人物。ドミニク、セルジュと共に『ロベルティ王国の三傑』と謳われる。歴戦の猛者だけあって、戦の引き際をよく心得ている。

国王パヴェルからも頼りにされ、南方の守備を任された。キバリス平原の戦いでホルヘ率いるヴォードクラヌ王国軍に敗退。ブンテル高原に拠点を置いており、ナターシャとクライヴの2人を見るなり、ドミニクを救えなかったことを謝罪した。せめて死んでいった者たちの無念だけでも晴らしたいとの考えから、ホルヘに従わないことを選んだ。ナターシャの考えを聞いたことやセルジュからの書状でマリアナの無事を知ったことで、一度ホルヘに投降することを決断した。その後は、ナターシャの取り成しで、ホルヘから南方の守りを引き続き任されることとなった。自らの弟であるローランにシドロフ王国方面、ローランの息子ノーマンにプリスコット王国方面の守りを任せ、愛娘のセシリアをフォーセット王国方面の守りに派遣した。王国再興後は軍の総帥としての役割を担うこととなった。


セシリア・ハワード

温泉好きな怪力無双の女将軍。ロベルティ王国の将軍。トラヴィスの娘であり、ローランは叔父、ノーマンは従弟にあたる。また、クライヴの婚約者でもある。王国滅亡時点で18歳。身長は171㎝、体重は54㎏。スリーサイズは89/63/91。長い緑髪をサイドテールにしており、大きな胸を隠すように鎧を着用している。戦場では柄と刃に至るまで真紅の大斧を愛用。使用する紋章は風魔紋。趣味は温泉巡りであり、休日にはロベルティ王国内の温泉を巡っている。明るく快活な性格。ロベルティ王国内でセシリアに匹敵する美人を探すのは困難を極めると言われているほどの美人。昔から自分より弱い男とは結婚しないと豪語しており、ひ弱なクライヴのことを婚約者としても男として認めていない。しかし、沢での戦い以降、見方を変える。

トラヴィスからはフォーセット王国方面の守りを任せられる。トラヴィスの命令を受け、途中からナターシャたちと合流。クライヴ隊に加わった。沢での戦いでは、独断でヴィクターへ戦いを挑んだ。持ち前の怪力を活かした戦法や紋章の力を発動させてヴィクターと戦うが、力及ばず敗北。もはやこれまでというところで、クライヴによって救出され、泣きながらクライヴに怒っていた。猛勇を女王マリアナからも頼りにされている。沢での戦いでクライヴが傷を負ったことを気にしており、父から言われたのを良い機会としてダフリーク温泉へ行くことを提案。一緒に温泉に浸かっている際、クライヴの戦いぶりをカッコ良かったと素直な思いを口にした。


ローラン・ハワード

あまり細かいことは気にしない猛将。ロベルティ王国の将軍。トラヴィスの弟であり、息子にはノーマン、姪にはセシリアがいる。王国滅亡時点で32歳。身長は176㎝、体重は68㎏。バサバサした緑の髪をポニーテール状にまとめており、髭は丁寧に剃っているため、清潔感のある印象を受ける。使用する紋章は風魔紋。趣味は天体観測であり、休日の夜には屋敷の屋根に上って星空を眺めている。サバサバとしており、あまり細かいことは気にしない偉丈夫。トラヴィスからはシドロフ王国方面の守りを任されている。


ノーマン・ハワード

義理を重んじる若武者。ロベルティ王国の将軍。ローランの息子であり、叔父はトラヴィス、従姉にはセシリアがいる。王国滅亡時点で16歳。身長は174㎝、体重は67㎏。父と同じくバサバサした緑色の髪をポニーテール状にまとめているが、ポニーの部分が父よりも短い。使用する紋章は風魔紋。趣味は騎乗であり、休日には馬に乗って王都近郊を駆けまわっている。義理を重んじる性格。叔父のトラヴィスからはプリスコット王国方面の守りを任されている。


セルジュ・ルグラン

スイーツ大好きな頼れる宰相。長年王の片腕としてロベルティ王国の国営を担ってきた。アリソンの夫であり、ジェフリーとアマリアの父。また、ドミニクの親友でもある。王国滅亡時点で44歳。身長は154cm、体重は63㎏。ポッコリお腹が目立ち、全体的に体のパーツが丸い。髪色は金髪で、うなじの辺りでまとめている中年男性。趣味はスイーツづくりであり、休日には宮廷料理人たちと共に料理の試作をしている。謙虚であり、日々の学修を怠らないマジメな性格。甘いものに目がない。剣術に励むアマリアを温かい目で見守り、反対する一族の者たちを抑えていた。貴族としての人脈は広く、信望も厚いだけでなく、大局を見ての話ができる人物。アマリアを溺愛しているといっても過言ではない。ドミニク、トラヴィスと共に『ロベルティ王国の三傑』と謳われる。ナターシャのことをドミニク以上の英傑だと感じている。

王城陥落時には、玉座の間からマリアナを連れて一族郎党ともども脱出。ナターシャから反乱計画を打ち明けられた時には、協力する旨を示した。ナターシャが王城を奪取した後に、王城へと招かれた。その際には隠居したいという願望や、潜伏中はお菓子作りに興じていたことなどをナターシャに語った。王国再興後は再び宰相の役職に就き、国王の相談役となる。ナターシャが帝国軍に突撃することを聞き、ジェフリーに止めに向かわせた。マリアナからのアイコンタクトのみで西側の守りを維持するという指示をくみ取った。アマリアを帝都フランユレールへ行かせることを渋っていたが、ナターシャとならば安全だと判断し、同行を許可した。


アリソン・ルグラン

気位の高い国王の妹。セルジュの妻であり、ジェフリーとアマリアの母親。王国滅亡時点で40歳。身長は160cm、体重は46㎏。スリーサイズは78/59/80。兄と同じ紫色の髪は腰に届くほどの長さ、手足は長くスラリとしている。趣味はお茶会を開くことであり、休日にはお茶会を開き、友人たちを招いて話をすることがほとんど。気位が高く、身分が低い者を見下すような性格であるため、嫌う者も多い。

ナターシャたちが港町に来ている時、息子ジェフリーと共に海沿いの屋敷に行っていた。セルジュが言うには、海沿いの屋敷では共に逃げてきた貴族の夫人や令嬢たちと共にお茶会でもしているだろうとのこと。ナターシャが王城を奪取した後に、王城へと招かれた。


ジェフリー・ルグラン

名門の出を鼻にかける青年貴族。父の元で内政に携わっていた。セルジュとアリソンの息子であり、アマリアの兄にあたる。王国滅亡時点で24歳。身長は168cm、体重は62㎏。母親譲りの紫色の髪を父と同じくうなじ辺りで1つ結びにしてまとめている。自らの家柄を誇りに思っており、王族以外と自分の親類縁者を軽蔑視している。そんな傲慢で他人を見下す性格もあり、ナターシャやクライヴなど数多くの人間から苦手意識を持たれている。趣味はワインを飲むことであり、休日は自室で1人、ワインを飲みながら自身が集めた美術品を眺めている。

ナターシャたちが港町に来ている時、母アリソンと共に海沿いの屋敷に行っていた。ナターシャが王城を奪取した後に、王城へと招かれた。玉座の間にクレアが許可なく入ったことに怒りの感情を露わにしていた。セルジュから言われ、ナターシャを止めるべく西門に向かったが間に合わなかった。ポール率いる帝国軍の撃退後、フロイドと共に領内の視察に向かっていた。ナターシャがマリアナに代わってミハイルと話しているのを冷ややかな目で見ていた。


アマリア・ルグラン

ナターシャを敬愛する女剣士。ロベルティ王国の将軍であり、セルジュとアリソンの娘。兄にはジェフリー。王国滅亡時点で16歳。身長は160cm、体重は46㎏。スリーサイズは83/59/85。父親譲りの金髪を戦うのに邪魔にならないよう、肩にかかるくらいで切り揃えている少女。使用する紋章は炎魔紋。趣味は森で狩りをすることであり、休日は一日中森で狩りに興じている。竹を割ったようなサッパリとした性格。ナターシャのことを敬愛している。扱う武器は剣であり、ナターシャからも『王国随一の剣士は私だが、次席はアマリアである』と言わしめるほどの腕前。剣の腕を磨き始めたのは、ナターシャがキッカケ。剣術に励むことを唯一応援してくれた父セルジュに恩を感じている。ドミニクを射殺したユリアをよく思っておらず、露骨な敵意を示している。

港町に向かう途中でナターシャたちを襲撃し、クライヴとクレアの2人と戦い、勝利。しかし、その直後のナターシャとの勝負には場数と経験の差もあり、勝つことができなかった。彼女の家であるルグラン家は名家であり、代々ロベルティ王国の宰相を務めてきた高貴な家柄。ナターシャ率いる近衛兵への入隊を希望し、模擬戦での結果をもって、マリアの偽名で加入した。加入するにあたり、マリアは近くの農村からやって来た平民であると身分を偽り、紋章の力も使わないことなどの条件を付けられた。シムナリア丘陵地帯からの撤退の際は、真っ先に部隊を率いて撤退した。ナターシャから頼まれ、沢での戦いではアナベルと交戦し、紋章の力を使うアナベルを紋章を使わずに撃破した。帝国軍が王都テルクスを包囲し始めたことをナターシャに伝え、ナターシャが打って出ると言った時には目を輝かせていた。ポールが討たれて逃げ始めた帝国軍を追撃することをクレアと共に主張。ナターシャの帝都フランユレール行きではクレアと共に同行することとなった。



【ヴォードクラヌ王国】

シャルル・ヴォードクラヌ

北方の若き名君。ヴォードクラヌ王国の国王。シムナリア丘陵地帯での戦いで、ルドルフと壮絶な一騎打ちの果てに戦死。享年36。身長は180㎝、体重は71㎏。アホ毛のある金髪で碧眼のイケメン。所有している紋章は地魔紋。趣味は酒を飲むことであり、休日の日中は家族と遊び、夜には酒をたしなんでいる。家臣や民衆には気さくで慕われているが、敵には好戦的な性格。3年前にはルドルフの嫡男マティアスを討ち取っているほどの剣の達人。扱う剣術は一刀流。

シムナリア丘陵地帯での戦いでは自ら指揮を取るだけでなく、皇帝ルドルフのいる本陣へ死をも恐れぬ猛攻を仕掛け、その際には帝国軍の将軍を討ち取っている。しかし、その後ルドルフとの一騎打ちに敗れ、戦死した。


ルイス・ヴォードクラヌ

怠け者な天才王子。ヴォードクラヌ王シャルルの嫡男であり、ヴォードクラヌ王国の第一王子。ヴォードクラヌ王国滅亡後は帝国領ヴォードクラヌ領主となった。ロベルティ王国滅亡時点で18歳。身長は174㎝、体重は67㎏。金髪碧眼の美青年であり、垂れ目が特徴。所有している紋章は地魔紋。趣味は領内の視察であり、休日でも一日中領内を巡察している。基本的には怠け者だが、やる時はやる男。怠け者な半面、天才肌で政治や軍略面で多才。

今までにも不正貴族を宴に招いて一度に何十人も殺しており、ユリアの父親もその時に粛清されている。シムナリア丘陵地帯での戦いには赴かず、王都レシテラに残されていた。帝国軍が迫ってくることを知るなり、帝国に投降。エルンストが逃れてきた時には、非情にも矢の雨で追い返した。


エルンスト・ヴォードクラヌ

努力家なヴォードクラヌ王国の第二王子。ヴォードクラヌ王シャルルの次男。最後まで帝国軍に抵抗し、死亡。享年16。身長は165㎝、体重は60㎏。金髪碧眼の美青年で、中性的な印象を受ける。所有している紋章は地魔紋。趣味は剣の修行であり、休日には父シャルルに剣術の稽古をつけてもらっている。性格としては努力家だが、周りが見えなくなることもしばしば。剣術の修行に熱心でカリスマ性があるため、エルンストを次の国王に推す貴族が多い。

シムナリア丘陵地帯での戦いにも父と共に参加するも、敗色が濃厚となった時点でわずかな供回りを連れて戦場を離脱。シムナリア丘陵地帯から離脱後、王都レシテラへ逃れるが、ルイスからは王都レシテラに入ることを許されなかった。その後は手勢を率いて古城レアキネへと逃れ、帝国軍15万相手に籠城戦を挑むが敗れ、死亡した。


ホルヘ・ヒメネス

ロベルティ王国を滅ぼした張本人で、ヴォードクラヌ王国の将軍。ロベルティ王国滅亡後はヒメネス領の領主。シムナリア丘陵地帯での戦いで戦死。享年42。身長は154cm、体重は72㎏。肥満体型で、髪の色は茶色。ぼさぼさした茶髪からは怠惰な印象を受ける。趣味は昼寝であり、休日は椅子に座りながら昼寝をしているほど。目下には偉そうな態度で接し、目上にはこびへつらうような最低の男。

キバリス渓谷の戦い、キバリス平原の戦いでロベルティ王国軍を破り、王城にまで攻め込んだ。国王パヴェル、王妃イレーネ、王子カルメロの処刑後、ナターシャたちを配下に加えた。その時の応対にはナターシャたちへの軽蔑がありありと出ており、屈辱的な言葉を浴びせていた。腹心を斬り殺したシャノンを王宮の一室に押し込めたりもした。ヒメネス領内でのロベルティ王国軍残党の平定をナターシャに命じ、無事に反乱を平定したナターシャの功を称賛し、主に軍政において頼りにするようになる。本国へ援軍に向かうため、南の3国との交渉をナターシャに任せた。本国からの要請を受けて、自ら総大将を務める2万1千の大軍を率いてシムナリア丘陵地帯へと出陣。ナターシャの奇襲策には難色を示していたが、最終的には許可を出した。シムナリア丘陵地帯での帝国軍との戦いでは鶴翼の陣の左翼の指揮を担い、カルロッタ隊と交戦した。しかし、途中で側面からなだれ込んできたヴィクター隊によって総崩れとなる。逃げ出す兵士たちを叱咤するもどうにもならず、最後はヴィクターに一撃で斬り殺された。


コリン・ヒメネス

小賢しいことを嫌う戦闘狂。ヴォードクラヌ王国の将軍であり、ホルヘの養子。王国滅亡時点で18歳。身長は166cm、体重は61㎏。細身で華奢な体型をしており、髪と瞳の色は茶色。趣味は狩りであり、休日には山などで狩りに興じている。ちまちましたことを嫌い、争いを好む性格である。

ナターシャがヒメネス領内で影響力を持ちつつあることに危機感を覚え、ホルヘにそのことを訴えたが、疎まれてしまい本国へ送り返された。クライヴから反乱計画を実行する上でもっとも厄介な相手だと見られていた。


ユリア・フィロワ

寡黙な弓の名手。ヴォードクラヌ王国の将軍。王国滅亡時点で18歳。身長は162㎝、体重は48㎏。スリーサイズは79/60/81。腰に届くほどに長い金髪をうなじでまとめており、瞳は翠色。体格は華奢である。趣味は琴を演奏することであり、休日には琴を演奏したり、弓の手入れをしている。口数が少なく、寡黙な性格。キバリス渓谷にてドミニクを射殺した張本人であり、そのことからクライヴ、クレア、アマリアからはよく思われておらず、露骨に敵意を向けられている。

先鋒として、ホルヘのシムナリア丘陵地帯への出陣に随行した。ロベルティ王国への侵攻時には、ヴォードクラヌ王国軍の副将を務めていた。その弓の腕前はナターシャからも認められるほど。シムナリア丘陵地帯での戦いでは、ホルヘに従ってカルロッタ隊と交戦した。シムナリア丘陵地帯での戦いでホルヘが討ち死にしたのを見て、6百の敗残兵を率いて王都テルクスへと逃れた。戦況などをナターシャとクライヴに報告した。父をルイスにより粛清されたことで家の格が下がり、ホルヘの下に付けられた過去がある。名声の回復のために手柄を上げる必要があり、その矢先にドミニクを射殺した。ナターシャに才能を惜しまれ、西門の守備を任せてもらえるようになった。それを恩に感じているが、帝都フランユレールへ行くナターシャに同行できないことを残念がっていた。


フロイド・ウォード

仕事に真面目な愛妻家。ヴォードクラヌ王国の文官。王国滅亡時点で20歳。身長は170㎝、体重は64㎏。切り揃えた灰色の髪に、水色の瞳が特徴の青年。仕事中にはメガネをかけることもある。趣味は妻とその日あった事を話すことであり、休日には妻とまったり一日を過ごしている。職務に忠実な性分であり、愛妻家でもある。

ホルヘがシムナリア丘陵地帯へと出陣している間、城の留守を預かる役目を与えられた。城代の役目はナターシャが帰還すると同時に、ナターシャへと譲った。ナターシャから反乱を起こすことを聞かされた際、そのままロベルティ王国に仕えることを願い出た。ヴォードクラヌ王国に未練はなく、なにかと難癖をつけてくるホルヘは嫌いだった。ロベルティ王国再興後は租税や司法といった内政面での仕事を担っている。ポール率いる帝国軍の撃退後、ジェフリーと共に領内の視察に向かった。


ブレント・メニコーニ

国王からの信頼も厚い名将軍。ヴォードクラヌ王国の将軍であり、国王シャルルの乳兄弟。シムナリア丘陵地帯の戦いでスティーブと一騎打ちを繰り広げ、討ち取られた。享年43。身長は176㎝、体重は68㎏。空色の髪を七三分けにしており、筋肉質な体格。所有している紋章は水魔紋。趣味はおいしい料理を食べることであり、休日には王都レシテラの料理屋めぐりをしている。朴念仁な性格であり、結婚するまでに時間がかかった。父親や娘との関係は良好。

シムナリア丘陵地帯での帝国軍との戦いでは鶴翼の陣の右翼の指揮を担った。シャルルと共に戦場を駆け抜け、シャルルからの信頼も厚いヴォードクラヌ王国きっての名将軍。


【シドロフ王国】

ビクトル・シドロフ

性欲と権力欲にまみれた一国の王。シドロフ王国の現国王。ロベルティ王国滅亡時点で40歳。身長は164cm、体重は69㎏。髪は白髪交じりで、髭を生やした風貌と恰幅の良い巨体の持ち主。趣味は女遊びであり、休日かどうかは関係なく、宮廷仕えの女性と朝から晩まで遊んでばかりいる。勝てる相手にしか戦意を示さず、性欲と権力欲にまみれた下劣な性格。

フォーセット王国、プリスコット王国と同盟を結んだのは表向きはロベルティ王国に対抗するためとし、裏では北へ領土拡大を目論んでいるためである。ヴォードクラヌ王国が攻めてくるかもしれないという恐れと、豪雨による農作物の不作が重なったことで期限付きの停戦に同意した。


【フォーセット王国】

クリスティーヌ・フォーセット

美しく色気のある女王。フォーセット王国の現国王。ロベルティ王国滅亡時点で28歳。身長は168㎝、52㎏。スリーサイズは87/62/89。亜麻色の髪を臀部まで伸ばしており、胸が動くたびに揺れるほど大きい巨乳美女。趣味はイケメンを眺めることであり、休日であろうとなかろうと侍らせたイケメンを眺めて楽しんでいる。面食いであり、イケメンを見ると興奮してしまう性分である。

シドロフ王国、プリスコット王国と同盟を結んだのは表向きはロベルティ王国に対抗するためとし、裏では北へ領土拡大を目論んでいるためである。ヴォードクラヌ王国が攻めてくるかもしれないという恐れと、豪雨による農作物の不作が重なったことで期限付きの停戦に同意した。


【プリスコット王国】

ラッセル・プリスコット

策謀を好む若き国王。プリスコット王国の現国王。マリナの兄。ロベルティ王国滅亡時点で27歳。身長は162㎝、58㎏。深緋色の髪と翡翠色の瞳を持つ青年。趣味はボードゲームであり、休日には側近たちとボードゲーム大会を開催している。知性的で判断が早く、策を弄することを好む。

シドロフ王国、フォーセット王国と同盟を結んだのは表向きはロベルティ王国に対抗するためとし、裏では北へ領土拡大を目論んでいるためである。ヴォードクラヌ王国が攻めてくるかもしれないという恐れと、豪雨による農作物の不作が重なったことで期限付きの停戦に同意した。


【フレーベル帝国】

ルドルフ・フレーベル

老いてなお強敵との戦いに飢える皇帝。フレーベル帝国初代皇帝。ロベルティ王国滅王時点で63歳。身長は171㎝、体重は64㎏。白みがかった茶髪をした老人だが、年不相応な覇気を放っている。趣味は剣術の稽古であり、休日には山にこもって剣の修行をしている。豪快な性格で、強者に目がない。その性格上、強者を見ると手合わせしたくなってしまう戦闘狂。自らも剣の達人であり、優れた剣の腕で戦場を50年近く往来し、数多の猛将を討ち取って来た。扱う剣術は二刀流である。戦場では自らの勘に従って動く。

シムナリア丘陵地帯でのヴォードクラヌ王国軍との戦いでは中央に布陣し、自ら指揮を執った。自らが前進しようとした際に攻撃を仕掛けてきたヴォードクラヌ王国国王シャルルと一騎打ちをし、討ち取る大戦果を挙げた。ヴォードクラヌ王シャルルは息子を殺した仇というよりも、『1人の剣士として是非とも手合わせしたい相手』として認識している。前線に出たがる根底にある考えは『総大将が引っ込んでいては勝てる戦も勝てない』である。


マティアス・フレーベル

今は亡き帝国の皇太子。フレーベル帝国皇太子。ルドルフの嫡男であり、将来帝国を率いていくと嘱目されていた。父に劣らぬ才覚があったこともあり、帝国内での支持率も高かったが、3年前にシャルルとの一騎打ちに敗れ、斬り殺された。享年39。身長は176㎝、体重は68㎏。茶色の髪を真ん中分けにし、引き締まった体つきをしている。所有している紋章は光魔紋。趣味は読書であり、紅茶を飲みながら詩文を読んでいることがほとんど。穏やかな性格で、頭の回転が速く頼りになる。



ヴィクター・エリオット

自他ともに認める帝国最強の将軍。フレーベル帝国の将軍であり、帝国三将の1人。ロベルティ王国滅亡時点で26歳。身長は195㎝、体重は84㎏。高身長で体格も良い茶髪の大男。所有している紋章は重魔紋。趣味は歴史書を読むことであり、休日には帝国の図書館にこもって、歴史書を読み漁っている。寡黙な性格であり、強者には敵味方問わず敬意を払う。大樹のように動じない心をベースに、圧倒的な戦闘技術で敵の攻撃を防いでしまう。

騎兵3千を率いて、自らが先頭に立ちシムナリア丘陵地帯へ出てきたナターシャたちの追撃を行なった。アナベルからの進言を受け、人馬を休めるべく、沢で休息を取らせた。持ち前の怪力を活かした戦法で挑んできたセシリアを苦も無く退けてしまった。クライヴの邪魔が入ったことで、セシリアにトドメをさし損ねた。ナターシャとの一騎打ちでは互角の戦いを演じたが、クライヴの邪魔が入り、取り逃がした。シムナリア丘陵地帯での戦いでは、側面から攻撃を仕掛け、勝利に貢献。戦いの最中で、ホルヘを討ち取っている。3万の大軍でロベルティ王国へ侵攻する途中、使者としてやって来たクライヴと話をした。放たれる気迫は並み大抵ではなく、それでもクライヴが堂々とした態度であることに感心していた。従属願いについては、一度持ち帰るということで話をつけ、軍勢をすべて撤退させた。


スティーブ・エリオット

ヴィクターに次ぐ帝国の猛者。ヴィクターの血の繋がった弟。ヴィクター、カルロッタと同じく帝国三将に数えられるフレーベル帝国の将軍。ロベルティ王国滅亡時点で22歳。身長は198㎝、体重は86㎏。高身長で体格も良い坊主頭の大男。所有している紋章は爆魔紋。趣味は筋トレ。休日には自分の肉体を磨き上げるためにひたすら筋力トレーニング。正々堂々を好む武人で、部下たちの面倒見も良いため、上からも下からも信頼されている。戦場では基本的に力押しするタイプ。

シムナリア丘陵地帯でのヴォードクラヌ王国軍との戦いでは魚鱗の陣の左備えを担った。戦端を真っ先に開き、ブレント率いる部隊と交戦した。その際には、先頭を切って敵陣に突っ込んでいき、ブレントを討ち取った。


カルロッタ・ダルトワ

帝国でも名の知れた槍の名手。フレーベル帝国の将軍であり、ヴィクターやスティーブと同じく帝国三将に数えられる。ロベルティ王国滅亡時点で26歳。身長は169㎝、体重は53㎏。スリーサイズは88/63/90。腰まで届くほどの紫色の髪を持つ、長身の女性。所有している紋章は鋼魔紋。趣味は子どもと遊ぶことであり、休日には家で子供と遊んでいることが多い。明るく面倒見が良い性格であるだけでなく、肝が据わっている。槍の名手として知られる一方、戦上手としても知られ、近隣諸国から恐れられている。

シムナリア丘陵地帯でのヴォードクラヌ王国軍との戦いでは魚鱗の陣の右備えを担った。シムナリア丘陵地帯での戦いでは、ホルヘ率いる部隊と交戦。ヴィクター率いる部隊が側面から突入したのに便乗し、一気に攻め破った。


アナベル・バレード

美人で生真面目な女剣士。ヴィクター麾下の将軍。ロベルティ王国滅亡時点で18歳。身長は162㎝、体重は48㎏。スリーサイズは84/60/86。蒼い髪をポニーテールにしており、華奢な体型をした美人。所有している紋章は水魔紋。趣味はスイーツを食べることであり、休日には帝都のスイーツ店めぐりをしている。生真面目な性格で、武人としてヴィクターを尊敬している。左手には丸盾、右手には直長剣を装備しており、盾を用いた上での剣術を得意としている。

ヴィクターと共にナターシャたちの追撃にあたり、その最中にナターシャと一騎打ちを行なうも、紋章の力を使っても勝つことはできなかった。さらには、その時にナターシャと斬り合った中で、唯一の生還者でもある。水魔紋を発動させると、剣に水流を纏わせる。ナターシャと戦う中で、自分の全力が遠く及ばないことに愕然としたが、これほどの猛者がいることに世の広さを感じていた。人馬が疲れていることから、沢で休息を取ることをヴィクターに提案した。沢での戦いでは紋章の力を使ったにもかかわらず、アマリアに力及ばず敗北してしまう。


ミハイル・オルロフ

人に取り入るのに長けた切れ者。ヴィクター麾下の将軍であり、参謀としてヴィクターに従っている。ロベルティ王国滅亡時点で27歳。身長は171㎝、体重は64㎏。赤い髪が映える青年で、体型だけ見れば華奢で剣や槍を振るうようには見えない。趣味はガーデニングであり、休日には屋敷の庭園の手入れをしている。人に取り入るのに長けた二枚舌である。

2万の歩兵を率いてヴィクターたちの後に続いた。ヴィクターからは皇帝に敵の追撃にあたることを伝えるように命じられた。ヴィクターの陣幕の外ではクライヴに話しかけた。皇帝ルドルフからロベルティ王国へ使者として派遣され、従属願いが条件付きで受け入れられたことを伝えた。


ポール・フレッチャー

口が悪い自信家。スティーブ麾下の将軍。ロベルティ王国滅亡時点で24歳。身長は184㎝、74㎏。青髪が特徴の青年。所有している紋章は雷魔紋。趣味は芸術品としての刀剣の収集であり、休日には美術館の刀剣コーナーで刀剣を眺めていることが多い。口が悪く、自信の剣の腕に絶対の自信がある。その自信のある姿から、部下からも信頼されている。帝都で行なわれた帝国主催の剣術大会で3連覇を成し遂げ、それがスティーブの目に留まり、将軍となった。

スティーブからの命令を受けて、帝国軍8千を率いてロベルティ王国に攻め込んだ。陣頭でナターシャと皮肉を言いあった後、一騎打ちに及んだ。しかし、一騎打ちは一瞬で決着がつき、紋章の力を発動した瞬間には首が地面に落ち、絶命。

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