神様編 #01 deus ex machina

 わたしまえは⋯⋯わすれてしまった。まぁいい。どうせたいしたたないごうにすぎないのだから。

 そもそも、何故なぜこのかいではじゅつ使つかえるか、かんがえたことがあるだろうか? そこのあなただ。いまあなたにうている。げんじつかいから、こちらをているんだろう?

 人々ひとびとじゅつだとおもんでいるものは、じっさいにはそんざいしない。――いや、こちらのかいにはじつざいするとってもごんではないが、それはきょこうである。このかいはあなたがおもうよりしつだ。こうせいようふたつ――“”と“ゆう”。

 りったいへいめんじょうそうぞうするほうほうは、いくつかある。あるてんからつめたかたちしゃえいする、てんかいえがく、だんめんならべる――どんなつくかたをするにしても、やはりけっかんまれてしまう。それがなんてんだったのだ。

 にんげんは、ことはなす。なみだながす。それらのこんぽんじょうほうである。かんじょうこうどうのうし、のうじょうほうしているのだ。ようは、かいなどくてもじょうほうさえあれば、にんしきのうなのである。

  さて――ここまではなせばもうわかったとおもう。ここはコンピュータじょうせっけいされたそうかいである。

 あなたのかいでできないことも、こちらのかいのうなのだ。プログラムしたわたしゆう。そうなれば、そこにこうちくされるのはてきかんぜんしゃかいである。しかし、そんなことはべつのぞんでいなかった。

 わたしのぞんでいたことは、かみんだかいである。

 めいかくに“かみんだ”とえるかいで、人々ひとびとかみしんじるのか。げんだいよりなんまえかんぜんしゃかいたいに、にんげんけいけんさはようであるかを、このてみたかったのだ。

 そのために、じゅつひつようけつだった。がくはってんしてしまえば、ひとかみたいしてのこころうしないやすくなる。がくてきようは、がくはってんおくらせるあしかせとなった。どうように、いんせきおおきなやくわりたした。コンピュータじょうそうかいというせいしつじょうがいかいとのしゃだんかんそくかんたんしゅくけいかくてきぶんめいこうちくひっだった。

 あかの18げん――ぶんめいこうちく徐々じょじょかたちになりつつあるだいに、かみたんじょうさせた。きょからひるけた。そうせいしゅけんげんぞんぶんかし、しんこうあたいするぎょうすうげた。そして、んだ。

 しかし人々ひとびとは、んだひるなおしんこうつづけた。かべそとがわというかいきょういだいたのだ。わたしがこのかいかんしょうしたのはかいつくったときひるぞんめいだけだったが、それから200ねんったいまでも、ひるかみとしてあがめられている。どうやら、かれらにとってそれがきているかんでいるかはどうでもいいらしい。


 これが、このかいしんじつである。

 このすべてプログラムなのだ。

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