世界編 #12 DAWN

 そのすべてのどろにんぎょうていさせたぞまりれきがくしゃもとあしはこぶことをめた。いんせきらっぜんめいかくしるしたせいしきしょもついっさいそんざいせず、そのしきちょうであるからだ。

「まだななくてもいいかな、なんておもってるぶんがいるんだ。」

 ぞまりつぶやくようにくちにする。

きみなら、わたしを――ぞまりを、ころせるだろう?」

 しょうじょうなずくのをて、ぞまりとおくをる。

じんみなった。ぶんにできることをやってからでもおそくはないだろう。そしてできるならこのかいそんざいゆるされたいと、そうかんがえた。へいぼんかもしれないが、これがこたえだ。」

「――まぁ、わたしくちしできることではありませんから。」

 28はんまちひかりは、だれてもうつくしいしきだった。

きゅうだいきみはこれからどうする?」

「んー⋯⋯D-cpx55(+)として、つうきていくでしょうね。かがりいでること、かれにはおしえてもいいかもしれませんけど。」

「そうか。」

 ふぅ、といきぞまりのそのかおは、どこか清々すがすがしいものをかんじさせた。

「――わたしは――はんせいはしてないが、こうかいはしている。しゃざいはしないが、かんしゃはしている。なんだろうな⋯⋯とにかくぶんだよ。」

からないでもないですよ。」

かいがこうなったのは、べつだれわるいでもないからな。」

「⋯⋯わたしはなしを、ぜんしんじていいんですか?」

なんちからもないろううそんでも、なんにもならんだろう。それに、しんずるにあたいするはなしばかりだった。のうとおもえばいつでもねるが、いまいましかきられない。いっぷんいちびょうれきをものがさないつもりでいるさ。」

 いたいきしろい。もうあきなかばである。

「だから、じゅうだいまれたらまたはなししてくれ。少年かれとも、すこしばかりはなしがしたい。」

かれとはそんなかんけいじゃないですよ。」

 わらいながらしょうじょは、どこかくもっていた。

「それはしっけいした。」

 しばらくのちんもくつづいたのち、ぞまりがまたくちひらく。

かれわたしのところにれてきたのは何故なぜいても?」

「あぁ⋯⋯かれには、ほんとうすべてをってほしかったんです。だからそとかいせるつもりでいた。――でも、どうもゆうなくて。」

 くらかわいたわらいをしょうじょ。ガスマスクをはずしたこえは、しずけさであふれたよるによくひびく。

ゆうじゅうだんなさけないです。もしわたしかがりだったら、ちがいなくこんにち、このしょひとはいません。」

「そうくつになれるのも、きてるうちだよ。それに――」

 ぞまりひだりると、そらわずかにしらんでいたのがえた。

こくはくなんていつだってできる。るなりそれをくちにするより、ほどそうめいだ。」

「――そうめい――ですか。そうだといいんですがね――」

 しょうじょも、はいく。

「そろそろかえらないと、かれしんぱいされてしまいますね。」

「そうか。」

 いんせきへきふちから、おもむろたいようかおした。

「それじゃあ――“またまで”。」


 しょうねんことてんまつくことになるまで、あとろくねんつきゆうする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る