世界編 #08 不明瞭な反撃開始の合図

 にぶごうおんともつちけむりひろがるこうれきちゅうう。

ぼうぎょようじゅじゅつとかいのか!」

 坩堝るつぼけんさきスコップでんでくるれきをたたきとしながら叫ぶ。

使つかってこのなんですよ! あのひとじゅつけたちがいなんです!」

ぞまり能力ちからって、どろにんぎょうだけじゃないのかよ!?」

 とうかいにんげんさんしゅけられた。

 だいいちに、しゅようじゅう使つかうことができるにんげん。これはきわめてしょうで、そのさいっているだけであがめられるほどである。

 だいに、じゅついっさい使つかえないにんげん。こちらもしょうすうそんざいする。かれらにとって、じゅつ使つかえないというディスアドバンテージはおおきい。

 だいさんに、いちぶんじゅつのみ使つかえるにんげん。これがだいぶんめるのだが、じゅつはんようせいさいだいひとによっておおきくことなる。くんれんむことでじゅつそのものをおうようはってんさせることもできるのだ。

「しかしあれは、あきらかにおうよういきえています⋯⋯」

ぞまりのうりょくしゃってことはないのか?」

「それもかんがえられなくはないのですが⋯⋯」

 坩堝るつぼれきはじきんぞくおんひびく。

かがりはどうした?」

かがりさんはいまぞまりさんをせっとくしようとしてます。」

せっとく? あのすなあらしなかにいるのか!」

 十六夜いざよいごんうなずく。

「いくらかがりとはいえ、あのなかいっぽうてきこうげきけるとなると⋯⋯さすがにしんぱいになる。」

「このままシェルターまでこう退たいして、やしなさんとすいさんをぶのがいちばんなんですが――」

「それでくしかなさそうだ。」

「そうですね⋯⋯シェルターまで、たいりょくちます?」

にするなよ。」

 せっちょうじゅうめんたいのバリアーをまとった十六夜いざよい坩堝るつぼは、シェルターまであと退ずさりした。

やしなすい!」

 シェルターにみ、ことしょうさいはな二人ふたり。それにわせて、すいやしなかおくもる。

「それは⋯⋯いちだいだな。」

「そうなんだよ。だから、やしなすいてもらいたい。」

「しかし、シェルターのなんみんはどうするのです。わたしやしながシェルターをにんせいすれば、ここをべるものは⋯⋯。」

わたしのこりますよ。」

 げたのは十六夜いざよいだった。

さきほどけたこうげきで、かなりたいりょくけずられてしまいました。じゅつによるこうげきえんすいさんにいちにんしたいんです。」

「そうか⋯⋯かった。」

 まかせたとでもわんばかりに、十六夜いざよいやしなかたをのせた。

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