世界編 #07 奇々怪々

ゆきるかもしれないね。」

 せいりゅうのようなこえが、かべはんしゃする。

 303ごうしつかがみうつしたようなり――302ごうしつである。そこに、つくえはさかい二人ふたり

なんぼくがここにいるんです?」

 しょうねんごこわるそうにう。だがかれむねにあったのは、かいかんではなくきんちょうである。

「ちょっとおとくはなしがあってね――」

 かおしかめるしょうねんつうこのどうにゅうかいすすめると、30ぷんないつくえうえかれるのはさくしゃめいつぼていさんつくられたせいめいけんのパンフレット、あるいはこうふくせるじゅうのネックレスである。かのじょくすりゆびにつけているゆびさえ、しょうねんにはあやしくえてしまいそうだった。

「おづかいあげるからさ、おねえさんのつだいしない?」

「えっ、いやですよ、なんこわいですし⋯⋯」

こわくないよ! ここはどうか、わたしたすけるとおもってさ。」

「⋯⋯いちおうきますよ、なにするんですか?」

 しょうじょってましたとわんばかりにしてう。

「つちのこさがし。」

「ツチノコ⋯⋯ですか?」

「そう、つちのこ。」

 ぜんとするしょうねん

「ツチノコって⋯⋯あんなのほんとうにいるとおもってるんですか?」

しょうねんってるんだ。なかなかはくしきだねぇ。」

なんでまた、ツチノコなんかさがしてるんですか。だいがくせいってそんなにひまなんですか?」

「ああっ、にしたな! いまわたしのことにしたでしょ!」

 しょうじょはふいとそっぽをく。

「またそうやってねる⋯⋯わかりましたよ、さがすのつだうのでげんなおしてくださいって。」

 おおきくいきいてがり、だいどころかうしょうじょ

 おこらせてしまったかな、とこうかいするしょうねんもとに、オレンジジュースのコップがかれる。しょうねんしょうねんほうると、

「いや、れてきておいてものしてなかったから。」

「あぁ⋯⋯ありがとうございます。」

 こくん、とおとててしょうねんのどつうするジュース。

「でも、さがせとわれても⋯⋯あてなんてあるんですか?」

いちおうね。きた聞谷ききがやいんせきへきのすぐちかくのもり。」

 聞谷ききがやいんせきへきというのは、ほうらくけんせいがあるため、もっとかいはつ調ちょうおくれているがけである。

あぶないですよ、くずれたらどうするんですか。」

ぎゃくよ。かべくずさせないために、つちのこをさがすの。」

「どういうことです?」

「んー⋯⋯」

 ひとゆびあごさきててすうびょうかんがしょうじょ

「まぁ、そのうちきみにもはなすよ。」

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