世界編 #06 諍い

「⋯⋯あぁ、十六夜いざよいか。どうした。」

 ツルハシをめんてるぞまりかたわらにはすうたいどろにんぎょうっていた。

ぞまりさん⋯⋯なにやってるんです?」

れきてっきょだよ。」

 そのことのち、しばらくのちんもくつづいた。

「⋯⋯わかった、おれけだ。おさっしのとおいんせきへきってたんだよ。」

なんでです? ほうらくするかもしれないじゃないですか。」

「それでもいい。これからじんるいきていくためにはひつようなことだ。これはただしいことなんだよ。」

ただしいこと⋯⋯?」

 十六夜いざよいはキリキリときしませる。

「そうだ。こんなせましょひときていけない。すいでんもここにはつくれない、だってえてもすぐにはそだたない。けたてつせんされたつち、ここにあるのはそれだけだ。すは2げつまえだいでもなんでもない、ぶんめいさいこうちくなんだよ。」

 そうってぎょうもどぞまり

「⋯⋯なにかってないから、そんなのんなことをってられるんですよ。」

「あ?」

 ぞまりむなぐらつか十六夜いざよい

「あなたはらないんですよ! このこうになにがあるのか!」

なにがあるってうんだよ! このままかべなかこもるよりはいいだろうが!」

 ぞまりりょうはらおうとすると、とつぜん十六夜いざよいちからける。

「このさきには⋯⋯このさきには、我々われわれぜつぼうってます。」

ぜつぼう? ⋯⋯あいにくだが、おれにはいまのこのじょうきょうほうぜつぼうだよ。」

 ぞまりぎょうさいかいしようとする。

なにをしている。」

 十六夜いざよいのものでもぞまりのものでもないこえはっせられた。二人ふたりかすかなこえけつけたかがりである。

「このかべを、こわそうというのか。」

「あぁ、そうだよ。」

「⋯⋯わるいが、めさせてもらう。」

 かがりくびつかまれると、すぐにそれをはらぞまり

「そういうわけにもいかないな。こちらもじつりょくこう使させてもらおう。」

 そのことはんのうし、さきほどまでれきてっきょこうおこなっていたどろにんぎょうたちがいっせいめ、かがりおそいかかる。

「――こまったな。どろにんぎょうとはいえ、わたしきとしけるものきずけたくはないんだ。」

 なみはずれたフットワークで次々つぎつぎどろにんぎょうこうげきかわかがり

「ほぉ⋯⋯なら、ほんでやってやろうか。せいは、もうあんたにはつとまらない。」

 ぞまりがツルハシをて、ひだりこぶしつよにぎる。

だいこうたいだ。」

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