世界編 #05 燦として少女めく

「あら、しょうねん。」

 しょうねんがドアをめたときせんじつおなじくくろしょうぞくにガスマスクのしょうじょこえをかけてきた。くらあめよるとはちがい、れたあさにはぎゃくってえる。

「あぁ、Dさん。」

一昨日おとといはありがとね。たすかったよ。」

 いえいえそんな、といながらドアにかぎをかけるしょうねんとうこうかんたいはやいので、かれにはかんてきゆうしょうあったのだ。

「これからがっこう? ついてっていい?」

 かれことうしなった。すうもんのううえったあとくちひらく。

「⋯⋯でも、こうこうとかだいじょうなんですか?」

「え? わたし今日きょうやすみだよ?」

 あぁそうなんですか、とったきり、しょうねんとぼしいコミュニケーションのうりょくではことわるのはきびしいとはんだんした。

 エントランスをとおぎるおとまちのアスファルトをおとじゅうひびく。

なにか、あったんですか?」

「ん?」

「いや、一昨日おとといとだいぶふんちがうので⋯⋯。」

 あぁ、とうようにしょうじょがポンとつ。

ずかしいはなしきみみたいなとははなしたことなかったんだよ。だからなにはなしていいか分からなくてね。それと――。」

 こうほうあるいていたしょうじょは、しょうねんかし、おうちでかれゆびす。

わたしこうこうはとっくにそつぎょうしてるから! げんえきじょだいせいなんだからね!」

「えっ、そうだったんですか、てっきりおなじくらいかと⋯⋯」

「ひっどい!」

 しょうじょほおふくらませ、ツカツカと一人ひとりえきほうあるいていく。

ってくださいよ⋯⋯」

 しょうねんはやあるきでついていく。

わたしがチビだから、そうやって莫迦にするんだ! そうなんだね!?」

「そうじゃないですって、その⋯⋯はだとかれいだし、せいふくとかまだいそうだったから、てっきりこうこうせいなのかと――。」

 くるしいぶんではあったが、じゅんすい乙女おとめこころたすにはじゅうぶんだった。

「ほんと!?」

「えぇ⋯⋯まぁ⋯⋯」

 しょうちょうしたとはいえ、しょうねんことうそはなかった。

「そんなことわれたら、おねえさんれちゃうなぁ!」

 しょうじょほそうでしょうねんくびにまわしつよきつく。

「わっ、ちょっと、はなしてくださいよ! ペンダントいたいですって!」

「あ、ごめんごめん。」

 しょうじょうでほどく。ひとあさからじゃれつくだんじょにちらりとるが、二人ふたりはそれにようもない。

「そのペンダント⋯⋯わったかたちですね、はじめてがします。」

そうかくすいはんちゅうっていうかたちなんだけど――デルタじゅうろくめんたいえばわかる?」

 しょうねんはどちらのまえみみにしたことはなかったが、とりあえずうなずく。

「これね、すごいのよ。ちょっとのぞんでみて?」

 ことどおりにあかすいしょうのぞむと、

「つかまえた!」

 ふたたきつかれるV。

 このあとすうかえされたどうようのやりりにより、かれは2ふんこくいられることとなった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る