世界編 #02 復興

なんひどい⋯⋯。」

 のシェルターからそとて、かがりさいしょにそうつぶやいた。

 かがりらのがんぜんひろがったこうけいは、2げつまえまでだいそんざいしていたしょとはおもえないほどにこうはんえぐられたクレーター。

「まるで、わたしたちがべつかいたかのようだ。」

「シェルターにはいまえいまでは、すくなからずちがかいですよ。」

 十六夜いざよいしたビルぐんわせる。

かいふくいのりか。」

「それもありますが、まずものたちのちんこんです。」

「そうか⋯⋯シェルターにはいらなかったものはみな⋯⋯。」

 かがりよこがっしょうする。

やしなゆうどくガスやほうしゃせんてないんだな?」

「あぁ、もんだいない。」

 そのへんあらためてあんしんしたかがりは、ガスマスクをはずす。

がいばくだいだが、ねんげつをかければ人間ひとはまたこのしょつくげる。200ねんもしないうちに、だ。」

 クレーターのなかには、シェルターにはいったにんげんがいすべてのせいぶつがいない。げんけいとはほどとおけいじょうかたまってしまったてっきんはこんでいるのは、ぞまり使えきするどろにんぎょうたちである。

ぞまりさんのどろにんぎょう流石さすがですね、いったいいったいぎわい。」

 じゅじゅつけている十六夜いざよいであったが、かれにさえぞまりゆうのうりょくしょうさんされるくらいのだった。

 十六夜いざよい坩堝るつぼやしなすい、そしてぞまりかれらはせいばれていた。がくじゅつこんざいするこのだいにおいて、かれらの能力ちからきょうだいで、ひとうごかしうるものだったのだ。

十六夜いざよいうほどじゃないさ。じっさいおれにできるのはこのていなんだから。それに、坩堝るつぼつだってくれてる。」

 むらさき坩堝るつぼは、どろにんぎょうともきんぞくかいはこんでいる。

「やはりせんせいばれるだけのことはあるな、すさまじいたいりょくだ。」

 しゅんびんうご坩堝るつぼにしたかがりかんしんする。

「しかし、のこったのは――ほんとうわずかですね⋯⋯」

 ちんこんいのりをえた十六夜いざよいは、シェルターのなかなんみんまわす。

我々われわれさいぜんくした、そのことでじゅうぶんだろう。うしなったいのちも、いまここにあるいのちつないでいかねばい。」

「まぁ、そうですけどね⋯⋯」

 かがり十六夜いざよいかおためいきをつく。

すい。」

「はい?」

ことたのむ。まえこうけいがどうあれ、我々われわれがシェルターからられたというじつわりはない。」

 すいは、とくごんめいしゅだった。そのうつくしいひとこころえてしまうような、そんなちからっていた。

 うつくしいこといろがシェルターのかべかえり、そとくうをもらした。

らしい⋯⋯!」

 えんそうしゅうりょうどうに、れんばかりのはくしゅすいけられた。

 みなぞくじんてんさいくしたものだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る