第四話 休日と襲来
美咲が義理の妹であると言われた翌日、今日は土曜日である。あのあと、心の整理に時間がかかり親と話す時間を作れなかった。夜にでも話をしないとな…
リビングに入ると、親は仕事でいないのか姿は見当たらない。休みがバラバラだから仕方ないかな…誰もいないため美咲は部屋にいるのだろう。珈琲でも飲もうかな…と思った時にチャイムが鳴った
「こんな時間に客なんて珍しいな」
時刻としては朝の9時。ちょっと早いかなと思われる。玄関に向かいドアを開ける
「はー_____ぐへ!?」
開けた瞬間、腹に衝撃が走った。何かが抱きついてきたのである。その正体は…
「と、冬夏…!?」
「ん。成分補給しに来た」
佐久間冬夏。友人だ。そして猫みたいな奴だ。こうやっていつもくっついて彰馬成分?とやらを補充しに来るのだ
「そ、そうか。こんな朝早くに来るとは思わなかったよ」
「ん。我慢できなかった。許してほしい」
そんな懇願するような目で言われると許すしかないんだよなぁ…まぁ、暫く構ってやれなかったから仕方ないのかな?
「んーまぁ、仕方ないな…ほら、中には入りな」
このまま外に居させるわけにもいかないだろう。俺は冬夏を家の中に案内する。その時冬夏は俺の背中にべったり引っ付いていた。可愛い奴め
「彰馬、最近構ってくれなかった。成分足りてない」
「ごめんごめん。ほら、彼女いただろ?一緒にいると勘違いされそうでさ…これからは構ってやれるから」
「ほんと?約束だからね?」
「おう」
冬夏は微笑んで背中から降りた。そのままソファに座る。そして隣をポンポンしてきた。大人しく隣に座ると肩に頭を置いてきた
「今日はやけに甘えん坊だな。そんなに足りてなかったのか?」
「うん。活動源が無かったからやる気起きなかった」
なるほどね。なら…甘やかすしかないのかなぁ…そんな事を思っているとリビングのドアが開き美咲が入ってきた
「おはようございます兄さん…あれ?冬夏さん来てたんですか?」
「あ、美咲だ。お邪魔してる〜」
美咲は挨拶をしたあとキッチンに入り珈琲を入れ、そのままこっちに来て、何故か俺の膝の上に座った
「……美咲?」
「兄さん。何も言わないでください。私も成分とやらを摂取してみるだけです」
な、なるほど…これは影響されたのかな?
「……なるほど。これは何となくですがわかります。摂取できてる気がします」
できてるの!?俺の体どうなってるの!?
「……よし、充分です。兄さん、私は出かけてきますのでお留守番をお願いしますね」
「ん。了解。気をつけてね」
美咲は立ち上がりリビングを出ていった。そう言えば行き先を聞いてなかったが…まぁ、そこまで把握する必要は無いだろうな。
「彰馬。部屋行こう?眠たくなってきた」
「冬夏は本当に自由だなぁ…わかったよ。行くか」
あれ?自然に部屋に入れることになったけど…大丈夫なのかな?色々と
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