第2話
【生を足掻く】
やりたくないけど、仕方がないから実行していることはないか? 聞かれて、生きていることと答えた私は何かズレていたのだろうか?
お仕事の習慣づけの話から派生して、例えば、面倒な家事や定期的な運動など、そういうことをイメージしていたらしいが、当時はまったく思いつかなかった。当たり前のように生存することだ、と回答してしまった私は、その場で別な意味で怒られたのだ。
その時の私は、多分、惰性で生きていた。生きていることを肯定できなかったから、生きていないことも肯定できなかった。
生きていること、と死んでいること。どちらでも構わないけど、生きている状態から死んでいる状態に移行するときに苦痛を伴うのが嫌で、多分今も生きている。
ピンピンころりとはよく言ったもので、理想的な状態変化だと思う。10年以上前から少しは進歩したらしく、生存し続けている自分を受け入れつつある。だから、いずれ来るその時には、より良く死を受け入れて、迎えたいと思う。そのために、今をどう生きようか足掻いている自分が、最近楽しくなってきているのだ。
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