第3話
城の外に出た途端、五感が目覚めた様な感覚に陥った。
風が頬を撫で、あらゆる物が混ざり合ったような匂いが鼻腔を擽る。
「臭っ!」
思わず鼻を摘んだ。
「夢な"のに"じゅごいリアル感だな"!」
なんか目がシバシバするし、ここに居続けるのは非常に体に悪そうだ。
そう思いダッシュで街の外に脱出した。
暫く走って森の近くで深呼吸して息を整えた。
「ふう。ようやく落ち着いた。それにしてもやばいなあれ。汚水とか汚物とか平気で外に捨ててんだもん。なんであれで病気とか広まらないんだ?」
これ夢でしょ?とんでもファンタジーだよね?
こんな中世ヨーロッパの現実みたいな夢じゃ夢も希望無いよ。
「あーぁ。異世界系のラノベみたいに街中で買い食いしたり、冒険者ギルドでのお約束してみたかったのになぁー。こんなんじゃ街中とかに絶対入りたくないよ」
グチグチと愚痴を翻ながらマップをついでに攻略して行く。
森中はモンスターとか出んのかな?
あのオーサマー(笑)の台詞はポリゴンクエストのゲームオーバー後のロードした時の台詞だよな。
て事はポリゴンクエストのモンスターとか出るのか?
まあ、レベルカンストしてるから遭遇しても問題無さそうだけど一応体にスキル馴染ませるか。
格闘術を少しやって見た。
画面上では効果音とエフェクトだけだったからこんな動きをするんだなと自分で自分に感心する。
後は遠距離用に弓と矢と銃をストレージから出して装備してみた。
「あれ?なんで入れ替えないで装備できんだ?」
背中に矢筒、手には弓、脇下にホルダーに入った銃。
試しに剣と槍と斧と杖も装備してみた。
槍は肩に斧は後腰に剣と杖は両腰に装備された。
「これは…」
ゴクリと唾を飲み込み、盾と小手と鎧と兜も装備してみた。
「ふ、フルアーマーやぁーーー!」
年甲斐も無くはしゃいでしまった。
「いやいや、まだだ。まだ慌てる時間じゃない」
装備は出来たが、これでスキルが発動しないのであれば張子の虎と一緒なので、取り敢えず入れ替え差し替えで武技を発動させてみる。
…………。
体が震える。
やばい、これ重武装タイプのリアルロボット系みたいに厨二心を疼かせる。
結果として武技は全て発動した。
動き的に人体の動きに有るまじき動きをしていた事もあったが問題無く動けた。
だけど森の一部を荒野の如くにしてしまった。
考えてみたらレベルもそうだが、武器もヤバい奴だった事に今更気付いた。
森中でも奥の方に来ておいて良かった。
人的被害なんか出してたら寝覚めが悪すぎる。
夢だけにナンチャッテ!(๑>•̀๑)テヘペロ
……………。
こほん!
それと、なんかログに色々と手に入れた的な表示がなされていた。
姿は見ていないが何かを狩っていたらしい。
死体が一切無いので何とも言い難いが。
まあ、いいやちょっと休憩。
一休み一休み。
って一休さんか!
この時の俺は考えもしなかったんだ。
この先の無限ループともいえる終わらない日々が続くなんて。
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