第2話

 改めて、俺の名前は春咲隼人。

 今年で45歳のしがないサラリーマンだ。


 ゴールデンウィークに入って久方ぶりに実家に帰郷していて、小学生の頃にやっていた懐かしいゲーム機を発掘。


 久しぶりにあの名作ポリゴンクエスト⑵をやって時間を潰していたはずなのだが、どうしてこうなった。


〖おお 勇者!

 しんでしまうとは なさけない…。


 そなたに もういちど きかいを

 あたえよう。


 ふたたび このようなことが 

 ないようにな。

 では ゆけ! 勇者よ!〗


 さっぱり意味も状況も分からないので目の前のコスプレオーサマー(笑)に色々尋ねたのだが、返答無し。

 周りの兵士も以下同文。


 しばらく混乱していたけれど夢って事にした。

 そうなると、もう吹っ切れて城の中を探索。

 するとマップが表示されて歩いた所が分かるようになっていった。


「もしかしてステータス表記とかもあるのか?」と口したらば出ましたステータス表記。


 ネーム:ハルト

 レベル99。

「ってカンストしてんじゃん!なんで?」


 因みに、装備は無になっている。

 今着ているジーンズとパーカーは装備ではないのか?

「あー。これあれじゃん昔ゴリゴリにレベル上げしたデータのやつじゃん。

 ハルトって使ってたなぁー。

 春咲隼人の両端取ってハルト。

 今思うと安直だけど、でも懐かしい」



「あ、ストレージもあるじゃん」

 剣、槍、斧、鞭、弓、銃、杖、手袋、鎧、布服、兜、帽子、小手、盾、靴、薬、種、技玉。


「取り敢えず手袋と布服と靴を装備するか。どれにしよう」


 という訳で、持ってる中で最強のにしてみた。


「うん。これは激しく厨二心をくすぐる装備だな。さて、次はスキルと」


 剣術、槍術、斧術、鞭術、弓術、銃術、杖術、格闘術と……全部レベル10。


「……ん?その他なんてコマンドあったっけ?」


 スキル:譲渡

 スキル:商談

 スキル:製作


「え?なにこれ?商談とか俺の日本の仕事かよ!」


 つい、大声出してツッコミをいれてしまったが、周り兵士もオーサマー(笑)も反応が無い処か微動だにしない。

 軽くホラーだな。


「でも、譲渡と製作って何だ?……もしかしてプレゼンとプログラムの事か?」


 うーん。何年もやってるから特技といえるのか?

 だからスキル?


 うん。保留だな。これは。


 ある程度、調ったので夢が覚める前にいざ冒険の旅に出よう。


 こうして俺の旅は始まったのだ。

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