第24話 挨拶


 その光源の方から私たちを警戒するようにこちらへと歩んできた男は、私たちから会話をするには少し遠い位置で立ち止まった。


「……どうも」


 そう軽い挨拶を口にした男は、私たちを見定めるように眺めてきた。

 私はその視線に思わずむっとしたが、師匠は嫌がることもなく笑顔を浮かべた。


「初めまして。私たちはカナドラの者よ」

「カナドラ……!?」


 その男は、師匠の言葉を聞いた途端に目を見開いて驚きの声を上げた。

 そしてすぐさま元の表情に切り替えて、慌てたように自己紹介を返した。


「ああ、いや、俺たちはハンターの者だ。ハンターカードは持っているが……」

「私たちは何も。それでは私たちはあちらの方に居ますので」


 師匠はそれだけ言うと、呆気に取られている男を置き去りに立ち去ってしまった。

 いったい何が行われていたのかわからずに男のように固まっていた私も、ライラさんに肩を押されて師匠の後を追うのだった。

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