第21話不思議なお茶会?と目的

 ※主人公視点

 ーーーー

 


 ガルフォンは前屈みになり、ひざひじを置いて顔を両手でおおって、その後は何も言わなかった。


 フィル君は顔を青くしながら自分フィル君あごに、グーににぎった手を当てて何かを考えてる様子で、私は右手で口をおおって、左手は右手のひじに、自分わたしの身体を抱きしめた。


【3年前にゆるまっていた魔王の封印】【ガルフォンの叔父さんリディエール公爵身体なかに居るナニか】気になる事がいっぱいあるけど…。


「…弟さんは?…どうなったの?」

「…………死んだ。……お頭は回復魔法は使えない。…ハイポーシュンでも治せない傷だった」

「お頭?」

「【闇ギルド商会ここの】今のお頭だ。あの時…偶然通りかかったらしい。俺の命の恩人だ」


 フィル君の質問にガルフォンはそう答えた。



 この世界ディアーナの魔法は大きく【魔法属性】と【特殊魔法属性】に分かられる。


【魔法属性】は四大元素の火、水、風、土と光と闇の6種類の魔法。

【特殊魔法属性】は四大元素の属性が合わさり、枝分かれや、進化して“派生”した属性。

 現在いまは雷、氷、回復と聖女のみが使える聖属性の4種類が【特殊魔法属性】に入る。


 風と水と光が“雷雨”となって雷属性が、水から“氷雪”となって氷属性が生まれた。光が“癒しの光”となって回復属性が生まれた。


 昔、今より魔法が繁栄していた時代ときは【特殊魔法属性】も種類が多かったけど、使える人が居なくなって“”みたい。



「ガルフォン、お前のはなんだ?」


 ボン!


 ポン!ポポン!


 ガルフォンは木目が綺麗きれいな丸木のテーブル、コーヒーが茶色のマグカップ入って3つ、私のマグカップの下に小さな桜の模様もよういくつも入ってる。


 小さな銀色のトングが付いた透明なガラスの容器に入った角砂糖が1つ。真っ白なミルクポットに入ったミルクを3つを出した。


 私達がいきなりのお茶会?の準備に驚いていると、ガルフォンが自分ガルフォンのコーヒーに1つ、2つ、3つ、4つ…と合計9つの角砂糖が入った時、フィル君は口を手で押さえて今すぐ吐きそうにしてる。


 私も笑顔をひきつらせながら…。


「……甘党なんですね」

「昔からな」

お酒アルコールは?」

「呑めねぇ」


((意外だ))


 私とフィル君は同じ感想だったと思う。


「あ〜、俺の目的かー。3つ…いや4つか。1つは“現在いま”がいつ魔王の封印が解かれてもおかしくない状態って事をお前らに伝える事と…」


 フィル君はブラックのまま、私は角砂糖1つ、ミルクを多めに入れたコーヒーを飲んだ。


「2つは叔父の身体なかからアレを追い出して、叔父から両親の事故の真実を聞くこと」


(真実これが1番知りたいんだろうな)


 私も前世わたしの仲間があの後どうなったか気になる。


 私は王宮で夕食を食べていた時に聞いたイグニーア国王陛下を思い出した。イグニは王位を継いだみたいだし、フィル君に聞けばもっと詳しい事が分かるかな。


 水色の狼の耳と外側にはねたショートカットの髪、狼の尻尾と金色の瞳を持つ獣人の人狼族。動物使いの少女の『ティーニャ』とペットの幻浪の『クゥ』


 前髪が分かれて足元まで長い黒い髪と見えない銀色の瞳。褐色の肌、耳は長く先が細い、ダークエルフの魔術師の『イーディス』


 ツキン


 私は胸が痛んだが無視した。


「3つは…お頭が。嬢ちゃん【】に会いたがっている」


 ガルフォンは私を指差してそう言った。


(私⁉︎)

「「どういうこと? (だ⁉︎)」」


 私とフィル君の質問が重なる。


「…確認したい事と話したい事があるって言っていたぜ」

「確認したいこと?」


 ガルフォンは私をじっと見つめて何かを言おうと口を開いたが、すぐ口を閉じた。


「4つは…」


 私の質問には答えず最後の目的を告げようとした時、私の身体は銀色と緋色の光の粒が私をおおって私の意識はそこで途切れた。




 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「…ん」

「ナ。…ハルですか?」

(な?)


 私は座っていたのに、倒れたんだろうか、フィル君に抱き止められて、心配そうに私を見てる。

 ガルフォンはいつのまにか立っていて、驚いた顔で私を見ていた。


「…私どうしたの?」

「「記憶は ないんですね」

      ねーのか」

(記憶?なんの?)


 フィル君が私をお姫様抱っこして立ち上がった。


「ガルフォン、外が心配です。異空間ここから出して!」


「フィル君?」


 なにがあったの?


「魔王の“封印”が解かれた」

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