第11話旅たちとテント
「ハル失礼します」
平常心を取り戻したフィルシアールが私を抱き寄せたので、私はビクッと身体をこばらせる。
(えっ、何っ!?)
「テレポート」
私の視界がぐらっと大きく歪んでいき、その歪みが収まると2人は厩舎に居た。
(な、なんだ…テレポートか…。はじめてじゃないけど、
テレポートも王族のみが使えるユニークスキルだ。
ふら ふらっと揺れる私を見てフィルシアールは
「すみません。時間がないので…」
私を支えながら目的の場所へ急ぐ、
フィルシアールはその白馬に乗ると同時に私を優しく包み込む様に風がおき、ふわっと体が浮かび上がるとフィルシアールの前に私を運んだ。
(えっ、ちょっと)
どこからどう見ても後ろから抱きしめてる様な体制に
(こ…コレって)
私はカチン コチンに固まる。
「走るので気を付けて下さいね」
(2人乗りー!!)
私の心の叫びに気付かないままフィルシアールは白馬を
どのくらい走っただろうか、私達はとある森林の中で、やっと地に足が着いた。
(つ…疲れた)
私はぐったりと木にもたれ掛かっているとフィルシアールが
「ハル水です。飲んで」
魔法で出した水を春の口元へ水を差し出す。
(…フィル君は風と水属性なんだ。これで光も持っていたら…イグニと一緒だなぁ)
そう思いながら私はごっくんと水を飲み込んだ。
ほんの少しだけ落ち着いた私を見てフィルシアールはほっとしながらも
「
とても申し訳なさそうにそう言うと、
ボッフーーーーーーーーーーーーーン‼︎
チューリップや百合、野ばらに桜など色んな花が咲き乱れている広い庭とその奥にヨーロッパ風のとても可愛い家が立っていた。
(
私はテントの進化?に困惑して
「家なんですね」
そう呟くとフィルシアールはにっこりと微笑んで
「昔
(あ!フィル君も怒ると笑顔になる人なんだ)
フィルシアールを見つめていると
「ハル?」
不思議そうに顔を傾けるフィルシアールの仕草に私は
(やっぱりフィル君ってイグニに似てる)
そう思うのは何度目だろう。
こうして
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