第8話王宮の料理

『ハル聞こえますか?

 聞こえたらティーカップをテーブルに置いて』


(これってテレパシー!)


 私はフィルシアールの様子をチラッと確認する。


「次にスキルの説明をしますね。スキルは…」


 表面上はスキルの説明をしているので、私も話を合わせながら、カチャと音をたててティーカップをテーブルの上に置いた。


(たしか王族が使えるユニークスキルだったよね)


『そのまま僕の話を聞いて』


 前世まえ山賊に捕まった時緊急時にテレパシーをはじめて使っていた。


(王族同士ならテレパシーでが出来るけど、私はテレパシーのスキルがないから、出来なかったはず)


 のスキルなのに現在いま使ってるって何があったの。


『この後ー…』





 ー30分後ー


「…ーでは明日はハルの鑑定からお願いしますね」


 チャリンとフィルシアールはベルを鳴らすと侍女は直ぐ姿を見せて、私を部屋へ案内すると部屋には料理が用意されていた。


 メイン料理は見た目が牛肉?のステーキっぽい、あとはトマトとレタスが入ったサラダにスープにパンとオレンジジュース。


(かぁ)


 王宮の料理はしかない。


(カップとナイフ、フォーク、スプーンがだけど、食べても平気なの)


 私が食べる事を迷っていると侍女が銀製のスプーンを取り出して


「聖女様、失礼致します」


 そう言うとコーンスープっぽいスープをすくうと、そのまま侍女自分の口に運んで飲んだ。


「ご安心なさって下さい。この料理は全ております」


 私は侍女を見つめると


千年前かつての聖女様にが盛られた事がございました。

 それから聖女様の料理にもを付けるようが命じられました」


 ドックン!


 私は自分の胸を掴んで


(イグニごめん。本当にごめんね)


 私は席について冷めた料理に口をつけた。


(侍女さんはって言っていた。


 お父さんの…王位を継いだんだね)


 私はパンだけ口をつけずに残した。

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