第9話入浴と…
真っ暗な月明かりだけが差し込む部屋の片隅に、淡い白とピンクの天蓋が付いてる
(やっとひとりになれたぁ)
私はぐったりしていた。
(夕食まではよかったんだけどなぁ)
問題は入浴だった。
5人の侍女が付き従い
(自分で出来るって言ったのに)
頭や体も誰かに洗われて
(ひとりで出来るのに…)
アロマなどを使った全身マッサージ
(これは気持ちよかった)
入浴中もひたすら世話をやかれ
(ひとりになりたかった)
(このまま寝たいけど)
時計を確認すると、時間は23時35分を指していた。
(約束の時間まで30分もない)
私はベッドから起き上がりテレパシーで受けた指示通りに動きはじめた。
『部屋のベットの下に
ベットの下を覗くと暗めの茶色のポシェットがあった。
(あったコレだ)
(えーとポーション、MPポーション、エリクサーにテント…)
私は中身を確認しながら画面をスライドさせていく
(中身は…旅に必要な物ばかり)
これからレベル上げの旅に出るから必要だけど
(こんなこそこそするのは何で?)
疑問に思いながらもスクロールしていくと
(あった!)
目的の物を見つけて画面をタッチすると空中にパアッと洋服や靴が出て来た。
『その中に入っている
私がネグリジェを脱ぎ下着だけの姿になった時
「ハル、お待たせ…」
まだ約束の時間の15分前なのにフィルシアールが姿を現して、お互いの状況が飲み込めず固まった。
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