第6話今代の聖女
※フィルシアール視点
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「この話はこの国の実話です」
フィルシアールはそこで話に一区切りつくと、じっとハルを観察した。
最初の聖女【聖なる少女】から歴代の聖女は例外なく黒髪と黒い瞳だった。
(彼女もそうだった)
フィルシアールは眼を瞑ると懐かしい光景が
『 イーディス』
ぼく達を呼ぶ大きな真っ赤なリボンをした少女を思い出した。
眼を開けると、もう一度じっとハルを観察した。
今代の聖女:ハル・イチノセ
どこからどう見ても彼女と正反対で僕と同じ"銀髪と緋色の瞳"を持つ少女…。
『フィル』
自分の
王族の血筋のみ持つユニークスキル:テレパシーの力だ。
【
『兄上。鑑定結果はどうでしたか?』
歴代の聖女が黒髪と黒い瞳だったため、こちらの都合で召喚したにもかかわらず、今代の聖女は『本物か!偽者か!』と臣下達が僕が生まれた時と同じように騒ぎ出した。
通常ならハルに説明した後に【水晶の間】に行って鑑定するんだが、臣下達を静めるためにとはいえ、秘密裏にハルを鑑定をする事になった。
(今も昔も変わらない!!)
そう思いながらフィルシアールはハルに気付かれないように拳を握った。
『はじかれた』
『レベルが最も高い
フィルシアールはハルに今後の事を説明しながら兄の声に耳を傾ける。
『その報告を受けた臣下達が と騒いでる』
「…ーーっ!」
(聖女がどうかを疑っていたのに、今度はどうしてそうなるんだ!?)
フィルシアールは兄の言葉に息をのんだ。
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