第5話古の伝承

 フィルシアールがテーブルの上に手をかざす。


MAP


 手をかざした辺りにブゥンとゲームで見るようなが浮かんだ。


「ディアーナ王国の


 地図上の最北端:とんがり帽子のような先っぽを指差して


「此処に【】が

 ? ………ハル、どうしました?」


「いえ、なんでもないです」


「……そうですか」


 フィルシアールはソコを見てる春が気になったが、説明を続けることにした。



 ー今より遥か昔…


 膨大な魔力を持った【なに】かが生まれた。


 その【なに】かはソコに居るだけで人間ひとには毒のを生み出し


 瘴気が集まり濃くなり過ぎると人間ひとを襲うになった。


 大勢の人々が困り果てた時、が魔王を倒そうと立ち上がり、獅子と人々の祈りが神に届くと、何処からが現れた。


 少女が祈ると【なに】かは封印され世界に平和が戻った。


 聖なる少女は封印が終わると何処かへ姿を消し、獅子がディアーナ王国初代国王になり、【なに】かを【魔王】と名付けたー。



「…ーこれがこの国の【建国の神話】です」


 そこで一区切りつくとフィルシアールは紅茶を飲んだ。


(…この話は)


 私はそう思いながら胸をギュッと掴むと


「この話はこの国の実話です」

     (この国の実話だ!!)


 私の心の声と被るようにフィルシアールはそう言った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る