第3話フィルシアール

 ※フィルシアール視点 

 ーーーー



 ディアーナ王国王族の血を引く人間ひとは必ずで生まれる。





 ー15年前ー


 先代国王陛下と王妃殿下の間に生まれた、第2王子:フィルシアールはだった。


 王家の色を持って生まれなかったため王妃殿下の不義を疑い


『王妃殿下と不義の子フィルシアールに処罰を!』


 そう進言する臣下達が多い中、先代国王陛下は必死にその進言を止めた。


 先代国王陛下のその対応に不満を持つ臣下は多かったが、フィルシアールは先代国王陛下と瓜二つに成長していったため、王妃殿下の不義を疑う声は次第に消えていった。





 ー10年前ー


 先代国王陛下王妃殿下が亡くなり、 第1王子が王位を継いだ後、【禁書の間】

 そこへ行くようになってから兄はフィルシアールと距離をとりはじめたー…。





 ー春と出会う1カ月前ー


「…フィル、話がある」


「兄上」


(声をかけられるのは何年ぶりだろう…)


 そう思いながらフィルシアールは兄について行った先は【禁書の間】の扉の前だった。


 頑丈な石で出来た扉の中央に【獅子と魔王と聖女】が描かれており、兄がその絵に触れると扉は白く輝き開きはじめた。


 何の迷いもなく中に入って行く兄に


「待ってください!。…………っ」


 フィルシアールは無理だと顔を青白くしながらも必死に横に振るが、兄はそんな弟の袖を掴んで強引に【禁書の間】に入って行った。


 すんなりと入れた、フィルシアールに兄はいつ頃の書物だろうが、かなりり切れた1冊の本を差し出した。


(ああ、やっぱり)


 フィルシアールは兄から本を受け取り。


「…ーーーー気付いてたん…だね」


(きっと父上も分かっていた)


 フィルシアールは亡き現世いまの父と母


 を思って泣き崩れた。

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