裏話No.7:胸が痛くて
今回はアリティー側の心境について書いてみました。
どうだったですかね?
感情移入できました?
アリティー、結構ひどい感じの悪役だからなぁー……。
どうでしょう。
自分でキャラを作っておいて何ですが、実は私、アリティーがずっと嫌いでした。
とことん勘違いして食い下がる、純粋な敵役。
それが彼で、そういう風に見えるようにアリティーを描いてきたので、きっとこの作品を読んでくれた大半は彼の事が嫌いなんじゃないでしょうか。
でもこの話数を書きながら、ちょっと涙目になりました。
あぁ私まで胸が痛い。
やっぱり心情寄りにストーリーを書くと、そこを書いている間はどうしても、そのキャラ寄りの考え方になってしまいます。
テレーサとの喧嘩との時とデジャブですね、懐かしい。
さてさて。
今回セシリアには、笑顔でスッパリと「大嫌いです」と言わせました。
言わせたかったんですよね、ずっと。
それで、それに思いの外ショックを受けて新しい自分を見つけるアリティーが書きたかった。
アリティーの心に刺さった大きなトゲは、彼が初めて感じる種類の痛みでした。
彼はここまでずっと、周りに『平凡だ』と揶揄されることはあっても、あんなに正面切って「嫌いだ」と言われた事は一度だってありませんでした。
だからっていうのもありますが、それでも相手がセシリアでなければここまで痛くはなかったと思います。
めっちゃ痛い。 (←主に、書いてた私の心臓が。
彼はずっと、彼女に興味を持ち、手に入らないからと執着し。
それでも最後には必ず手に入ると信じて疑わずにここまで来ました。
せっかく囲い込み漁を仕掛けたのに網を食い破られて、逃げられて。
それでも追いかけたら噛みつかれた。
↑今ちょうどココ。
彼からすると、追いかけていた魚には歯が無いから、少々噛まれても痛くないと思ってたんです。
でもセシリア、観賞魚みたいな見た目をして実はピラニアみたいにギザギザとした歯を持ってたから、噛まれたらめっちゃ痛い。(笑)
でもセシリアを手に入れるためにあそこまで視野が狭くなってるというか、躍起になっている今の彼自身をどうにかするには、公の場での回りくどい拒否よりもオフレコで真っ向から拒絶する方が絶対に効くでしょう。
因みに、今回アリティーは『拒絶されて胸が痛む』という変化にみまわれましたが、この先彼がクラウンと同じ様に良い方向に更生していくのかというと、ぶっちゃけそうはなりません。
成長により何かが軟化する事はあるかもしれませんが、彼の中の根本は変わらず、ずっと『厄介な人間』のままな予定です。
対比が好きな私ですから、彼には彼の道を行ってもらうことになるでしょう。
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