裏話No.3:何故。そう問うて、周りを引き込む

 



 ここまでで、一旦召喚の建前になっていた『王族案件』に関するやりとりに区切りがつきました。


 クライマックスかつ「相手に否応なく認めさせる」というオルトガン伯爵家側の意図もあり、一場面(1ざまぁ)が長いです。

 これをどうか説明回ではなくワルターの用意周到さを見せる為の一場面として見てもらえると嬉しいのですが……どうなんだろうか、ちょっと不安です。(笑)


 

 この物語は、基本的にセシリアの物語です。

 だからという事もあり、今までこんなにも連続してセシリアが出て来ない話数というのも珍しい。

 しかし、何を隠そうセシリアの論理的思考の組み立て方や怒った時の追い詰め方は、間違いなくワルター似でしょう。

 

 という事で、ざまぁ以外にも「この父にしてこの子あり」な所を感じ取ってもらえると、作者としては嬉しいです。


 

 因みに、怒ってない時のセシリアやそもそもの『効率主義』な気性は母親似。

 

 怒った時の対クラウンや対テレーサでは、理詰めで「ガンガン攻めるぜ!」な感じ。

 対して社交場やレガシーに対しては、相手をよく見て配慮してる感じ。


 前者が父親譲り、後者が母親譲りという感じですね。



 まぁ、それは一旦置いておくとして。


 ワルターは、セシリアの上位互換です。

 その為「集めた人格情報や状況情報を、どう組み立てて活かすのか」「どんな手を打って、どう使うのか」。

 その完璧さは、セシリアが目指すべき完成形です。


 特に「与えられた権限の範囲内で、正攻法だけで如何にして戦うか」は、セシリアにとって大きな課題でしょう。


 彼の潔癖なまでの正義感は、セシリアだって備えています。

 だからこそその土俵での『効率的な闘い方』の手本に、この時とワルターは成れるでしょう。


 この場面を書きながら、いずれ成長したセシリアがそうなる時をまた書きたいなと強く思っている所です。




 さてさて。

 ワルターとセシリアについての話はここまでにして、この先の話を少ししてみましょう。



 突然台頭してきたマーチリー子爵(横からイチャモンをつけてきたあの貴族)を不思議に思った方は、一体どれくらい居るのでしょうか。


 「また無駄に登場人物増やして……」とか思いましたかね?

 でもここでの彼の登場も、変な自信を持っている理由も、先に進めば分かる様になっています。

 

 今言える事は、ただ一つ。

 彼には華麗なるザコとしての役割があるよ、という事です。


 実際、子爵という立ち位置でありながら、王の御前で王を差し置いて伯爵相手に(間接的に言えば侯爵にも)楯突くなど、普通ならばあり得ない所業ですからね。

 今回不問になっているのは、ただ単に王が『静観』を選択しただけであって、つまりはただの偶然というか、気まぐれというか。

 そういうアレです。


 そんな、運がいいのか悪いのかちょっと良く分からないマーチリー子爵にも、今後注目してみてください。



 さて。

 物語はこの後、国王視点(王の焦りやら何やらを書いた)の話を1話挟んで、ワルターの手腕で別案件へとシフトします。


 次の役者はクレアリンゼ。

 彼女がこの国に落とした爆弾と、社交手腕が繰り広げるざまぁ。

 それらを是非ともお楽しみください。


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