裏話No.11:諦めと、落胆と
今回のお話は、テレーサ対セシリアが主体となっていました。
いや、どっちかっていうと『保守派』対セシリア、でしょうかね。
どちらにしろ、結構な話数を使ったエピソードでした。
ちょっと長かったですよね。
しかしこのエピソードはセシリアにとっても色々な事が氷解した収穫回でした。
第二王子との噂の内容と、その出所。
テレーサに対して抱いていた『違和感』の正体。
そして、『保守派』について。
セシリアを取り巻く環境が少し垣間見えた話数だったのではないでしょうか。
令嬢達、最後の方では皆セシリアが怖くて泣いてしまっています。
領地と領民の話で、不可抗力とはいえセシリアを怒らせてしまいましたからね。
でもあの話の流れだと、セシリア的には引き下がりたくても引き下がれないんです、仕方がない。
本当にセシリアは彼女と対立したくなど無かったんですよ。
だってせっかく仲良く出来ていたんだし、侯爵家と対立しても良い事なんて何もない。
領地と領民を引き合いに出されて思わず感情が泡立ってしまった、という。
しかしこれ、本文中では「『貴族の義務』に起因している」と念押ししていますが、それはあくまでもセシリアの主観でしかありません。
実際には「それ以上に領地と領民を人質じ取られて、ただ純粋に腹が立った」という裏の事実があります。
まぁ本人は全く気づいていないのですが。(笑)
まぁ、こういう所が彼女が『合理主義者』ではなく、あくまでも『効率主義者』な所以なのでしょう。
感情を全て廃して一番手っ取り早い方法を取るのが『合理的』。
そして、感情は持ったままで手っ取り早さも目指すというのが『効率的』。
そしてセシリアは、自身の怒りを廃して「私にその気はありません。それじゃぁ」と話題をぶった切るのではなく、わざわざ相手を言葉責め(笑)にした。
つまり怒りは切り捨てず、その上で一番手っ取り早い方法として相手を言い負かす事にした。
十分感情的ですよね、これ。
まぁだからといって100%感情で動いたという訳でも有りません。
これには「こういう攻め方をしたら今後は本気で許さない」という今後への牽制の意味も込められていました。
そしておそらくそれは、その場に居た令嬢達には痛いほど伝わったでしょう。
だって怖くて泣いちゃったくらいだもん。(笑)
私は主にセシリア視点で物語を見ているためそんなに怖くは無かったですが、もしも私があんな攻め立てられ方されたら……。
ガクブルしちゃいそうなので、これ以上想像するのはもう辞めておきましょう。
さて、このエピソードが終わって、色々と疑問も浮上したでしょう。
クレアリンゼが気にしていた、『保守派』の動きに関する手がかり。
そして、テレーサは一体誰かから指示を受けていたのか。
どちらも今後明かされます。
取り敢えず次話は、クレアリンゼへの報告会です。
テレーサの裏側やテンドレード侯爵の思惑なんかはその後になるでしょう。
後はデーラ伯爵への話を含めた、第二王子の動向。
うーん、まだまだ本編は続きそうです。
一応第二部の終わりは定めているんですが……もうちょっとお付き合いくださいな。
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