裏話No.10:守られるだけじゃない

 

 今回は、テレーサからの手紙に関する母子の会議風景をお届けしました。



 母・クレアリンゼ、久々の登場です。



 それにしても父・ワルター、全然出てきませんね。(笑)

 彼にはもうちょっと出番を待ってもらいましょう。

 大丈夫、彼は現在裏で色々と動いていますよ。





 さて、何だかきな臭い感じになってきました。

 『保守派』に密談の動きですって。

 しかもセシリアが探りに入ります。



 とは言ってもセシリアは、母との約束で『能動的に動く事』は禁止されました。

 「受動的に見聞きする事から情報を拾ってきなさい」という、これまた難題を提示されています。



 確かに事と次第によれば口封じの可能性もあるでしょうから、クレアリンゼが対策を講じるのも分かります。

 セシリアは能動的に動いて情報を仕入れることがスペック的に出来る子ですからね。

 約束などで縛らなければ、きっと自分よりも領地の利を取ってしまったでしょう。



 しかし彼女は同時に、決められたルールの中で頑張れる子でもあります。

 だから最初から『能動的に動かない』というルールを提示すれば、きちんとその約束は守って動きます。



 彼女にとって能動的に動く(質問の仕方などを考えて最大限情報を引き出す)のと

 受動的に動く(見聞きした情報を拾い集めて状況を推察する)の、どちらの方が簡単なんでしょうね。



 どちらにしても頭は使わねばなりませんが、今まで社交の場でしてきたのは比較的前者のやり方でした。

 しかしどちらにしても、『完全受動型』というのは彼女にとって初の試みです。



 彼女が『完全受動型』を貫いて上手い事情報収集をする事が出来るのかは、まだ先を書いていない今、確約できないのですが……。

 敵地(?)に乗り込むセシリアを、皆様どうか作者と一緒に見守ってやってください。




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