裏話No.11:これからの彼次第

 



 さて、今回はクラウンについてのお話を少々。



 今回、随分しおらしい登場をしたクラウンですが、どうにか彼もスタートラインに着くことが出来ました。



 思えばクラウンの登場→やらかし→恥の上塗り→孤立と来ての『スタートライン』です。本当に長かった。



 何だか作者もしみじみとした気持ちになっています。





 それではクラウンについて、ちょっと掘り下げましょう。



 まずは、クラウンが孤立して途端にしおらしくなっちゃった(笑)件について。





 これについてはその経緯を書くか、ちょっとだけ悩みました。



 クラウンの話として書くなら、この部分は大事な彼のターニングポイントとしてしっかり書いてあげるのが良いのでしょう。



 彼の心の変化が分かった方が、読者の方々としてもすんなりとセシリアに相談しに来るシーンを見ていられたと思いますから。



 でもこのお話はセシリアを主軸にしたお話です。

 彼女の愉快な(?)仲間たちについて度々掘り下げていると、いつまで経っても話が前に進まない。



 なので今回は泣く泣く、彼が心変わりをする瞬間までの感情の軌跡は省いて描く事にしました。

 描くとすれば、後日譚として番外編でのお届けになるかと思いますが……。



 番外編のネタは、既に13エピソードも溜まっています。

 長蛇の列です。



 そこに彼のこの話を加えるかどうかについては「読者の方々からもしも要望があれば」という事にさせてください。





 どちらにしても、あの考え無しクラウンがこんなにもしおらしく、そして藁にもすがる様な思いになったのです。



 そんな事態に免疫が無かったにしても、10歳の子供には酷な何かがあったのでしょう。



 書くとなったらその辺リアルに書きたくなってしまうと思うので、もしも書くとしたらちょっと重い感じの話になっちゃいそうな気がしています。







 さて、次は彼のこれからについて。





 彼は最初驚くくらい考え無しでしたが、それは彼を取り巻く環境のせいだという話を以前の裏話でしました。



 今回その環境は、彼自身が周りから孤立した事で変化を遂げました。





 誰も助けてくれない。

 そんな状況下で、彼は人生で初めて『自分で考える』という経験をする事になりました。



 そうして考えて「まずは状況を理解しなければ」と思い至り、セシリアの覚悟を問う言葉に考えて決意を固め、状況を理解した今彼は、今度は打開するための方法について考えなければならないという状況に立たされています。





 何が悪くて、どう解決するのが良いのか。

 考える事はまだまだ山積みです。



 慣れない事に挑戦するわけですから、当然大変でしょう。

 失敗もするだろうと思います。



 彼は今年、10歳です。

 10歳というと、丁度小学校3年生くらいです。

 ちょっとばかし考え無しな言動をしても許されるのは、せいぜいこのくらいの年齢迄な気がします。



 彼は許されるギリギリの年で『自分で考える事』の大切さを、身を持って学ぶことが出来ました。



『失敗した所が、新たなスタートラインである』。

 セシリアではありませんが、私もそう思っています。



 これからどう、彼が伸びていくのか。

 その伸びしろを上手く皆様にお届けしていければいいなと思います。



 これからの彼に期待していただけると幸いです。







 さて、とりあえずこれでクラウン編はひと段落。

 ほんの少し話数を挟んでからは、遂に『第二王子編』に突入します。



 第二部第三章の『ちょっぴり予告』については、また次の裏話で。


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